誰も教えてくれないダウ理論の本当の秘密

どうもgive-keyです。

投資を始める方なら、先ずはこの理論からというくらいにメジャーなダウ理論ですが、情報が沢山ありすぎてもう見飽きたよって方、騙されたと思って見ていって欲しいです。

ここでは、本当の6つの基本原則の概要を紹介していき、一つ一つの基本原則を詳しく解説しながら、

ダウ理論の利点と欠点をも紹介していきます。

その後は、強気相場か弱気相場かでどちらの方が適用しやすいかまで紹介していきますので、気になる方は見ていってくださいね。

ダウ理論の起源と歴史的背景

 

チャールズ・H・ダウ

1851年 NY生まれ

エドワード・ジョーンズとチャールズ・バーグストレッサーと共に、「市場」がどの様に行動しているのか研究

1882年 ダウ・ジョーンズ設立(出版社) NY証券取引所の近くに設立

1889年 ウォール・ストリート・ジャーナル設立(世界最大の経済新聞)

分析してみると、各種銘柄の流動性が低く、株価操作に対する規制が当時無かったために、かなり不規則な動きをしていた = 株価平均化のアイデア(ダウ平均

1902年 死去   ウィリアム・ピーター・ハミルトンが受け継ぎ、「ダウ理論」を開発

 

ダウ理論とは

投資家の心理と、支持しているチャート分析によって投資家たちが理論的に市場の動向を観測、評価することが出来る6つの基本原則で構成された理論になります。

つまり、私達投資家が持っている様々な感情と、指標となる個人のチャート分析があってチャートが成り立っているのであれば、それを6つに分類して単純化して観測、評価しやすくする理論だと言えます。

 

6つの基本原則

この原則を理解するうえで、簡単に2つの理念に分けてみます。

  1. この理論は、反転シグナルを特定するためのルールとガイドラインを提供し、確認を容易とするもの
  2. 基本的な投資家心理に基づく強気相場と弱気相場を理解するもの

を、念頭に置いて進みましょう。

 

第一原則:「神の御業」以外は平均は全てを割り引く

分かりずらいですが、要は「神が起こした事象」以外はその他の事象は平均されると、その一部としてしか変動しませんよ、と伝えています。

つまり、「神が起こした事象」以外であれば、私たちが見ているチャートはそれ以外の事象が平均化された内容だという事です。

だから、全ての事象が内包されているんですね。

一方で「神の御業」とは一体何なんでしょうか、以下に金融市場における非体系的なリスクと体系的なリスクの概念を表した表をご覧ください。

金融市場において、大まかに2つのリスクに分けることが出来るそうです。

それは、「非体系的リスク」と「体系的リスク」です。

 

非体系的リスク

各種銘柄はお互いが影響しあうのではなく、個々の企業内にリスクが存在していることを指しています。

例えば、ある企業内の内部統制が悪ければ労働者は様々な不満を抱き、業績が悪くなったり、管理体制の移行等で会社の利益を生産できないリスクや、

製造時の欠陥のせいで、回収リスクや、信用面の低下、

会社内の規則改正が起こす未知な問題発生リスクが考えられます。

しかし、これらの業績の低下でも他の銘柄と平均したときに、さほど影響は起きないとダウ氏は伝えています。

平均の母数が上昇中にある一つの銘柄が下降していても、平均でみれば上昇しているという事なんですね。

 

体系的リスク

一方で、体系的リスクというのは、世界情勢や国の経営全般に対するリスクを指しています。

ミクロ経済を個々の企業であると仮定するなら、この体系的リスクはマクロ経済に影響を与えるものですよという事なんです。

例えば、1929年に発生した「世界恐慌」や、2008年に発生した「リーマンショック」、最近では2020年に発生した「コロナショック」が目新しいと思います。

何となく気づいている方もいると思いますが、つまり「神の御業」とは、超常現象の事を指し、それ以外の変動は全て平均化で加味されているんですね。

まとめると、

第一法則の真実は、マクロ経済に影響を与えるような出来事やミクロ経済で影響を与える出来事があっても、平均化することでチャート上は滑らかな動きを維持する。となります。

 

