どうもgive-keyです。
今回は潜在能力を引き出すテスト「VIA強みテスト」というものを紹介していきます。
このテストはアメリカで結構有名なテストになっていて、私たちの隠された強みを見つけ出して教えてくれたりとか、実際持っている強みを更に伸ばす方法を教えてくれるといった内容になっています。
このVIA強みテストは
https://www.viacharacter.org/survey/surveys/takesurvey
こちらで、なんと無料でテストを受けることが出来るので、やってみて下さい。
基本言語は英語なんですが、リンクをクリックして貰って左上の「言語を選択」を選択してもらったら、日本語が選択できる仕様になっています。
今回の参考文献はライアン・ミーニックの強みの育て方になりますので、よかったらチェックしてみて下さい。
このテストを受けるとなにがあるかというと、私たちの性格には強みと呼ばれる24つのカテゴリに分けられており、私たちの強みが順位をつけて自動的に表示されます。
因みに、このVIA強みテストは1999年にニール・メイヤーソンと、マーティン・セリグマンが電話で話したことがキッカケで、大規模な研究をなされたそうなんですね。
約50名以上の研究班が、「人間であることの最強な部分」にあたる何かを様々な国や文化で何年もかけて分析したそうです。
その調査は、足を運ぶ人があまりいないような場所までにも及ぶ広範囲で、様々な質問調査を繰り返しこのVIA強みテストが誕生しました。
つまり、科学的で豊富な根拠に基づいて作られており、その豊富な根拠の中に、このVIA強みテストを受けて自分の強みを知ることで幸福度は9.5倍、使えるようになるとなんと19倍にもなるという研究もあります。
ただ受けるだけでも幸福度勇気が9.5倍にも上昇するのですから、やらない理由はありません。
更に、使えるようになれば19倍にもなるということですから、家庭で使ったり、職場内で使ったり、人間関係や学校内でも使えるようになれば、ストレスレベルは低下し、自己肯定感が増して自信がつくようになり、余裕が生まれるので家庭内の関係や上司、部下との信頼関係すらも良くなるという訳です。
要は、性格の強みの強弱をテストを通じて見える化しましょうという事ですね。
研究が進んでいくにつれて、VIA理論の枠組みを理解を円滑にする分類体系が明らかになったとされます。 それは以下の6つの美徳と呼ばれるものです。
知恵の美徳、勇気の美徳、人間性の美徳、正義の美徳、節制の美徳、超越性の美徳
先ずはこちらを紹介します。
参考文献
Character Strengths and Virtues:A Handbook and Classification.
6つの美徳
「美徳」の定義ですが、その時代の道徳基準や周囲の人たちの道徳感覚に合致している振る舞い・性質を文化・信条を超えて、哲学者達が重要視されている特性を指します。
また「性格の強み」は、広義である美徳に辿り着く特性を指します。
性格の強みというのは、才能のカテゴリを含みません。
才能というのは、先天的要素が強く変えにくいとされているので、私たちのアイデンティティについて考察する時はさほど重要ではないということです。
例えば、数学の才能を持っていたとしてもその才能に驕っていれば意味がありませんし、人としてどうなの?って疑問を持ちますよね?
