最強の怒りコントロール術 リアプレイザル

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人間関係

どうもgive-keyです。

今回は神経科学の中でも最も効果の高い「怒りの感情」をコントロールするテクニック、

「リアプレイザル」 について解説していこうと思います。

怒りの感情はとても厄介ですよね・・・

突拍子もないタイミングで相手の発言にカチンときたり、裏切られた時に跳ね上がるような感情の波が押し寄せてきて、短絡的な発言や行動に走って後々後悔したりと、このネガティブな感情はコントロール出来ないというのが、私たちの常識でもありました。

「まあまあ、相手も悪気があって言っている訳じゃないんだから」

「あいつのことなんか気にしなくてもいいよ」

 

なんて、なだめられたって一度湧き上がった怒りの感情はくすぶったまま、執着心に変わったりします。

ここで、ちょっと視点を変えて質問しますが、

「怒り」ってどうして起こるのでしょうか?

どういった条件が揃ったときに「怒り」の感情が誘発されるのか、しっかりと説明できますか?

 

これ、意外と出来ませんよね?

今回は、先ず「怒り」の感情に徹底的に分析し、「怒り」の正体を暴き出した後、

その感情をコントロールする最強のテクニック「リアプレイザル」をご紹介したいと思います。

この「リアプレイザル」をマスターするだけで、実は人間関係すらも、かなり改善されます。

このテクニックをよく使う人の傾向としては、ポジティブな感情が沸き起こるので相手とのコミュニケーションにも率先して取るようになり、親密な関係を気づく傾向がありますし、好意的に接してるので周りからの印象も良いものに改善していくようになります。

それでは、解説していきます。

 

怒りを感じることを科学的に分析

先ずは、怒りとはなにかという事にフォーカスを置いて、解説していきます。

私たちが怒りを感じるときというのは、実は共通している事が6つあります。

そもそものベースとしてある共通事項は、「不公平」を感じた時に怒りを感じるんですね。

2011年のグリフィス大学のアーロン・N・セル准教授によれば、

「怒り」の感情というのは「公平な対応をして欲しい」というニーズを満たすための交渉術として進化したと考えられているんですね。

これを「怒りのリキャリブレーショナル理論」と呼ばれています。

つまり、自分の期待と相手が自分に対して与えてくれる物の歪みやズレを修正するための交渉術が「怒り」なんです。

この歪みや認知のズレというのは、以下の6つに大体分類されます。

他人から不当な扱いを受けたと感じた時

他人からの不当な扱い、例えば裏切りや、適当な反応をされた時に「自分と他人の間に心理的な距離や温度差」を感じ、その記憶が頭の中で反芻しているパターンです。

こうなってくると、「怒り」が慢性的になり常に自分が絶対に正しいと思い込むことで、怒りのパワーを自分を正当化するためだけに使い、周りと闘い続けるといった負のループに陥るんですね。

この原因は、他人の行動に寛容的になれない性格に多かったりします。

怒りでの成功体験

過去に他人に怒り、支配的な関係を構築した体験が、自分にとってメリットだと学習したパターンです。

こういう人はかなり高圧的で、支配的ですし、怒りを常に交渉術として使用するため対人ストレスをため込みやすく、更に怒りがエスカレートしやすいです。

怒りの感情を抑えがち

普段から小さな怒りを抑えがちな我慢が癖になっている人は、怒りの感情が爆発する傾向が強いです。

「怒りを発散してもいい事ないし、小さな怒りを抑制しよう」と思ったところで、むしろネガティブな感情を増大させることが分かっています。

更には、交感神経の反応が強まることで緊張と不安が増して、偏桃体(感情をコントロールする脳の部位)が活性化してしまいますので、注意が必要です。

自分が努力してきたこと、積み上げてきたことを無駄にされた、又は邪魔された時

例えば、積み木を崩されたり、やっとキレイにした洗面所を一瞬で汚されたり、RPGのゲームしている時に母親がゲーム機のコンセントに引っかけてゲームが止まったりすると、怒りが発動するパターンです。

自分に正当な権利があると考える

これの意味として

「自分は幸せを受け取る権利がある」

「他人は自分に好意的である」

「自分の人生は幸運の連続であるはずだ」

みたいな思考に囚われている人の事を「心理的エンタイトルメントが高い」と表現します。

この傾向があると何が起こるかというと

自分が不幸や不運に見舞われると、最初に説明した自分の期待と、外部からの自分に対する正当な報酬の認知にずれが生じ、怒りを発揮するパターンです。

これは、あくまでも自分に起きる不運なので、他人の不幸については同情心を持つことはありません。

何かしらの疾患が原因

慢性的に発動する怒りは、

  • 間欠性爆発性障害(急に前触れもなく怒りや感情の爆発が起こる障害)
  • 双極性障害(躁状態と鬱状態を繰り返す障害)
  • 境界性パーソナリティ障害(感情の波が極めて不安定で、極端な判断や、自己アイデンティティの混乱を抱える)

