どうもgive-keyです。
今回は、相場においてテクニカル分析の初歩とも言えるチャートパターンを解説していきます。
パターンなので、相場上で発生するチャートをグラフ化し、その形状や模様を識別することによって、現状のチャートの動向や、相場参加者が意識するポイントが理解できるようになります。
実際にチャートと言うのは、相場参加者が創り上げた足跡なので、様々な感情がそこに織り込まれているんですね。
つまり、そのパターンをしっかりと理解することで、相場の動きを分析することが出来るというのが、今回のミソとなる部分になります。
それでは、ここからチャートパターンについて解説していくのですが、最初はチャートパターンを識別する方法、その後にチャートパターンが持つ機能を理解してもらいます。
機能というのは、反転、継続、中立の3つで、そのチャートパターンが発生したときにその市場の未来はどの傾向にあるのかという部分に焦点を当てていきます。
そして、相場全体の強弱によって発生するパターンの理解、そしてなぜそのようなパターンを作り上げるのかのロジック、取引方法、最後にチャートパターンの利点と欠点も解説していきます。
チャートパターンの識別
チャートパターンの識別方法は大きく分けて2つ
- 方向
- 種類
に分けられます。
方向というのは、チャートパターンが発生した後の価格の方向を示します。
これは言うまでもなく、上昇するか、下降するかの2択になりますよね。
ここでは上昇をブリッシュパターン、下降をベアリッシュパターンと呼びます。
次に種類の識別に移りますが、大きく分けて3つ
- 反転(リバーサル)
- 継続(コンティニュアス)
- 中立(ニュートラル)
に分けられます。
この3つの種類は前回の価格パターンに関連して、後に続く価格行動に影響を与えるパターンを分類しているんですね。
例えば、反転であれば価格が上昇している時に反転パターンが発生した場合、パターンの後には価格が下降していきますし、価格が下降中に反転パターンが発生すれば、その後の価格は上昇します。
反転なので、この辺の理解は大丈夫ですよね。
次に継続であれば、価格が上昇している時に継続パターンが発生した場合、パターンの後には価格は継続して上昇していきますし、価格が下降中に継続パターンが発生すれば、その後の価格はそれに準じて下降していきます。
最後に中立については、前回の相場のバイアスが無く、その後の価格変動にもバイアスが発生しないので、反転する可能性と継続する可能性を含みます。
要は、継続も反転もあり得るというのが、中立パターンです。
以上の詳細な識別の分類を説明した上で、実際の識別はこうなります。
方向+種類
例えば、下降反転パターンや、上昇継続パターンなどといった感じです。
それでは、ここからはチャートパターンが持つ機能別で解説していきます。
反転、継続、中立の3つの機能について深堀していきます。
反転パターン
Head & Shoulders
ヘッド&ショルダーは、名前の通り頭と肩の形に見て取れる形状をしている所から、そう呼ばれています。
ヘッドは、③の位置で、肩は①⑤の位置になります。
これは、上昇トレンド中または、下降トレンド中に発生し、この形が完成するとトレンドが反転するサインとして注目されます。
形成する理由は、例えば上昇トレンド中であれば、買い勢力が相場の支配権を持っていますが、ある価格帯で売り勢力が参入してきます。
これが、「左肩」を形成し一時的に価格を引き下げますが、再度安い所で買いたい買い勢力が更に介入することで価格が急上昇します。
これが、「頭」を形成する要因です。
ここで売り勢力は諦めずに、相場の支配権を奪おうと一時的に下げた水準まで引き下げようと介入するんですね。
水準を下げられた買い勢力はもう一度支配権を優位に立たせようと試みますが、ほぼ支配権が売り勢力に移行してしまったため、高値を更新できない痕跡を「右肩」となって、ヘッド&ショルダーを形成します。
②④を結ぶ赤いラインを「ネックライン」と呼び、このラインをブレイクして終値を迎えた時、これまでのトレンドは終焉を迎え、トレンド転換していきます。