つまり、性格の強みというのは、人間としての在り方(BEing)と、振る舞い(DOing)を色濃く反映していることになります。

それでは一つずつ、強みに対して解説していきます。
知恵の美徳
VIAの分類では、得られた知識を効果的に使って問題を解決していくことと関連づけられています。
知恵と知性は、実は関連性がありませんので注意が必要です。
知性とは生まれつき頭脳明晰だったり、IQが高いといった特徴を言いますが、知恵には「生活状況や人間関係に並外れた思考の広さと深さ、この知識を活用する際の思慮深さが含まれる」とされています。
つまり、知恵とは知性の高位の一形態であり、その存在は誰も憤慨せず、誰もが感謝する美徳となるんですね。
それを構成する強みは、創造性・好奇心・向学心・知的柔軟性・大局観の5つです。
創造性
新しい方法で物事を行うことが出来ることを言います。
独創的なアイデアや行動を生みだすことも創造性の一部ではありますが、それを如何に活用するか、応用することが出来なければ創造性があるとは言えません。
個人の独創性は、その本人または他人の人生に対してプラスの貢献を出来なくてはならなく、独我論ではなく聴衆に向かって話すことも伴っていないとならないとされています。
つまり、困難な問題や環境に直面しても、お互いに幸せとなるような解決策を模索する姿が、創造性の最大の強みと言えるんですね。
好奇心
好奇心とは、探求し発見すること、常に新鮮さを求め、積極的に経験しようとすることを言います。
湧き上がる知識欲を満たすために、新しい経験をしたり、新しい事実を知るネットワークを大事にしたりと、現在進行中の人生経験を刺激あるものにしたいとアクティブになれる訳です。
自分の人生を意味あるものにするために積極的に情報を取り入れるので、人生の満足度と一番結びつきの強い強みとなります。
知的柔軟性
知的柔軟性とは、別名クリティカルシンキングと呼ばれます。
理性的で論理的な選択を行って、アイデア、意見、事実を分析する力のことを言います。
専門的な知識を持っている能力の高い人ほど、この「批判的思考」は得意としてなく、物事を客観的に見て様々な角度から証拠を考察したり、前提から再考することが出来ないとされています。
この強みは「知恵の美徳」の中でも核となるもので、天才を超える思考重視の強みであることが明らかになりました。
生まれつきの天才を超える思考法 クリティカルシンキング 序章
向学心
向学心とは、学習の情熱、学習することへの欲求を指しています。
好奇心と向学心はVIA強み分類の中で最も結びつきが強いものになりますが、実際は別物として扱います。
好奇心は知識を追い求めていくことを主としていますが、向学心は、自分の知識を膨らませることを主とします。
思考方法も少し異なっていて、好奇心は学びたいエネルギーと情報収集への意欲が結びついていますが、向学心は物事をじっくりと考えていることが多いです。
また、向学心は思考パターンが深いため、なんでも掘り下げて学ぶ傾向にあります。
決して一般的な情報に留めたり、中途半端な理解で満足することはありませんし、本質まで注目して学習しそれを日常生活に役立てるように学習の方向性の舵を切ることが出来ます。
大局観
大局観とは、人生の全体像を捉える能力を言います。
小さな情報にも大きな視点で捉えられることが出来るので、人の話を聞きながら、相手にとっての教訓となる指標だったり、適切な行動をアドバイスできるとされています。
問題の核心を即座に見極められるので、全体像を見渡しながら、実用的で効果的な支援を提供出来ます。
また、大局観と知的柔軟性はお互いに補いあうもので、知的柔軟性を使って正確な判断基準を洗い出し、大局観を発揮して全体像を捉えられるので、適切な判断が可能となります。
勇気の美徳
勇気の美徳は、自分の意志に関連付けられます。
外部や内部からの障害に、己の目標達成の為に立ち向かうことができるとされています。
強みの中に「勇敢さ」というものがありますが、勇気と同意語として広く使われていると思います。
ですが、VIA分類では別物と取り扱っています。
「勇敢さ」とは特定の行動と関係がありますが、「勇気」とは勇敢さが求められていない時でも、率直で信頼できる人に映ります。
また「勇気」とは、不安と恐怖と深い関係があります。
不安や恐怖が無い中で行動する人は「無謀な人」に見えるからですね。
つまり、恐れよりも行動しようとする意志が大きい時に、勇気が発揮されます。
