どうもgive-keyです。
今回も瞑想の第二弾というところで解説していきたいと思います。
前回は精神面でのメリットを解説してきましたが、今回は頭脳面のメリットを論文を基に解説していきたいと思います。
精神面のメリットについてチェックしていない方は、
こちらのリンクから入ってみて下さい。
それでは、頭脳編のメリットを確認していきましょう。
参考文献
Psychological Science(2013).Brief Mindfulness Training May Boost Test Scores, Working Memory
Britta K. Hölzel(2010).Mindfulness practice leads to increases in regional brain gray matter density
Fadel Zeidan (2010).Mindfulness meditation improves cognition: evidence of brief mental training
オススメアプリ
【Awarefy】というアプリです。
※携帯専用 有料ですが、このアプリは実はかなり優秀で、マインドフルネス瞑想のプログラムはおろか、ACT(Acceptance and Commitment Therapy) といった、最新の認知行動療法を取り入れたアプリとなります。
ACTは言ってしまえば瞑想の上位版です。
しかも実践的に作られているのでかなり使いやすく、メンタル安定と行動の改善、鬱からの脱却、さらには慢性痛にも大きな効果が期待できるとされています。
記憶力の向上とテストのスコアアップ
マインドフル瞑想を行うだけで記憶力の向上とテストスコアが高まるといった研究があります。
2013年の心理科学協会の雑誌「Psychological Science」に掲載された研究によると、マインドフルネスのトレーニングは標準テストのスコアを高め、作業記憶を改善するのに役立つ可能性があると言われています。
48人の学生を対象にマインドフルネス瞑想を2週間の瞑想プログラムを通じて徹底してもらったグループと、そうではないグループに分けてGREテスト(日本の一般教養テストと類似)を受けてもらいました。
結果、何が分かったというと GREテストのスコアとワーキングメモリーの向上が見られたのと、GREテスト中に思考が拡散するマインドワンダリングの減少が見られました。
因みにワーキングメモリーというのは、例えるなら作業机です。
沢山参考書を開いて思考を拡散させて深い思考をいざ実践しようとすると当然、広げるための机が必要になりますよね。
つまりワーキングメモリーが高いと、沢山参考書やノートを広げられるので作業効率がいいんですね。
その机を瞑想で広げられることが出来るという訳です。
情報処理能力の向上
2010年、オレゴン大学の客員研究教授であるタン氏と同大学の心理学教授であるマイケル・I・ポズナー氏が主導した研究では、大学生45人を対象に、IBMT(中国式の瞑想)を実施したときの脳の接続性における構造変化を確認したところ、プラスの変化が見られました。
更にこの2010年の研究と中国の大連理工大学の学部生68人が参加した別の研究をメタ分析してみると、2週間程度の瞑想でも脳の接続に関与する軸索の密度が改善され、更に1か月続けてもらった脳内を見てみると、なんと、軸索密度とミエリン形成の両方の増加が見られたそうなんですね。
つまり脳神経のネットワークの改善がされて情報伝達スピードが向上したということです。
記憶と学習能力の向上
マインドフルネス瞑想を行うと灰白質の体積が増加するといった研究があります。
灰白質というのは、脳の灰色かかった部位で主にニューロン(神経細胞)が集合している場所になります。 特に海馬内の灰白質の増加によって学習および記憶プロセス、感情調節、自己参照処理を改善されることを示唆しています。
2010年にマサチューセッツ総合病院、ハーバード・メディカルスクール等が実施した研究では、瞑想初心者16人の被験者に8週間のMBSRプログラムを受けてもらい、MRI脳内の構造に変化がないか調べました。
瞑想を行った16人のMRIの分析と、未実施者17人のMRIの分析を比較すると、海馬内の灰白質が5%も増加している事が分かったんですね。
