どうもgive-keyです。 今回はクリィティカルシンキングを習得するための6つのスキルについて解説していきます。 前回は、天才をも超える思考法「クリティカルシンキング」の序章について紹介しましたが、まだ確認していない方は 生まれつきの天才を超える思考法 クリティカルシンキング 序章 こちらのリンクから確認してみて下さい。 実際にこのクリティカルシンキングの重要性というのは、その業種、業界においても誰もが身を持って知る羽目になります。 この思考法が私達のこれからのキャリアに大きく影響を与えるといっても過言ではない程です。 結局の所、それぞれの業種、業界で真意が不明確な情報というのは山ほどありますよね? クリィティカルシンキングというのは、前提から覆す思考法なのでこれが出来ないと、効果的に情報処理と分析、取捨選択が出来ない上に、詐欺や操作される側としての被害に遭いやすくなります。 自動的に答えも導いてしまう反射的反応が遺伝子レベルで備わっている私達人間は、その反応を悪用して優位に立とうとしている人たちが沢山いますから、そんな悪人から身を守るためにもこのクリティカルシンキングが重要になってくるという訳ですね。 では、自分がそのような人々の一人にならないようにすればどうすればいいのか。 それはこのクリィティカルシンキングを集中的に取り組むことです。 とは言っても高めたいと言っても定義が分からないと、改善の方向性すらも導くことが困難なので、 先ずは、クリィティカルシンキングの定義から見ていきましょう。 この続きを読むにはスタンダード会員以上になります 参考文献 Will Erstad(2018).6 Critical Thinking Skills You Need to Master Now H. Scott FoglerH. Scott Fogler(2013).Strategies for Creative Problem Solving クリィティカルシンキングの定義 ここからは、クリティカルシンキングを高める具体的な6つのスキルというので紹介していくんですが、クリティカルシンキングとは何ぞや?という疑問が出てくると思うので、ここで一旦定義を確認します。 クリティカルシンキングとは、 特定の問題や状況、それに関連する事実、データ、証拠を多角的に分析する事を言います。 例えば、 平面図で見た時に長方形に見えていた図があったとします。 これを今度は立体的に見ると、実は円錐だったというのが分かります。 つまり、今まで長方形だったものは横からみた円錐であり、本来の形を見失っていたという事になりますよね? よって、立体図という多角的な目線を使用して、横から上から見下ろす目線に切り替えている際に円錐というのがわかりました。 これも場合によっては、上から見た目線ではただの円だったという事も気づけるはずです。 このようにある事実、データなどを一点の視点で分析せずに、客観的な目線や「鷹の目」視点で個人的な感情、意見、偏見に影響されずに、事実情報のみに焦点を当てて行われる思考法という事です。 6つの重要なスキル 識別 クリティカルシンキングの第一歩は、状況や問題、それに影響する可能性のある要因を識別して特定する事です。 自分が今、どのような問題と向き合っているのか、どんな状況にいるのかが分かっていないとそもそもクリティカルシンキングしようがないからです。 例えば、飲食業を経営したいと言った場合に、いきなり突拍子もない創作料理だったりラーメンが人気だからとかで、進む人いますけどこれはクリティカルシンキングの識別が出来ていない状態です。 社会的に飲食業はどんな動きをしているのかを確認したり、どんな料理が成功しているのか、失敗しているのか、自分が提供できる強みはなんなのかが分かっていないと、問題と潜在的な解決策について深く掘り下げることが出来ません。 クリティカルシンキングとは批判的思考という名の通り、前提を批判する思考ですので、同じ道を歩みません。 ですが、何も現状を確認せずいきなり道に外れる行為というのは、夜に山道を渡ろうとするのと同じ行為なので、必ずクリィティカルシンキングを行う際は社会的な現状、自分の周囲や属しているグループの状況、何を問題としてるのかという情報、データを識別してからになります。 ここがしっかりできているか否かでクリティカルシンキングの精度は雲泥の差となりますので注意して下さい。 識別スキルの具体的な鍛え方 何事も一度立ち止まって考察する 日常生活においても仕事においても、一度立ち止まって考えると言った癖をつける必要があります。 どんな場面においても、大小関わらず問題というのは起きている筈です。 この識別スキルを高めたいのであれば、そういった問題を表面的に理解して横に流すのではなく、その問題の背景はなんなのか、登場人物は誰なのかといった様に情報を分解して、細分化していくんですね。 ではどのように細分化していくかと言いますと、自分に以下の3つの質問を投げかけます。 この状況や問題に関わる登場人物とその役割はなんですか? この状況や問題が起きる最大の理由は何だと思いますか? この最終結果はどのようになりましたか?また、どのように変化する可能性がありますか? 