その原動力は「自分の行動を抑えるより、実行した方が良い結果になるだろう」といった考えによって生み出されるという訳です。
この勇気を支えている強みは勇敢さ・忍耐力・誠実さ・熱意の4つとなります。
勇敢さ
勇敢さとは、難題や脅威、困難に立ち向かっていく人を指します。
他人の目線など一切受け付けずに、自分の目標や信念を一番に大切にし、それに基づいて行動していくことが出来ます。
自分の身に危険が差し迫っていたとしても、恐怖を感じないのでは無く、しっかりと肌で感じたうえでやるべきことを必ず実行します。
それは、命を張らなければいけなかったり、自分の弱さと向きわなければならない時だったり、誰かを守らなければいけない時だったりします。
発揮される舞台の大きさに関係なく、何か確固たる信念の為に本気で立ち向かうことが出来るのがこの勇敢さです。
忍耐力
忍耐力とは、やり遂げる力のことを言います。
どんな障害が立ち塞がっても、最後までやり遂げる力を言いますが勇気とは少し意味が異なります。 勇気が発揮するのは恐怖という障害です。
一方で、忍耐力が発揮するのは退屈、フラストレーション、続けることが困難といった障害をいいます。 こういった障害を忍耐力が発揮できると、「この障害は成長のチャンス」、「この辛さも学びに必要なこと」だと捉えて乗り越えようと前を向いて進んでいくことが出来ます。
また、何事も上手くいかなかった場面に直面すると、人や確率といった外部に責任を置くことはせず、己の努力が足りないからと考える傾向にあります。
誠実さ
ここでいう誠実さとは広い意味で、自分の行動や、言葉に責任を持っている人を指します。
他人に対する表裏偽りのない自分を表現したり、自分が道徳的で一貫性をもっているという思いを持ち合わせます。
この誠実さというのは、客観的尺度がなく、基本的には自己申告になります。 つまり、些細な不正すらも自己申告しなければ評価はされないので、この誠実さというのはかなり複雑な強みと言えます。
しかし、本当に誠実さを強みとして発揮できているのならそれは「本物の自分を表現している」と言えます。
また誠実さは己の本当の自分に引き戻す矯正力となって、自分の価値観と矛盾した行動や、偽った自分を表現させる事無く、本当の自分を貫くことが出来るという強みになります。
熱意
熱意とは、常にワクワクしながら活力をもって色んな活動に対して熱意を示すことを指します。
この強みを持った人は、精力的で強いエネルギーを感じ、瞳に力を宿していることが多いです。
この強いエネルギーは周りの人をも巻き込んで、人生が広がる感覚になるでしょうし、有意義な人間関係を気づくことが出来ます。
熱意は幸福感に最も結びつきやすいので、生きる意味や目的を見つけやすく、充実感や有意義な時間を過ごしているといった感覚になるので、生きがいを感じやすくなります。
人間性の美徳
人間性の美徳には他人との関りを深める親切さや友好的といったポジティブな特性をいいます。
人を思いやる気持ちや、人の喜びや痛みを理解して、相手に愛情をもって適切な掛け声や行動をすることが出来たり、人の為に自分の持っている力を尽くしてくれます。
そこには一切の打算は存在せず、純粋に人の為に尽くすことが出来るのがこの人間性の美徳になります。
そんな人間性に関した性格の強みとして、愛情・親切心・社会的知性の3つが存在します。
愛情
感情の愛情と捉えがちですが、VIA分類での強みとしての愛情とは、親密な関係性に対して、暖かい心で貢献しているかということです。
その関係性の背景には、援助、何事も受け入れる姿勢、深い理解が存在しており、それには献身、犠牲といった強い愛情が存在しています。
この強みを持っているかどうかは、幼い頃に感じた人からの愛情で決まってくると考えられていますし、その時期に確立された愛情のパターンが大人になった時に発揮されることがあるようです。
家族愛、兄弟愛、友情、友愛、恋愛といった状況において、人との絆を育むことを恐れず、強い人間関係を気づけるようになります。
親切心
親切心とは、有限な自分の時間、資金、能力を使って、困っている人に救いの手を差し伸べることが出来ます。
この気持ちの原動力は、人の幸せに深い関心を持ち、誰かの助けや、面倒を見たり、世話をするといった奉仕精神にあります。
親切心と愛情はよく一体となって強みとして現れることがよくありますが、違いが存在します。
親切心はもっと一般的な強みで、親しい人以外にも救いの手を差し伸べることが出来ます。
あくまでも相手が「幸せ」を感じてもらえることを目標としています。