更に2009年の研究とかも見てみると、長期的に瞑想を行なっている人ほど、灰白質の増加が見られたとかもあります。
衝動性の改善
2010年のナイメーヘン・ラドバウド大学が行った研究では、マインドフルネス瞑想を行なってもらった20人の被験者と何もしていない20人の被験者を対象に、注意の処理に関わるテストを行ってもらい、反応時間と正確さの相関性を調べました。
そこで分かったことは、瞑想実施者の方が未実施者と比べて、より順応性と注意の実行が高いことが観察されました。
さらに経験豊富な実践者は、同じ反応時間での誤回答率が減少したという報告もあります。
この結果には前帯状皮質がより活性化していることが要因だと研究チームは言います。
全体状皮質の役割は、行動調節、社会的認知、情動に関わるものになりますので、この部位が活性化していると、意図的に注意を向けたり行動を導いたり、不適切な無条件反射的な反応を抑えたり、戦略を柔軟に切り替えることが容易となる訳です。
集中力の向上
マインドフルネス瞑想を行なうことで集中力が上がることが分かっています。
例えば、2010年の研究を見ると、瞑想初心者10名を対象にした実験で40分の瞑想、40分の昼寝、何もしないというパターンに分けて、PVT(疲労に関連した注意力 の変化を客観的に評価するために用いられている検査)のパフォーマンスを測定しました。
結果、3つのパターンを比較してみると、瞑想を40分行ったパターンのPVTパフォーマンスが優位に高かったことが分かりました。
また2017年に日本で行われた実験では、 23名の学生を対象に、「呼吸瞑想」「歩行瞑想」「感覚や気付きに意識を向ける瞑想」の3種類のプログラムを実施させ、プログラム前後に集中力の変化を数値をして共有し、効果を可視化する実験を行いました。
結果、30分の簡易プログラム(本来は5時間)にも関わらず、プログラム前後で14%の集中力の向上が見られたのです。
反芻思考の抑制
反芻(はんすう)とは、牛や草食動物に見られる行為で、胃の中を一度口の中に戻して再度咀嚼して消化を助ける摂取方法です。
つまり反芻思考というのは、ネガティブな思考が頭の中で渦巻いて抜け出せない状態を指すんですね。 実は、この反芻思考はメンタルが落ちる事が分かっています。
また、この反芻思考というのは、脳のディフォルト・モード・ネットワークと深い関連性があることが分かっているんですね。
ディフォルト・モード・ネットワークとは、無意識的に働いている脳のベースラインで、マインドワンダリング(目の前の事に集中できないで余計な思考が散らかっている状態)時に活性化していると言われています。
2011年のイエール大学が行った研究によれば、マインドフル瞑想を行なうことでディフォルト・モード・ネットワークが抑制されたというのがあります。
10年以上瞑想をしている経験者12名と、ボランティア12名を集めて異なる3つの瞑想法を行ってもらい、それぞれMRI検査を分析して脳の活動状態を比較しました。
結果、3つの異なる瞑想法はどれも脳のディフォルト・モード・ネットワークを抑制していたことが分かりました。
また被験者は主観的評価でマインドワンダリングが抑制されたとも報告されています。
研究チームが言うには、瞑想は脳のデフォルトモードネットワークに関わる後帯状皮質と内側前頭前野の活性を抑える効果があるからだという事です。
まとめ
今回はマインドフルネス瞑想の頭脳面のメリットを紹介しまいた。
精神面でのメリットと比べると、論文の信憑性は下がるものの、実際の脳の構造が変化しているのは間違いなさそうです。
脳の構造が変化すれば、必ず何かしらの改善は見込まれるということですので、それに関連した論文を集めてみました。
劇的に変わると思っていると挫折するので、あくまでもストレス改善のツールとして使ってその副次効果としてこんなのがあるんだ位の認識でいた方が長く続きますし、長く続ける恩恵もあるので変に構えずやっていく事をお勧めします。
私は実際に体験したのは、目の前の事に集中しやすくなったというのは実感しているかなと思います。 ただ、瞑想が終わった後ってズシッと重みがくる快感にハマって続けているのが大きいですが。
今回は以上です。
次回は肉体面のメリットですのでお楽しみに。
それでは。