エントリーポイントは、ネックラインをブレイクした後に一度ネックラインまで、価格が戻ってきた際に、しっかりと意識されているのを確認してからエントリーするといいです。
Double Bottom/Top
次は、ダブルボトム・ダブルトップのチャートパターンです。
このパターンも上昇トレンド中又は下降トレンド中に発生する反転パターンの一部です。
トレンドは基本、高値・安値を更新して推進しますが、更新に失敗したときにダブルボトム・ダブルトップを形成しやすく、二つの山の間に引けるネックラインを明確に抜けて、確定した時に、トレンド転換の条件を満たします。
エントリーポイントは、谷に引けるネックラインを明確に抜けた後、再度ネックライン付近まで価格が戻ってきた時にしっかりと反応しているのを確認してからエントリーしましょう。
Triple Bottom/Top
このトリプルボトム・トリプルトップは、前述したダブルボトム・ダブルトップと同じと思って問題ありません。
ただ、反転する根拠が強いのはこのトリプルになります。
何度も上値、底値を更新できずにほぼ同じ価格帯で抑えられており、ネックラインを超える反発力が揃った場合、反転する勢力はより一層高まります。
エントリーポイントは、2つの谷に引けるネックラインをブレイクして確定した後、再度ネックラインまで価格が戻ってきたのを確認して、しっかりと反応しているのを確認してからエントリーしましょう。
ネックラインは水平線とは限らないので、その辺は注意して下さいね。
Falling Wedge/Rising Wedge
フォーリングウェッジとライジングウェッジは対照的なチャートパターンになります。
下降トレンドであれば、段々と下降の圧力が減少して、価格変動の幅が狭くなっていきます。
その際に形成された安値と高値を結んだトレンドラインが「くさび」に似ている事からウェッジと呼ばれています。
高値も安値も更新はしているものの、上下の傾斜が異なるため、くさびの形を形成するのですが、これは、傾斜が緩やかな方の圧力が徐々に高まってきている証拠となります。
その結んだトレンドラインを従来の方向とは逆の方向にブレイクした場合、反対勢力が強まって、トレンドが反転していきます。
エントリーポイントは、価格変動が減少している安値と高値のトレンドラインを引き、下降トレンド中であれば、高値を結んでいるトレンドラインをブレイク、上昇トレンド中であれば、安値を結んでいるトレンドラインをブレイクして確定した後、価格がトレンドラインまで戻ってきた付近でしっかりと反応している事を確認してからエントリーとなります。
Bullish Expanding Triangle/Bearish Expanding Triangle
エキスパンディング・トライアングルとは、トレンドラインで引ける三角形が段階的に拡大していくパターンです。
この場合、前回の高値、安値をお互いに更新しながら、ピボットしていくような形を作ります。
市場では、価格変動が大きい場面に現れる事が多いようです。
つまり、相場の不確実性、不安定が拡大するごとに顕著になるため、反転する可能性が高まるという訳です。
エントリーポイントは、高値、安値に引けるトレンドラインをブレイクアウトした確定した後に、トレンドラインまで価格が戻ってきた後にエントリーする方法を推奨します。
継続パターン
Bullish Rectangle/Bearish Rectangle
レクタングルとは、長方形という意味で、別名レンジとも呼ばれています。
安値と高値を更新せずに、同じ価格帯の範囲で推移しています。
この時に、上昇トレンド中であれば、レンジの最高値をブレイクアウトした時に、上昇トレンドが継続していきます。
この価格帯の推移は狭くなることもあるし、広くなることもありますが、これは価格変動の差によるものです。
このレクタングルパターンは、以前のトレンドと同方向の勢力が強いので、同方向にブレイクする可能性が高い事から継続パターンとして分類されます。
エントリー方法は、以前のトレンドと同方向のレンジで引ける水平線をブレイクして確定した後、水平線がサポートになる事を確認したらエントリーします。
Bullish Flag/Bearish Flag
フラッグは名の通り「旗」を意味しています。