といった障害では、感情の起伏が激しく怒りが常に発動するパターンです。

こういった場合は、専門医師の指示に従ってください。

人は何に怒っているのか科学的に分析

次は、私たちがどんな対象に向かって「怒り」を感じているのかを深堀りしていきます。

先程は「怒り」が発生する理由を探り、今度はその理由の基となる対象について何なの?っていう所にポイントを置いて、解説していきます。

厚生トレードオフレシオ(WTR)

厚生トレードオフレシオとは「Welfare Trade-off Ratio」といって、「他人が自分の厚生水準を自身と比較したときにどれだけ評価しているかの比」であり、言い換えるなら、

「自分が誰かに与える価値の量」と「他人が自分に与えてくれる価値の量」の比率のことを指します。

例えば、恋愛とかでもよくあるのが、男女関係のポピュラーな喧嘩ですよね。

「私は彼氏にこれほどまでに尽くしているのに、彼氏はなにもしてくれない」

「何度もアプローチしているのに、まったく振り向いてくれいない」

「子育てで毎日自分の時間取れないくらい忙しいのに、旦那は会社の飲み会で陽気に酔っぱらって帰ってくるし、休みの日はゆっくり寝ていてイライラする」

などといった具合です。

つまり、自分が相手に福祉できる水準と、相手が自分に福祉できる水準のバランスを崩すと、崩された側は「怒り」を覚えるという事です。

ただ、この厚生水準は人によって大きく異なるので、人によっては厚生トレードレシオも大きくなることもあり、「怒り」のレベルはかなり違ってきます。

ここでは「自分が他人に対してどれだけ期待しているのか、求めているのか」というのを客観的に把握することは、比率の差を埋める意味でもかなり重要になってきます。

集団メリットの毀損

人間は元々、群れで生活していた名残もあって、団体生活に特化した生存本能が予め刻まれているため、社会的にも適用しやすい動物とも言えます。

よって、そのグループの利益を願う傾向があるため、そのグループを1個人として扱います。

ここに他人がそのグループの利益を損なうような行動をすると、それに対して「怒り」を発揮するんですね。

例えば、推しのアイドルのコミュニティに対して、そのアイドルのアンチコメントをしてしまったらどうなるか、もうお分かりかと思います。

その瞬間に人として扱われるだけでなく、報復すらも受ける可能性があるといった、一人一人の「怒り」が起爆剤となって、最悪の場合、危険思想にまで発展する恐れがあります。

これは俗に人間の共感能力が引き起こしている現象です。

物への怒り

人は物に対しても愛着が湧く傾向があり、その物に対して、人に抱く期待と同等のレベルを求める性質を持っています。

例えば、急いで判断しないといけない時に、電子処理で正確な答えを導き出すコンピューターや、現代で言えばスマホだったりしますが、この時に操作性が悪くて回答までに時間がかかったり、的外れな回答を導き出した時に「怒り」を覚えます。

自己批判

自己批判がヒートアップすると、その感情は「怒り」となって自分を苦しめることが分かっています。

自己批判的な人というのは、他人に対して競争的で、敵対的、両義的であると言われます。

簡単に言うなら、自己批判的な人は自分の欠点や誤りを認めたくない事象がある一方で、建設的にどのように解決させるかの解決アプローチを行なっています。

この自己批判が過ぎる人は、相手に対しても批判的になると同時に、自己に対しても批判的になり「怒り」を発動させるんですね。

関係性が遠い他人への怒り

私たちがメディアで目の辺りにする政治家、犯罪者、モラルが欠如したYoutuberなど、心理的に遠い他人に対して「怒り」が発動することがあります。

この心理の背景は

「あいつの行動で、ある集団の幸福、平穏、自由が奪われている」

と感じる事で、厚生トレードオフレシオのバランスが崩れている訳です。

自分は、自分の人生の為に困難を乗り越えて生活して必死に生きている一方で、なにも考えずに自分の利益を追求する姿は、言わずもがな「怒り」を発動するのに十分な条件です。

怒りを抑制することは相当なリスクを負う

実は、「怒り」を感じた時に一番してはいけない事があります。

それは、「抑制すること」です。

2020年のPsychosomatic Medicine誌の一部を抜粋すると、

怒りの表現と心疾患の相関性を調べた研究で、都会と農村地域に住む40歳から79歳までの5936人を対象に怒りに対するアンケートに答えてもらいました。

結果なにが分かったかと言うと、

都会に住んでいる人は、田舎に住んでいる人に比べて心疾患になるリスクが高いという事が分かりました。

心筋梗塞や脳卒中になるリスクが、なんと2.9倍も高かったんですね。

研究者曰く、都会に住んでいる人の方が、日常的にストレスを感じやすく、人との関りも少ないからだと指摘しています。

 