一方で愛情というのは、お互いの関係性を親密で安心できる関係を築くことを目標にしています。
親切心のベクトルは相手に向かっていますが、愛情はお互いにベクトルを向けているという訳です。
社会的知性
社会的知性はホットリーディングに近いものがあるのですが、要は相手のホット情報(動機、感情、相手や自分にとって幸せを感じられる要因を示す心理的反応)を上手に処理できる知性をいいます。
別名、SQ(Social Intelligence Quotient)と呼ばれます。
簡単に言うと、社会にとって必要不可欠な「共感力」が高いことをいいます。
社交の場で微妙な相手も雰囲気や空気間のニュアンスを瞬時に汲み取り、それに適したアクションを発揮できます。
正義の美徳
正義の美徳は、人間関係と特に深い関りを持つ美徳の2つ目になります。
人間性の美徳は、個人的な関係にフォーカスを置いた強みで、一対一の間で発揮する強みと言えます。
ただし、人生において対人関係が常に一対一という訳にもいかず、集団で行動する生き物なのです。
そこで、必要となるのが正義の強みという訳です。
正義の強みは複数人の中で発揮する強みと言えます。
この正義の強みを持って、集団内での矛盾する目標や意図を舵取りしていくことが出来るんですね。 時には、人間性の強みと正義の強みは矛盾する部分がどうしてもあり、実際にグループを守るために一人を犠牲にするか問題では、バランスが取りにくいと思います。
しかし、理想のグループやコミュニティの姿を近づけていくような状況には特にこの正義という強みが重要です。
そんな正義の強みにはチームワーク・公平さ・リーダーシップの3つがあります。
チームワーク
チームワークとは、自分を含むグループの成功に貢献することを言います。
そのグループの範囲は、仕事でのプロジェクトチーム、家族、結婚も含みます。
更には自分が属するコミュニティ等において、共通した善を全力で貢献する社会的責任を感じるようになります。
この強みを持っている人は、自分の利益を超えて、グループの利益を優先とする傾向があり、そのグループに対して、帰属意識と義務感を感じています。
公平さ
公平さとは、他人を正当に扱うこと、自分の感情や偏見によって判断を左右されないことを指します。
人類全員に同じチャンスが与えられ、同じルールが適用されるという考えに従っています。
ただし、それはあくまでも思想であることも理解しているので、現実問題とのギャップを受け入れている所があります。
この公平さという基準は昔から議論されいている問題の一つで、道徳的発達によって見極めなくてはなりません。
例えば、子供の道徳的善を判断する傾向としては、利己的で刑罰からの回避や報酬を得ることだといいますが、この思考は成熟するにあたって、抽象性を高め自己中心性から遠ざかる傾向が強まります。
つまり、善悪の判断には個人の道徳的発達によって左右されるため難しいところはありますが、成熟するにつれて公平性な原則、正義の観点、配慮の観点から判断できるようになります。
リーダーシップ
リーダーシップとは、主に2つに区分されたやるべきことが出来ることをいいます。
先ずは、自分の部下にやすべきことをさせることであり、二つ目に部下の士気を向上させて良好な関係を築くことです。
この強みを持っている人は自分の一番の強みを理解していて、その強みを発揮して人の最大の長所を引き出す術を心得ています。
自分が属するコミュニティをうまく運営するために、その中の小さなグループや、個々に対しての能力を活性化させ、その組織に属している個々が大事な歯車であることを実感できる環境を構築することが出来ます。
節制の美徳
節制の美徳と勇気の美徳は対象関係にあります。
勇気の美徳は、不安や恐怖の感情に立ち向かって良い方法へ変化させるために行動します。
一方で節制の美徳というのは、怒り、怠惰、傲慢の感情と戦い、悪事や社会的に好ましくないことを抑えるように行動することをいいます。
あらゆる害となるような感情を、自己規制という形で衝動を和らげるものとしての美徳になります。
例えば、勇敢さを発揮している人は恐怖を物ともせず、立ち向かう姿は「行動力がある人間」として映りますが、節度がないとどうなるかと言いますと、 恐怖心を感じていない「無鉄砲で後先考えない人」として映ります。
逆に節度があり過ぎるとどうなるかと言いますと、 控えめで消極的な「小心者で行動できない人」に移ります。
つまり、上の2つに共通するのは自分の感情を制御できていないからです。
