どうもgive-keyです。 今回はダウ理論に必要な要素ということで、一つの通貨だけのチャートを見ていても分析が不十分だったり、実際の通貨ってどんな相関性があるのかといった内容や、各通貨の特徴って何なのか、売買取引における出来高を確認することが、実際の値動きを予測できるのではないか、という内容になります。 こちらの記事は前回の「誰も教えてくれないダウ理論の秘密」の第2弾となりますので、まだ確認していない方は、 誰も教えてくれないダウ理論の本当の秘密 もチェックしてみて下さい。 ではそもそも、出来高って何?って思う方もいると思うんですが、簡単に言うと投資家がエントリーした量を言います。 言い換えるなら、ある価格帯や時間軸において投資家達が意識して参入してきているポイントとも言えるんですね。 出来高というのはインジケータというのを使わないと見ることが出来ませんが、そのインジケータも種類が豊富なのでかなり迷うと思います。 近日中に出来高を使った手法とかも公開していくので、よかったらこっちもチェックしてみて下さい。 投資家の心理状況を常にアップデート 出来高を駆使した手法 次に通貨の相関性ですが、世界の5大基軸通貨をご存知でしょうか。 基軸通貨とは、FXの世界で中心に扱われている通貨のことを指します。 つまり、もっとも他の通貨にとって影響力をもつ通貨なんですね。 その基軸通貨は以下の通りです。 USD(米国ドル)、JPY(日本円)、EUR(ユーロ)、CHF(スイスフラン)、GBP(UKポンド) これらの基軸通貨は他の通貨ペアを持ちますが、基軸通貨同士のペアも存在しています。 つまり、お互いに影響しあうので自ずと通貨ペアの相関性が発生するというわけです。 この法則はダウ理論で第3の法則と第4の法則として解説しています。 通貨ペアの相関性や、トレンドの出来高の確認を学ぶことで、全体的な相場の動きを把握できたり、トレンド継続の信憑性の根拠として出来高を見る方法を解説していきます。 第3原則:強気相場・弱気相場が存在するには関連する3つの内、少なくとも2つが同じ方向に向いている事 これはどういう事かと言うと、ある通貨や株式で強気相場や弱気相場が依然と存在しているのは、他の要素も関連しているんですよという事です。 つまり、単独でトレンドを形成しているのでは無くて、他の関連する要素が同じトレンドを形成しているから存在できているし、その関連する要素が少なくても2つ以上同じトレンドを形成している必要があるという事ですね。 この見出しの3つというのは、ダウ平均に関した内容ですので、読み飛ばしてもいいのですが、 紹介すると、 産業 輸送 公益事業 この3つの事を指しています。 この異なるセクターに分けられている大枠の平均が少なくとも、2つが同じ方向に進んでいる場合、 その傾向がミクロではなく、マクロ経済現象の結果であると保証できるんですね。 ゆえにトレンドの方向が保証されるということになります。 では、FXの世界ではどうでしょうか。 通貨の相関性 冒頭でもお話ししましが、基軸通貨というものがあって、それがFXの世界でもっとも取引されている通貨だと説明しました。 また、基軸通貨同士の通貨ペアがあるという事も触れましたよね。 その通貨ペアは更に主要通貨ペアとして7つあります。 EUR/USD GBP/USD USD/JPY USD/CHF USD/CAD AUD/USD USD/NZD 実は上記の主要通貨は一日の取引時間の中で、かなりの影響与えることが分かっています。 世界各国で取引されるということは、時差の関係上各時間で取引量が変動するからです。 例えば、アジア時間つまり、日本付近での取引時間では最も取引されやすい通貨と、そうでない通貨に分かれます。 また、取引されやすい通貨が主力になるということは、その主力となる通貨が他の通貨に影響を与えるということです。 今回は主要通貨ペアの相関性、各通貨との相関性のLINE公式アカウント限定で公開してますので、よかったらそちらも確認してみて下さい。 ここでは、通貨の特徴について説明していきたいと思います。 