主に強い上昇、下落の際によく見られるパターンで、トレンドの価格調整で派生することが多いです。
需要と供給のバランスを取るために、価格を少しずつ反発させた後に、調整が終わると以前のトレンドの勢力が増す事で、トレンド継続していきます。
例えば、エリオット波動の第2波、第4波はまさにフラッグパターンとして現れていますよね。
エントリー方法は、上昇中であれば、フラッグ上端で引けるトレンドラインをブレイクして確定した後、下降中であれば、フラッグ下端で引けるトレンドラインをブレイクした後、再度価格がトレンドラインに戻ってきたところでエントリーを推奨します。
Bullish Pennant/Bearish Pennant
よくフラッグ、ウェッジ、ペナントを混合されている方が多いのですが、フラッグはどちらかの方向に傾斜している一方で、ペナントは方向的には水平です。
ウェッジは、どちらも傾斜していますが、傾斜度合いが違うだけですし、分類的には反転パターンとなります。
比べてペナントパターンは、安値、高値の価格変動の差が狭くなっていく事が特徴的です。
またフラッグパターン同様、強い上昇、下落の調整波として頻出することが多いチャートパターンです。
上昇トレンド中であれば、一時的に売り勢力が介入してきて、高値をジリ貧させてきますが、買い勢力は次々と安値を更新しているので、総合的に見れば買い勢力が優勢だという事が分かります。
エントリーポイントは、上昇トレンド中であれば、ペナントパターンに引ける高値のトレンドラインをブレイクした時、下降トレンド中であれば、ペナントパターンに引ける安値のトレンドラインをブレイクして確定した後、価格の戻りを待ってエントリーです。
Bullish Symmetrical Triangle/Bearish Symmetrical Triangle
形状的には、ペナントと何ら変わりありませんが、このシンメトリカル・トライアングルは緩やかに変化していくのが特徴的です。
ペナントは、急上昇・急下落の調整として形成しますが、シンメトリカルトライアングルはバランスをとりながら価格が収束し、トレンドが再開する前に形成していきます。
エントリーポイントは、上昇トレンド中であれば、トライアングルパターンに引ける高値のトレンドラインをブレイクした時、下降トレンド中であれば、トライアングルパターンに引ける安値のトレンドラインをブレイクして確定した後、価格の戻りを待ってエントリーです。
Bullish Ascending Triangle/Bearish Descending Triangle
先ずアセンディング・トライアングルパターンは、上昇トレンド中に発生します。
売り手による高値が同価格で障壁となって抵抗している一方で、買い手の圧力が高まっているのが、安値の切り上げで分かるかと思います。
よって、抵抗線付近には流動性が高まり、ブレイクしたときは、一気に価格が上昇する可能性を秘めています。
次に、ディセンディング・トライアングルパターンの場合はというと、下降トレンド中に発生します。
これは、アセンディング・トライアングルと逆の意味で、買い手が同価格付近で障壁となってサポートしている一方で、売り手は高値を更新してきているため、売り手の圧力が高まってきており、更に価格が収束するにつれて、サポートとなっている価格付近の流動性が高まります。
よってブレイクしたときは、一斉に下降していきます。
エントリーポイントは、アセンディングでもディセンディングでも水平線をブレイクしたことを確認した後に、価格が戻ってくることを確認した所でエントリーするといいです。
Cup & Handle/Reverse Cup & Handle
カップ&ハンドルのパターンは、取手のついたコーヒーカップのような形をしていることからこの名前が付けられました。
このパターンは、米国の有名な投資家ウィリアム・オニールが発見したと言われており、比較的に株式やFX市場に見られるパターンだとされています。
このパターンが形成される理由は、上昇中に個人投資家や短期足トレーダーの利確によって、一時的に価格が下落するので、これが「カップ」の形を形成します。
また、その一時的な下落で含み損を抱えてしまった投資家たちは、カップの淵(高値)まで来た時に決済するので、その部分も下落していきます。