この強みを構成するのは寛容さ・謙虚さ・思慮深さ・自律心の4つになります。
寛容さ
寛容さとは、他人から不当なことされたり、傷つけてくる行動の理解を広げることをいいます。
これは恐怖からくる理解や、賄賂といった外部的な報酬によって発揮するものではなく、ただ純粋に過ぎ去った事実とし続ける強さのことをいいます。
慈悲の心と組み合わさることで、人の欠点や欠陥、不完全さを理解して相手にやり直す機会を与えます。
この寛容さは自己に存在する憎しみといった感情を矯正する力でもあります。
これは、許された相手が癒されるだけでなく、大きな心で理解してあげた事実を身をもって体験することで、むしろ許した本人が癒されることの方が多いのが特徴です。
ただし勘違いしてほしくないのは、自分を苦しめた相手との関係を修復する必要はありませんし、距離を縮める必要もありません。
相手が自分に与えた苦しみや悲しみは忘れてはなりませんし、これからの未来に対して許す事とは同義になりません。
この心理的反応は、己が感じる痛みを克服するために、どんな状況になっても慈悲の心で加害者の人間性に憐みの心を抱き、許した自分を癒していくものです。
謙虚さ
慎み深さとは謙虚さとも言えます。
自分の能力や成果を正確に評価できることを言います。
傲慢な気持ちで注目を浴びようとか、自惚れて何事もやり過ぎたり特別な人間だと思う事は、自分の過去の過ちや無知、不完全さを自覚していないからに他なりません。
また、人のお願いや要求を全て聞き入れることも、自分の評価を過度に批判することも自分が何者かをきちんと理解できてません。
本当の慎み深さとは、自分の不完全さや、無知であることを身をもって知っていて、無駄にスポットライトを浴びて角を立てようとはしないからです。
思慮深さ
思慮深さとは、注意深く選択すること、行動を起こす前に一度立ち止まって考え、自制心を発揮することをいいます。
臆病や、何も行動を起こさない慎重派、時には高尚とさえ嫌味を言われかねないこの強みですが、この強みの本質は微妙な所で発揮されます。
それは、自分の人生における選択肢に直面したときになります。
ある行動を起こすか起こさないかについて賢明に注視し、そのリスクを取った時に全体的にメリットがあるのか、デメリットになるのかを検証しながら自分自身をコントロールする能力のことをいいます。
直感的に判断する人は短期的な目線に惑わされやすいですが、この思慮深さは長期的な視点で物事を判断するため、無駄なリスクを取ることをしないといった特徴があります。
自律心
自律心は、個人で設定した目標を追求し、自分で設定した基準を守るために、突発的な感情や欲望をコントロールすることをいいます。
自己規制と同義語で使用されることもありますが、もっと狭い意味で道徳的に行動するために、自分の衝動を制御することを指します。
自律心が発揮されていると、目標達成できる可能性が高くなります。
自制することで過剰の感情を抑制したり、行動を自分で管理できるので、目標を追求しながら自分の決めたルールに従って生活する感覚が強いです。
超越性の美徳
超越性の美徳は知恵の美徳と対照的な位置に存在しています。
知恵とは、自分で得た知識を自己や他人のために使い、未来をより良いものにしようと行動することと定義しています。
一方の超越性の美徳は、完全に知ることが出来ない、理解することが出来ないものがあることを知っており、その認識を使ってより良いものにしようと行動するものと定義されています。
この美徳はかなり抽象的であり、実際に人間性の美徳と比較すると、理解しやすくなるかもしれません。
人間性の美徳の意識のベクトルを考えると自分から人になります、もちろん数は大小関係なくです。
しかし超越性の美徳の場合は、出発点のベクトルが自分ではなく、それを超越して自然界や未来、非物質的世界に意識を向けてそこから人にベクトルを向けます。
そんな超越性の美徳を構築するのは審美眼・感謝・希望・ユーモア・スピリチュアリティの5つになります。
審美眼
審美眼とは、人生の様々な領域における美しさと卓越性に気づくことが出来、それを評価することをいいます。
これは、その芸術性や音楽が持っている物が自分を超えた大きい物と結びつける傾向にあります。
壮大な自然、卓越した運動能力、道徳的な優秀さを誰よりも気づき、誰よりもその卓越性を評価できます。
つまり、誰もが見落としがちな状況、環境、人の中に特別なものを見出し、その偉大さ、卓越性、畏怖の念、感動といった感情を感じ取れる能力とも言えます。