研究 問題や状況について識別が完了したら、今度はそれについて議論するのに必要な情報を調査する能力が鍵となります。 背景に存在した情報やデータは、説得力を持つ必要があるため、その情報源の信憑性を調査する必要があるんですね。 ただ議論するのに必要な根拠を調査する時に、自分にとって都合のいい情報しか収集しないといった傾向があります。 自分の仮説を正当化したいから故の行動なんですが、これをやってしまうと偏りが出てしまって信憑性がない主張になってしまいますので注意が必要です。 例えば、炭水化物抜きダイエットが最も痩せる方法とかありますが、この情報が裏付けされていない独自の個人ブログから引っ張ってきたり、体験談として最も効果ありと主張しているサイトだけを集めてもソース自体に根拠がない情報を集めてしまっている事が多いんですね。 余談ですが、炭水化物抜きダイエットは短期的には効果が見られますが、長期的に見ると、継続が困難であり様々な副作用を引き起こすため、科学的に推奨されていない食事法と言えます。 研究スキルを鍛えるポイント 情報源を調べる癖をつける 議論を主張している人達の情報はどこから得ているのかを調べてみましょう。 この人が言っている情報だから正しいという訳では無くて、正当なソースからの情報なのかどうかを尋ねてみたり、探してみたりする事をお勧めします。 そうすることで、明確なソースが見つからない場合は、その情報は危険信号ですし、正当な根拠があれば信頼できるものと判断することが出来ます。 また、その情報源が一般的向け記事からなのか、学術的な記事なのかも違いを見分ける事も有効ですね。 バイアスの特定 このスキルを育てるには、かなりの労力が必要になってきます。 どんなに賢い人でもバイアスというのは気づきにくいことが多いからなんですね。 バイアスというのは、脳の癖のようなもので瞬間的に判断するシステム1と、計算問題を解いている時とかに使用されるシステム2という2つのシステムが脳内にあるんですが、バイアスというのは専らシステム1で発生します。 他人の情報を信じるか信じないかはシステムによって判断されるため、他人の情報を鵜呑みにしているというよりかは、自分の判断の整合性を鵜呑みにしています。 より分かりやすく言うと、自分の思い込みについては正しいとバイアスにかかっているので、外からの情報には警戒心を抱く一方で、自分の判断や、自分にとって都合のいい情報を鵜呑みにしやすいというのが人間の残念な仕組みとなります。 要は、内なる判断にも距離を置いて、判断を曇らせる可能性のある偏見を捨て去ることも重要であり、外と内の両方の側が持つバイアスも念頭において客観視する必要があるんですね。 バイアス特定スキルを鍛える4つの質問 外からも内からの情報も鵜呑みにしない習慣を癖づける バイアスが存在する事を認識する必要があるので、情報や議論を評価する時には、次のことを自分に質問を投げ変えます。 バイアス特定スキルを鍛えるには普段からこの質問を自問してみましょう。 これは誰の利益になるのだろうか? この情報源には何らかの意図はないだろうか? 情報源は、自分の信念や主張にとって不利益となるような特定の内容を隠したりしていないか? 情報源は、事実の認識を歪ませるような不必要な言葉は使っていないか? 推論 次は提示された情報に基づいて、推論し結論を導き出すスキルとなります。 クリティカルシンキングを習得するための重要なスキルの一つで、未来予想をするのに必要必須スキルです。 そもそも情報には、必ずしもその意味を正確に分かりやすく要約した添付資料がついている訳ではないので、提供された情報を評価して、本来のデータと照合しながら結論を導き出すんですね。 真実は必ずしも一つではありませんし、個体差によって定義が当てはまらないこともしばしば存在します。 例えばBMIの数値で肥満度を推定しますが、身長と体重で導かれるときに筋肉質の人がBMI上、肥満体系として診断されることだってあり得ますよね。 更には、体組成などの他のデータによってもその結論も変化する可能性もあります。 結局、結論というのはその時々で変動するものであって不動ではないことに留意しましょう。 推論スキルを鍛えるポイント あえて結論を出さないことを意識する 推論というのは知識に基づいた推測であるため、その判断材料となる情報をより多く集めて精度を高めていく必要があるんですね。 ゴールを決めてしまうと、終着点がそこになってしまうのでクリティカルシンキングを発揮する事ができません。 なぜかと言うと、先程も言いましたが、結論というのは一つではありません。 ましてや常に変化し続けているんですよね。 ダヴィンチの名作「最後の晩餐」は、キリスト教の聖書に登場するイエス・キリストが最後の夕食を弟子たちと共に食べた出来事を指します。 普通は、最後に弟子と夕食を食べているシーンとして認識しますよね。 ですが、この「最後の晩餐」の背景には様々な考察が繰り広げられています。 このように一つの作品から推測する情報を基に多方向からの見方があることを念頭に置いておいてください。 では主に以下のポイントを意識して推論スキルを磨いていきましょう どんな問題でも結論を急がずに情報収集を心がける 価値を評価する時は、関連するデータ類をざっとスキミングし、次の未来予想を考察する 関連性の判断 困難な状況においてクリティカルシンキングで考察する時に最も難しいのは、検討すべき最も重要な情報は何なのかを見極める事です。 