第2法則:3つの価格変動

チャートが織りなす軌跡は、投資家心理に基づいて形成されています。

人間の感情というのは、脳の偏桃体が感情の形成に影響を与えますが、昔から群れで生きてきた人間の脳というのは今現在から1万年前以上から変化していません。

基本本能としては、集団行動を得意とする生物なので行動心理が偏る傾向にあります。

つまり、敵が目の前に現れた時の恐怖心や、狩りを行う時のチームワークの発揮などにかなりの影響を与えます。

では投資の世界ではどうでしょうか。

損失方向にチャートが動いた時の感情とその反応、利益方向に動いた時の感情とその反応っていうのは沢山の人間たちが同じチャートを見ていれば、収縮、つまり同じ行動をするのではないかという事です。

チャートが第一法則ですべての事象を内包するなら、投資家たちの感情も内包するはずです。

ゆえに規則的な価格変動が起きることをダウ氏は指摘しているんですね。

ダウ氏はそれを3つのパターンで説明しています。

 

プライマリートレンド

まず一つ目が「プライマリートレンド」です。

言い換えるのであれば主トレンドですが、名は体を表す通り、俯瞰的に見ての大枠なトレンドを指しています。

これは別名、長期トレンドとも言われています。

分かりやすく説明すると、このプライマリートレンドは【海の潮汐】に例えられます。

傾向としては非常にゆっくり変化して、非常に幅広い動きをしています。

 

セカンダリースウィング

二つ目は「セカンダリースウィング」です。

これは何かというと、「プライマリートレンド」内で発生する中期的な変動の事を言います。

プライマリートレンドは非常にゆっくりですが、力強いトレンドです。

そのトレンドを細かく見てみると、更にトレンドが存在していてそのトレンドがプライマリートレンドを形成しているんですね。

これを上記の例えに準えると、【波】に例えられます。

【波】は身近で親しみやすいと思いますので、想像してみて下さい。

毎日同じ波を形成していますか? 恐らくNOだと思います。

投資の世界でも同様で、セカンダリースウィングのように中期的な期間でみると波のサイズにバラつきが見られ、大きくても持続期間が短い傾向にあります。

 

デイリーフラクチュエーション

最後は「デイリーフラクチュエーション」です。

セカンダリースウィング同様、プライマリートレンド内で発生していますが、更にセカンダリースウィング内でも発生しています。

つまり、セカンダリースウィングよりも短い期間で発生する短期的変動を指します。

これに関しては、【波紋】と例えられます。

【波】の中での更なる変動で、潮汐に比べて非常に小さい動きになります。

まとめると、

プライマリートレンド【潮汐】は、セカンダリースウィング【波】で構成され、また細かい視点で見ると、デイリーフラクチュエーション【波紋】によっても構成されているという事です。

分かりやすく図にするとこうなります。

反転シグナル

3つの価格変動の理解が固まったところで、ではいつまで強気相場で、いつから弱気相場に転換するのか、またはその逆も然りですが、常にトレンドが継続するとは限らないですよね。

ダウ理論では、2つのポイントを押さえることで、反転シグナルを捉える事が出来ると伝えています。

 

反転シグナル

反転シグナルは、中期的な期間で見えるセカンダリースウィングで確認します。

弱気相場から強気相場に転換するシグナルとして、前回の高値をブレイクアウトしていること、つまり高値更新をしたタイミングが転換シグナルと見なします。

また、逆も同じで、前回の安値をブレイクアウトして、安値更新をしたタイミングで転換シグナルとして見なすことが出来ます。

ただし、前述した通り、セカンダリースウィングはサイズがバラバラなので上記のシグナルを示すことがあるので、今度はトレンド転換の確認が必要になります。

 

反転の確認

 

反転の確認とは、強気・弱気相場においての最安・高値を見つけて、その値の20%をかけた値を導きます。

弱気相場であれば、相場最安値が100.00だったら、その20%の20.00を相場最安値に加えた値120.00まで反発してきたら長期的にトレンド転換したと見なすことが出来ます。

強気相場であれば、相場最高値が130.00だったら、その20%の26.00を相場最高値から減じた値114.00まで反発してきたら長期的にトレンド転換したと見なすことが出来ます。

 

因みにこの20%という値はフィボナッチリトレースメントとは別で考えてくださいね。

中期的、短期的に最安・高値の20%まで待つのは現実的ではありませんし、長期的にトレンド転換を待つにしてもタイミングが計れません。

その場合は反転する時に現れるリバーサルパターンを使って、反転シグナルを満たすことを確認しましょう。

 