この審美眼が発揮されると、人間としての深さを教えてくれていると感じ、実際に自分磨きや、他人に親切にしたいと思う傾向が強まります。
感謝
感謝とは、贈り物に対して感謝することを言います。
この贈り物とは、具体的にすることも出来るし、意図的に提供されることも含まれます。
例えば子供が作ってくれた図画工作の背景にある頑張りに感謝することもあるし、農家を営んでいたとしたら、突然の雨に自然の恵みだと感謝をすることもあります。
この感謝というのは、人や出来事から、大切な贈り物を授かったという超越的な感覚になります。
感謝の強みが発揮されると、より謙虚に、忍耐強く、親切にといった道徳的に行動したいといった気持ちが高まりますし、親切心や愛情の強みを育てる傾向にあるので、他人との繋がりを強めます。
また好奇心や希望、スピリチュアリティ、熱意等の強みを活かしていけるようになります。
希望
希望とは、将来いいことがあるというポジティブな期待に関係しています。
楽観的に物事を捉え、将来起こることに焦点を当てているので、まだ見ぬ未来に対して超越的に思考してます。
この希望を持つことは気分が良くなるといった一時的なものではなく、実際に「目標は達成できる」、「効果的な方法を沢山考え抜いて、自分の思い描く未来に到達できる」といった動機と自信が行動に結びつけます。
希望は、幸福度に繋がる強みと、密接な関係があります。 特に熱意との関係性はどんな関係よりも密接なものになっています。
また感謝や愛情とも関わっているため、現状理解に対して熱意をもって取り組むことが出来るし、未来に希望や感謝の気持ちを持って楽観的に行動できるようになります。
ユーモア
ユーモアとは、様々な状況の中で面白いものを見つけて、相手に明るい面を示していく事です。
この強みは、社会的な交流の大事な潤滑油となり、一丸となって目標に向かって行く力となります。
ユーモアとは遊び心が基本となりますので、理不尽なことに対して真価を発揮します。
その不条理な出来事に対しても、生真面目さを弱め、その場を和ませられるというのが特徴になります。
このユーモアを発揮していると、ポジティブな性格、ネガティブな状況、退屈な場面であってもその中に楽しみを見出し、あらゆる状況に変化させた方法で、ブラックジョークや機知に富んだ話をして、コミュニケーションの大事なツールとして確立していきます。
スピリチュアリティ
スピリチュアリティは様々な次元を含みます。
人生の意義や目的、使命、宇宙に繋がる信念、善悪の表現、超越的なものと繋がる試みといったものまで含んでいるので、世俗的であり神秘的であり、宗教的でもあります。
この強みをもっている人は「人生には理解を超えた次元が存在する」という核の部分が存在します。
もっと言うと、自分という存在は宇宙においてどの位置づけににいるのか、そしてその目的は何なのか、またそれを果すために生きる意味についての信念を持っています。
この強みが発揮されていると、心が受容的で開放的になり、善を追求する中で様々な徳を表現し、全ての人間と繋がる感覚を得て、感謝できるようになります。
24の強みから自分の強みを見つける
VIAテストを受けて頂くと順位付けされると思います。
純粋に上位にある強みは自分の中で最も発揮できている強みだという事は理解できると思います。
ですが、中間の強みってどういう位置づけなのか、はたまた最下位の強みは最も足りていないもので、この強みに関しては持っていないのかと言いますと、実は違います。
それぞれの順位において段階的に発揮されるものと定義されていますのでそれを説明します。
上位トップ5の強み
この上位にある強みを特徴的強みと言います。
この特徴的強みは自分の独自性が発揮できる強みになっており、その組み合わせは510万通りにも及びます。
この特徴的強みは自分にとって何よりも大切な強みになってくれる可能性が高く、アイデンティティを構成する要素の中で1番大事な役割を果たします。
中間順位14の強み
VIA分類の研究では、24の性格の強みはどれも重要で、全ての強みにそれぞれの利点があると言われています。
どの強みが特徴的強みにならなくても、状況によって発揮できる強みのことを状況的強みと呼ばれます。
この中間位にある14の強みは、アイデンティティとして表立っているものではありませんが、状況に応じて大きな力を発揮します。
例えば、勇敢さが中間位にあったとしても、意見が対立したグループ同士の議論の中で、自分の主張を伝えなければ壊滅する可能性があったとするならば、状況的強みとして発揮するかもしれません。