つまり、自分が今抱えている問題や、推論して導き出した内容に対して、自分が抱えている問題等と最も関連性が深い物はなんなのかを見つける事が難しいんですね。 例えば人間関係構築で上手くいかない場合に、具体的にこの要因が人間関係を悪くしているときっぱりと断言する事はかなり難しいと思いませんか? このスキルは、関連性の断定はできないものの、限りなく近づけるために、自分が理解しようしている、向かおうとしている方向性を明確にする必要があります。 先程の例でいうと、人間関係構築を上手くやっていきたいけど、それは上司に対してなのか、取引先に対してなのか、はたまたどういった人間関係を構築していきたいのか、対等に話せるような関係作りを目指したいのか、純粋に気に入られたいのかでも全く方向性が異なりますし、解決策も変わります。 関連性の判断の鍛え方 最終目標を分析して、それに基づいて関連性を判断する 先程も例を出して解説しましたが、自分が抱えている問題や、理由について最も関連性が深い要因を導き出すのは容易ではありません。 恐らくほぼ無理だと思います。 であるなら、特定するのではなく最終目標を求めて、それに基づいて何が関連性があるかを判断出来れば、自ずと紐づけられながらその問題を評価する事が出来ます。 それでは、その関連性の鍛え方を以下の2つのポイントにて明示しておきます。 情報に接する前に自分は何を理解しようとしているのかを考える 揃ったデータを関連性が高い順番にリスト化する 好奇心 このクリティカルシンキングを用いて思考する人は基本的に好奇心が強い傾向にあります。 この好奇心が無いと、物事を多角的に見ようとはせずに額面通りに受け取ってしまうからですね。 そのまま受け取ることはとても簡単ですが、何か問題に直面した時に解決策を提示しなくてはならない状況に陥った場合、クリティカルシンキングが出来ていないと、災難を招く結果となってしまいます。 好奇心とは経験や年齢を重ねるごとに好奇心が薄れていく傾向にあります。 よって、物事を深堀しなくなるんですね。 ある程度表面の事を理解出来たら、「ある程度理解できたからまぁいいかな」となりがちで物事を突き詰めなくなるんですね。 子どもの頃は好奇心の塊で、常に「なんで?」という言葉を発していましたよね? 親の立場にある方はこれに相当悩まされたはずです。 子どもの視点が斬新なのもこの前提を疑うクリィティカルシンキングを行なっているからなんですが、それを受け入れられない大人たちはそういった能力が段々と失われて行っている証拠でもあります。 私たちは意識的に好奇心を鍛える必要がありそうですよね。 好奇心を鍛えるたった一つの質問 オープンエンドクエッションを自分に投げかける 私たちが好奇心を鍛えるために必要な自問自答は、オープンエンドクエッションを日常的に繰り広げる事です。 対義語にクローズエンドクエッションがありますが、これは回答する時に2択を与えるような質問のことを指します。 例えば、 「色で言うと、赤が一番好きですか?」-「Yes or No」 「今日飲み会に参加する?」-「Yes or No」 回答に「好き-嫌い」「参加する-参加しない」といった「Yes or No」形式を導く質問をクローズエンドクエッションと言います。 回答が2択に絞られているのでクローズ、回答指向が収束していますよね。 一方でオープンエンドクエッションというのは、「Yes or No」では答えられない質問のことを指します。 例えば、 「色で言うと何色が好き?」 「今日飲み会あるけど、どうしようか?」 回答に「Yes or No」では答えられない質問になっていて、複数の答えが作れる自由回答形式になっているのが分かるかと思います。 これをクリティカルシンキングで当てはめると、何か問題に直面した時に私たちは無意識にクローズエンドクエッションを投げかけているんですね。 「面倒くさいか、面倒くさくないか」 「好きか、嫌いか」 これだと、2択で回答が終わるので少し改善を加えてオープンエンドクエッションに変えます。 「どの位面倒くさいのか、どういう所は面倒くさくないのか」 「好きと嫌いの割合はどの程度か、好きに変えるためにはどうしたらいいか」 という具合に変化させましょう。 まとめ 批判的に考える事は、自分の可能性を最大限に引き出せる思考スキルです。 人生に実りのあるものにするためには、このクリィティカルシンキングは必要不可欠ではないでしょうか。 複雑な問題や状況を客観的に分析し評価する能力は、必ず役に立ちます。 勿論、投資においてもこの思考法は必ず役に立つことでしょう。 例えば、推論スキルで学んだように、未来は常に変化していることを理解することで自分の手法やマインドを柔軟に変化させることが出来ますし、トレード中においても常にオープンエンドクエッションを投げかけて、「勝つか負けるか」に様々なグラデーションや強弱をつける事が出来ますしね。 是非とも、このクリィティカルシンキングをマスターして欲しいと思います。 それでは今回はこれで以上です。 次回の記事でお会いしましょう。