通貨は世界の取引ツールだというのは皆さんはもう既に常識としてあると思いますが、一体どんな内容で取引ツールとして使用しているのか、どんな特徴があるのか意識的に見ている人は少ないのではないでしょうか。 私たちがFXで取引を行う際に、この通貨が買われやすい、売られやすいが分かればエントリー根拠として使えると思うんですね。 また、トレード時のポイントも併せて紹介するので確認してみて下さい。 USD (米国ドル) 最も取引量が多い世界通貨の基軸通貨の一つ 流動性が高い(定期的に取引される頻度が高い)ため、相場の変動が少ない テクニカル分析が機能しやすい通貨 予想範囲内で価格が推移 毎月第一週の金曜日に発表される雇用統計 金融政策が多い (年8回のFOMC(公開市場委員会)) トレード時のポイント どの時間枠でもレンジが多いので、謙虚に利益確定 重要水平線や移動平均線も機能しやすい 流動性が高いので、きれいなチャートを描きやすい = スキャルピング向き トレンドが継続しやすい = スウィングトレード向き EUR (ユーロ) 米国ドルに次いでの基軸通貨 米国ドルと逆相関 (ドル買いに良材料→ユーロ売り ドル買い悪材料→ユーロ買い) ユーロは沢山の国で構成されているため、一つの国の経済指標を見てもあまり意味がない ロシア、アラブ諸島などの地理的・経済的に深い関係があるため、経済的危機懸念 が高まるとユーロが売られやすい トレード時のポイント EUR/USDのチャートを確認して、主導権がどっちにあるか分析 アジア時間ではあまり動かない トレンドが継続しやすい = スウィングトレード向き 一方的に伸びやすく、押し目を作るときはかなり深めのフィボナッチをつける JPY (日本円) 米国ドル・ユーロに次いでの第3の基軸通貨 上記の通貨からの影響をかなり受けやすいため、相対的に変動が大きい通貨 経済指標は特に影響を受ける 他国主導権で動く欧州時間に活発に動く リスクオフ(世界的に経済悪化)時には、安全の円買いが発生 トレード時のポイント トレンドは欧州時間から形成 フィボナッチは23.6や38.2で反応しやすい 長期トレードは国際状況をよく見る AUD (オーストラリアドル:豪ドル) 資源の全輸出の50%を占めていることから資源国通貨と呼ばれる 鉄鉱石・石炭などの資源価格に相関 輸出先は中国が最大なので、中国の景気や指標に影響を受ける(中国の景気良 → AUD買い 中国の景気悪 → AUD売り) 市場のリスクオン時は上昇、リスクオフ時は下降していく傾向 トレード時のポイント 中国の景気に乗っかってトレード スウィングトレードは、ファンダメンタル要素が大きく不安材料になるので、短期売買 上昇後に調整波が深く入るか、引き戻しが頻繁に起こるので損切り設定はしっかり浅く置いておく 動きは遅いが、一旦トレンドに入ると長く続くので中国の大きな材料がでるまでは持っておく GBP (英ポンド) 米国ドル・ユーロ・円に次いでの基軸通貨 1単位の円単価が高いため、投機対象になる = ボラティリティが高くなる 欧州時間で最も動く 何度もサポートラインやレジスタンスラインに挑戦する トレード時のポイント 値幅が狙えるので、損小利大のトレードがしやすい 急上昇、急下落のスパイクが頻繁に起こるのでブレイクアウトの騙しに注意 押戻りを比較的きれいにつけるので、チャート分析はしやすい FXを始め出した人にはお勧めしない通貨 NZD (ニュージーランドドル:NZドル) AUDと同様に資源国通貨だが、資源は原油や乳製品 原油・乳製品の資源価格や農産物価格に影響を受ける 輸出先は中国とオーストラリアなので、この二つの景気や指標を確認 市場のリスクオン時は上昇、リスクオフ時は下降していく傾向 トレード時のポイント AUDと逆張りは避ける 短期・中期とヒゲの発生が多かったり、レンジを形成しやすい 長期はトレンドが伸びる傾向 CAD (カナダドル) AUD、NZDと同様に資源国通貨で、資源は原油・天然ガス・金属などのエネルギー・鉱物資源 特に原油の資源価格の動向に影響を受ける (原油価格上昇 → CAD買い 原油価格下降 →CAD 売り) 地理的にアメリカと経済的な結びつきが大きい (ドル買い → CAD売り ドル売り →CAD買い) 