下位ボトム5の強み
この下位ボトム5にある強みは、私たちに足りていない強みではありませんし、弱点でもありません。
ここにある強みは、潜在的に眠っていて意識的に注目できていない強みとして区分されます。
因みに強みは個別に育てることが可能です。
この育て方はまた違う記事で紹介しますが、下位ボトムも例外ではありません。
しかし、ライアン・ミーニックが言うには、先ず自分の特徴的強みに気づき、それを徹底的に調べ、昇華させることに時間を割いた方が効果的だと言います。
その後で、中間位の強みや下位の強みを引き出す方法を考えて、高めていくアプローチを強くお勧めします。
まとめ
私たちの強みは全部で24の強みとして分類されています。
また24の強みは6つの美徳にカテゴライズされていました。
1.知恵の美徳:知識を集め、活用するのに役立つ強み
その中に、
- 創造性:独創的で柔軟性がある、創意工夫する人、人と違う見方や仕方をする
- 好奇心:興味を持つ、斬新を求める、探求心を好む、新しい経験を進んで受け入れる
- 知的柔軟性:あらゆる角度から考える、結論を急がない
- 向学心:新たな技術や情報の習得に興味がある、体系的に知識を増やす
- 大局観:賢い、賢明な判断をする、全体像を考える
2.勇気の美徳:自分の意志力で逆境に立ち向かう強み
その中に、
- 勇敢さ:脅威や挑戦に怯まない、恐怖と向き合う、正しいことをはっきりと主張する
- 忍耐力:粘り強い、勤勉、始めたことはやり遂げる、障害を克服する
- 誠実さ:嘘偽りがない、自分に忠実、誠実、高潔
- 熱意:人生への情熱がある、元気、精力的、全力投球
3.人間性の美徳:一対一の人間関係に役立つ強み
その中に、
- 愛情:愛し愛される、親密な人間関係を大切にする、心からの温かさを示す
- 親切心:寛大、養育的、思いやり、利他的、人のために何かする
- 社会的知性:共感力が高い、自分や相手の動機や感情への理解度が高い
4.正義の強み:社会や集団行動で力になってくれる強み
その中に、
- チームワーク:善良な市民、社会的責任感、忠実、グループの努力に貢献する
- 公平さ:正義の原則を守る、感情的になって偏見を持った決断をしない、
- リーダーシップ:グループをまとめて成功に導く、前向きに人を導く
5.節制の強み:習慣を制御し、行き過ぎないようにするのに役立つ強み
その中に、
- 寛容さ:憐み深い、人の欠点を受け入れる、やり直しの機会を与える
- 慎み深さ:謙虚、黙って成果を出す
- 思慮深さ:自分の選択に慎重、過度のリスクを冒さない
- 自律心:自制心がある、規律がある、衝動・感情・悪習を制御できる
6.超越性の美徳:広大な宇宙と繋がり、意味を与えてくれるのに役立つ強み
その中に、
- 審美眼:美に対して畏敬の念を抱く、人の優秀さを称え、道徳的な美しさに触れて自ら向上する
- 感謝:人生の良いことに感謝する、感謝の気持ちを表す、恵まれていると感じる
- 希望:楽観的で前向き、未来志向、最高のものを期待し、それを得るための努力をする
- ユーモア:遊び心がある、人に笑顔をもたらす、楽天的、良い方向へ考える
- スピリテュアリティ:人生の意味について、超越した存在が持つ目的から考え、信念とする
といった意味を持っていました。
また順位によって区分される強みの強弱が存在しました。
上位トップ5の強みは特徴的強みと言って、私たちのアイデンティティを形成する重要な要素でした。
また、中間位14の強みは状況的強みと言って、特徴的強みほど、表立って現れていませんが、状況によって大きな力を発揮できる強みのことを言います。
最後に下位ボトム5の強みは、潜在的に使えていない強みで、意識して注目出来ていないからでした。
いかがだったでしょうか。
私たちの強みがこんなにあって、しかもそれを気づかせてくれるVIA強みテストがあるのは、自分を理解するうえで重要なのではないでしょうか。
しかも知るだけで幸福度が9.5倍に上がるのですから、ぜひ今よりも人生を豊かにしたいのならやってみて下さい。
次回は、この強みを育てるワークを解説します。
人格心理学の研究成果では、なんと「性格を含めた人格は変われる」という研究成果があります。
この辺りを解説しながら、強み毎に24の強みガイドを使用して育てる方法をご紹介しますのでお楽しみに。
今回はこれで以上です。
次回の記事でまたお会いしましょう。
それでは。
因みに私のトップ5は

向学心・創造性・忍耐力・好奇心・大局観でした。