また、2021年の研究とかを見てみると、世界問題である人種差別に起因するストレスイベントと、生物学的加齢の関連性を調査した結果、

怒りを内にため込んでいた被験者の老化の加速が、増加していたことが分かっています。

 

更には、怒りを抑え込む習慣が、継続的である場合に、慢性的ストレスとして私たちの健康に大きな影響を与える事が分かっています。

例えば2005年の急性ストレスと慢性ストレスについて調査した研究によると、慢性ストレスに曝されている被験者は以下の精神疾患や、身体的疾患を引き起こすリスクがあります。

  1. 鬱病・不安障害
  2. 睡眠障害
  3. 過食症
  4. 高血圧
  5. 免疫力の低下
  6. 冠状動脈性心疾患
  7. 動脈硬化
  8. 呼吸器疾患
  9. 肥満・脂肪肝

以上のことから、「怒りを抑制する」ことはかなりのリスクを伴うことが分かると思います。

 

「争うの面倒だし、自分が我慢すればいい話だし、丸く収まるでしょ」

って結構考えたりしちゃうんですが、実は丸く収まる所か、自分の死亡リスクを上げていたんですね。

 

怒りを外に出しすぎると逆効果

抑制するのがリスクあるなら、怒りを発散すればいいんじゃね?っと思いがちなんですが、これも有効な手段とは言えません。

多くの人は、ストレスやうっぷんが溜まってくると友達とかSNSで愚痴やおしゃべりをして、不満を発散させます。

ですが、こういった俗に言う「ガス抜き」は効果がないばかりか、逆にネガティブな感情を悪化させることがあります。

 

元々、この「ガス抜き」というテクニックは、精神分析学の始祖とも言えるジークムント・フロイトカタルシス仮説を提唱したところから始まっています。

要は「怒りが爆発する前に定期的に小出しをするといい」というのが、後の研究によって間違っているという事が明らかになってきているとの事です。

 

例えば、男子不大学生90人を怒らせた後に、その怒りを吐き出させて攻撃性が低下するかどうかの実験では、気分が穏やかになるどころか、むしろ攻撃性が増すことが分かりました。

また、600人の学生を対象にした2002年の研究では、2つのグループに分けてお互いの論文を徹底的に批判する実験で、後にサンドバックを殴るように指示したグループと、殴らなかったグループに分けました。

結果、サンドバックを殴ったグループは、そうではないグループと比べて、批判する内容が更に攻撃的になっていることが明らかになっています。

研究者はこう指摘しています。

怒りを発散させるのは、火を消そうとガソリンをかけるようなものだ

更に、不安感といった感情すらも増幅させることも分かっています。

178人の大学生に、アメリカ同時多発テロ事件(2022.9.11)から2カ月後、4か月後の2回に分けてアンケートを取った2007年の研究では、不安と吐露する人はそうではない人に比べて、4か月後の不安感が50%も強い事が分かりました。

補足として、インターネット上に暴言を投稿する人に関する2012年の調査でも、暴言を投稿した人の感情は一時的にリラックスするものの、そうではない人に比べると怒りを感じやすく、攻撃性が増している事が分かっており、その暴言の投稿を読んだだけでも気分のネガティブな影響を与えています

脳科学の研究者はこう説明しています。

You can think of our brain circuitry like hiking trails. The ones that get a lot of traffic get smoother and wider, with brush stomped down and pushed back. The neural pathways that sit fallow grow over, becoming less likely to be used. Kindergarten teachers are thus spot on when they say, “The thoughts you water are the ones that grow.” This is also true for emotions, like resentment, and the ways we respond to them, like venting. The more we vent, the more likely we are to vent in the future.

つまり、怒りや不安を発散させることによって、脳はその感情に関連する部分を学習しているのではないかと。

不安や、怒りを感じてもその感情を無視してしまえば、その感情に関する脳神経はそれ以上活性化はしません。

しかし、繰り返しその感情を発散さえる事でネガティブに特化した脳神経が活性化し、脳はよりそうした感情を感じやすくなっているのではないか。

という事なんですね。

怒りのコントロール

さて、怒りを抑えてもダメだし、発散してもダメとなればどうしたらいいのか…

なす術が無いように思いますが、一つだけ方法があります。

「反応にフォーカスした感情調整」をするのではなく、「前提にフォーカスした感情調整」

が、最も怒りのコントロールにおいて絶大な効果を発揮することが分かりました。

これを「エモーショナル・レギュレーション」と言います。

この考え方は、感情は抑える物では無く、自分なりの捉え方に調節するんですけど、その感情の味わい方だったりとか、解釈の拡大をして自分なりの感情の受け止め方というのを再調整する方法なんですよ。

このセルフレギュレーションは、3つありますのでこれからご紹介しますね。

これを使えるようになると、めっちゃ人生が楽になるのでオススメです。

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