米国ドルや原油価格主導で動くことが多い トレード時のポイント ファンダメンタル要素が強いので伸びるときは一気に伸びる 原油価格のチャート、ドル円のチャートを見て判断 短期足だとヒゲが頻発するので騙しにあいやすい 基本はスウィングトレードで上位足のトレンド転換を見てからエントリー CHF (スイスフラン) 永世中立国という立場から安全通貨と言われている ユーロの経済や他国の経済状況の影響以外は大きな値幅はない リスクオフ時は買い、リスクオン時は売り リスクヘッジとして円や金も買われることから、相関 トレード時のポイント 上位足でも騙しが多い スイスが買われるときは円や金も買われるので、無理してスイスフランで取引する必要はない 短期足でのトレードはセンスが必要 まとめると、 単一の通貨ペアでのチャートを見てみると、その通貨に関連する通貨の影響を内包している、よってそのチャートの関連する通貨の通貨ペアを確認して、(USD/JPYだったらUSD/〇〇、〇〇/JPY)同じ方向に向かっていることを確認するとなります。 第4原則:トレンドの出来高を確認 ダウ理論の第4の法則はトレンドの出来高を確認するになります。 出来高というのは、投資家の取引量を示すとお話しした通り、トレンド形成には投資家の取引量が必要となってきます。 つまり、投資家の取引活動を確認すれば、このトレンドは強いのか、それとも弱いのか、はたまたトレンド転換のタイミングを図ることが出来るのではないかという事です。 この出来高トレードについては、別の記事で詳しく取り扱いますので、よかったらこちらも確認してみて下さい。 投資家の心理状況を常にアップデート 出来高を駆使した手法 ここでは、その出来高トレードの一部を紹介します。 価格:上昇 出来高:上昇 価格が上昇していて、尚且つ出来高も上昇しているということは、極めて強い強気相場であることが分かります。 上昇トレンドに乗ろうと、投資家が更に買い注文を入れている背景が見えるため価格と出来高が同じ方向を向いている間は上昇トレンド継続中となります。 価格:上昇 出来高:横這い 又は 下降 価格が上昇しているのにも関わらず、出来高が横這い又は下降している場合は、強気相場の勢いが弱まりつつあるシグナルとなります。 投資家内では、その価格が適正だと判断し取引を手仕舞いする準備段階になります。 つまり、トレンドが転換する可能性があります。 価格:下降 出来高:上昇 価格が下降している中、出来高が上昇しているのは、投資家が売り注文を入れている段階なので極めて強い弱気相場となります。 この場合、投資家の心理状態はネガティブな感情から引き起こされた行動となるため、かなりの勢いを持った動きになりやすいです。 つまりボラティリティが高く、継続期間が短いので注意が必要になります。 価格:下降 出来高:横這い 又は 上昇 価格が下降継続中で、出来高が横這い又は上昇しているのは、投資家たちがネガティブな感情から解放されたか、買い注文をいれる投資家たちが増えてきている事を示します。 ゆえに、相場としては弱気相場が落ち着いてきているということになります。 ここから転換シグナルが起こると上昇トレンドを形成していきます。 まとめると、 チャート上の価格と出来高には相関性が存在し、チャート上では見ることが出来ない投資家たちの生の情報が出来高である、したがって価格と出来高のパターンを分析することで投資家たちの心理をも分析することが出来るということになります。 いかがだったでしょうか。 今回はダウ理論の第3法則と第4法則を説明しましたが、FXにしても投資はチャートだけでの分析以外にも、様々な要因が実際絡み合っているのが理解できたのではないでしょうか。 こう目線を変えてFXを見てみると、FXに対しての考え方や理解度にもいい影響を与えるので、これからも色々と調べて皆さんにアウトプットしていけたらなと思います。 次回は、ダウ理論の第5の法則「終値が最も重要」と、最後の法則「反転シグナルが確認されるまでトレンドは継続する」を紹介していきます。 また、余裕があればダウ理論の「利点・欠点」も紹介出来たらと思いますので、お楽しみに。 それではまた。