これが「ハンドル」部分なんですね。
小規模な利確によって価格が引き下がったとしても大きな流れが上昇中なので、安い所でポジションを保有する投資家も過半数いるため、この後明確なブレイクアウトが起きた時に上昇していきます。
エントリーポイントは、カップ上端又は、下端に引ける水平線をブレイクしたのを確認した後に、価格が戻ってきたところでエントリーするといいです。
中立パターン
中立パターンとは、相場全体の動きが強気相場でも弱気相場でもない時のチャートパターンです。
この場合、トライアングル系のチャートパターンい変化が起きます。
その変化するトライアングルは全部で4つあるので、紹介していきますが、
簡単にいうとどちらかにブレイクする可能性があり、ブレイクした方向に伸びやすい事が共通しています。
以下に図だけで解説しますので、確認してみて下さい。
Ascending Triangle
Descending Triangle
Symmetrical Contracting Triangle
Symmetrical Expanding Triangle
チャートパターンでのトレード手法
理想のシナリオは、ネックライン又は、ホリゾンタルライン、トレンドラインまで価格が戻ってきたところでエントリーをすることです。
チャートパターンでは、反転パターンや継続パターンの分類がされているので、その方向に向けて、パターン内の下限ラインからブレイクアウトを狙う方法もあるし、ブレイクアウトしたら飛び乗りでエントリーすることもあります。
ただ、チャートパターンは絶対ではないので、時には思い通りのチャートパターンを形成しないこともあります。
勿論、ブレイクした後に価格が戻ってこず、そのまま伸びていく事だってあります。
ただ、その流れに乗ることだけは絶対にしないで下さい。
追いかけたい気持ちになりますが、ここで追いかけてエントリーすると、リスク管理面で悪い結果になるからです。
機会損失はかなり心理的に気持ちが動かされますが、チャンスは他にも必ずやってくるので、次のタイミングでしっかりと利益を残せば何も問題はありません。
以下の4つの段階を必ず守ってからエントリーすることを推奨します。
チャートパターンの適切な取引方法
- パターンの価格ブレイクアウトの確定を確認する(ブレイクアウトするまで確認)
- 価格がブレイクアウトラインに戻るのを待つ(戻らなかったら諦める)
- 価格がブレイクアウトラインにしっかりと反応しているか確認する(簡単に抜けるようなら諦める)
- 適切なリスクと利確位置を設定し、エントリー(パターン内の安値~高値分の値幅分を利確位置)
メリット
- 単純さ
- 覚えやすい
- 取引が簡単
- 理論がシンプル
デメリット
- チャートパターンは必ずしも見つけやすいとは言えない
- 正確に機能するわけではない
- ダマシが発生する
- チャートパターンに気を取られて、他の優位な分析をヒントを見逃す
- 追いかけたくなる心理にさせられる
- チャートパターンは万能ではない
まとめ
いかがだったでしょうか。
チャートパターンは紹介したもの以外にもまだたくさんありますが、今回一番理解してほしいのは
チャートパターンだけでは、分析には限界がある
これに尽きます。
だからと言って蔑ろにしろという訳ではなく、テクニカル分析は様々な分析方法を活用して統合していく事に意味があるからです。
チャートパターンを形成するにも必ず理由があるので、その背景にはどんな心理が働いているのかを分析するためには、他の分析方法を使って、多角的に相場を見ていく必要があります。
例えば、円柱に光を当てる角度を変えるだけで、円にも長方形にもなりますよね?
確かにどちらの影も真実ですが、本当の真実は円柱です。
その真実を見極めるためにも自分なりの分析を統合させていく必要があります。
ここでは、様々な投資の知識を論文や、参考文献を基に解説しています。
月々799円でその知識を学び放題ですので、チェックしてみて下さい。
今なら最大20日間無料ですので、このチャンスをお見逃しなく。
それでは、今回は以上です。
また違う記事でお会いしましょう。
それでは。