例えば、上昇トレンド中にダブルトップを付けてきたのを確認したら、最高値を作った起点の最安値をブレイクした所を狙いでエントリーすれば、根拠はより確実性が増します。

トレンドの3段階

これまではトレンドを構成している3つの価格変動を確認して貰いましたが、次は強気相場や、弱気相場を作り出すための3つの段階があるのをご存じでしょうか。

これは主に投資家心理学を色濃く反映していると言われていますので、これを知っておいて損はないと思います。

では、強気相場と弱気相場での3つの段階を一つずつ説明していきます。

 

強気相場の3つの段階

強気相場では、「アキュームレーション」、「インクリージング・ボリューム」、「ファイナル・エクスプロージブ・ムーブ」の3つの段階に分かれます。

アキュームレーション

 

投資家の買い手と売り手の売買の拮抗による影響で、例えば下降トレンド中にある価格帯でレンジになったとします。

この背景は、買いだと思っている投資家は「安い」所で買い、もしくは買い増しする一方で、売りだと思っている投資家はトレンドの順張りによって価格が引き下がってしまいます。

この二つの事象が拮抗しているので、注文が蓄積していきます。

これを「アキュームレーション」段階と言います。

インクリージング・ボリューム

これはアキュームレーションで発生したレンジをブレイクアウトしたときに発生します。

つまり、拮抗していたバランスが片方に崩れることによって、損切り注文を刈られたり、ブレイクアウトを確認した投資家が一斉に注文を入れることで、値動きと出来高が急激に増加していく段階です。

これを「インクリージング・ボリューム」段階と言います。

ファイナル・エクスプロージブ・ムーブ

ここでの段階では、初心者がよく参入しやすい段階です。

インクリージング・ボリューム段階に乗り遅れた投資家や、上昇がまだ期待できるといった投資家の投機によって値動きが引き上げられていきます。

つまり、爆発的に上昇していく段階は相場が平均化されている状況にミスマッチであり、

もはや、通貨価値を無視しているため平均化されるリスクが発生します。

これを「ファイナル・エクスプロージブ・ムーブ」段階と言います。

弱気相場の3つの段階

弱気相場では、「ディストリビューション」、「パニック」、「ラック・オブ・バイイング・イントレスト」の3つに分かれます。

 

ディストリビューション

この段階では、プロの投資家とアマチュアな投資家の決定的な差を物語ります。

プロの投資家たちは、上昇トレンドの上限に対して、適正な価格だと判断しポジションを手放していきます。

その一方で、上昇トレンドの3つ目の段階「ファイナル・エクスプロージブ・ムーブ」の値動きの更なる上昇に期待して、プロが手放したことで値下がりした所で買いのポジションを保有します。

しかしながら、大きな流れはもうすでにトレンドの天井だと認識されつつあるにも関わらず、更なる上昇を期待するアマチュアとプロとのポジションの分配が発生します。

これを「ディストリビューション」段階と言います。

パニック

この段階になると、大きな流れは下降トレンドだという認識のトレーダーが上回っているはずです。

買いポジションを保有している投資家が、上昇トレンドが継続しないまたは、高値更新出来なかったり、安値を切り下げる動きを示した所でようやく不当な価格で買っていたことに気づくでしょう。

つまり、自分の資金が溶かされる恐怖、マイナスになる恐怖から一斉にポジションを手放すので、急激に下落していきます。

その下落を見た投資家も追従するので、下落は加速していきます。

文字通り、これを「パニック」段階と言います。

ラック・オブ・バイイング・イントレスト

ラックとは「不足」を、「バイイング・イントレスト」とは「買いへの関心」の事を言います。

これは、先ほどの「パニック」段階で、投資家が相場に恐怖を抱いているから起きる現象になります。

つまり、急下落が落ち着いてきているということは、通貨の適正価格付近に落ち着いている事実が有る中で、そろそろ買いだと思っている人と、恐怖によって正しく判断することが出来なくなっていて、買いだとしても「まだ落ちるかもしれなない」という疑念に駆られているため、価格は更に引き落とされます。

これを「ラック・オブ・バイイング・イントレスト」段階と言います。

第二章をまとめると、

トレンドは3つの価格変動で構成されており、大きな波は力強く、動きはなだらかであり、その波の中に小さな波が存在していることで大きな波を作っているということ、その波は更に3つの段階で構成されていて、主に投資家の心理を大きく影響させている段階だということです。

解説が長くなってしまったので、次は第3の法則「強気相場・弱気相場が存在するためには関連する3つのうち、少なくとも2つ以上が同じ方向に向かっていること」、第4の法則「トレンドの出来高を確認」を解説していきます。

今回は以上です。

次の記事で会いましょう。

それでは。

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