どうもgive-keyです。 ここでは、バイアスに陥る前に正常な判断を守るためのバイアス回避テクニックを紹介します。 私達はバイアスから簡単に回避出来なさそうに思えるんですが、実はそうではないんですね。 例えば、ボストン大学の研究ではバイアスに関する動画を30分視聴するだけで、バイアスにかかり辛くなっていたんですね。 要するに、私達は無意識の認知を改めて確認するきっかけをくれるだけで、簡単にバイアスから回避する事が出来ます。 その中でも今回はですね、投資において主要なバイアスを取り上げて、そのバイアスを回避するテクニックを紹介しているのでよかったら続きを見てみて下さいね。 それでは本題に入ります。 この続きを読むにはスタンダード会員以上になります 参考文献 エイミー ・モーリン(2015).メンタルが強い人がやめた13の習慣 Young Eun Huh(2014).Social Defaults: Observed Choices Become Choice Defaults Odean, Terrance(2002).Are Investors Reluctant to Realize Their Losses? Alicke, M.D., Dunning, D.A., & Krueger, J. (Eds.). (2005)The Self in Social Judgment (Studies in Self and Identity) Quin, Jie(2015).A model of regret, investor behavior, and market turbulence Zeelenberg, M., J. Beattie, J. Van der Pligt, and N. K. De Vries(1996).Consequences of regret aversion: Effects of expected feedback on risky decision making Zanesco, A. P., Denkova, E., & Jha, A. P. (2024).Mind-Wandering Increases in Frequency Over Time During Task Performance: An Individual-Participant Meta-Analytic Review Jain Prem C. and Joanna Shuang Wu. (2002)Truth in Mutual Fund Advertising: Evidence on Future Performance and Fund Flows 群集心理回避 群集心理の本質 群集心理は基本的に群れの本能です。 群れの本能とは、人々が他人の行動に反応してその導きに従う傾向がある行動を指します。 元々、私達動物は、危険から一斉に逃げるときに群れで行動する反応として備わっている危険回避行動で、個人の意思というよりも群れの意志として、群れの関係者は周囲に同じ考えを同調させて行動します。 こういった背景から、人間は群集心理に陥りやすく、日常の意志決定から投資方法まで、他人の行動や指示に従うように出来ています。 よくあるのが、プロトレーダーが期間限定で公開されていた場合、この機会を逃すと二度と手に入らないという恐怖から群集心理の起動力となることがありますよね。 実はこの意思決定は、大抵が間違いなんですね。 この群集心理は別名「ハーティング」とも呼ばれており、根拠のない大規模な暴落や上昇を引き起こすのがこの群集心理で、パニックや期待を含んだ行動によって本来の根拠をサポートされずに膨大な圧力を引き込んでいく強さを持っています。 というのも、この種の行動は先ほども伝えた通り本能的なものなので、この心理に屈さない人の方が苦痛や恐怖を伴います。 例えば、流行に乗らないことで孤立する事を恐れるのもそうですし、道端で自分以外の全員が右に曲がる中、自分は左に曲がることが間違っていると感じるかもしれません。 そういった心理を避けるための5つの方法を紹介します。 オートパイロットを辞める これは選択肢に直面した時に、必ず立ち止まって考えるテクニックです。 私達は何も考えずに行動すると、オートパイロットが働くんですね。 これは、他人が何かしているのを見て、見たものをそのまま真似するという物です。 例えば、道端を歩いている時に考え事をしていたとしますよね。 次の十字路を右に曲がりたいのに、前列の人が左に曲がったのを無意識に見ていると気づいたら同じ行動をしていた、なんて記憶もあるかと思います。 これを「ソーシャル・ディフォルト」と言います。 自分が観測した選択肢が、自分の選択ディフォルトとして自動的に模倣される効果です。 このソーシャル・ディフォルトを防ぐために、一度立ち止まって自分自身に意識的な決定を下すことが効果的です。 自分の選択を正当化する これは自分の選択を正当化するために情報を集め、それに基づいた意思決定を下すという物です。 研究によると、自分の選択を正当化させる必要があるとわかっていると、盲目的に他人を真似する可能性がはるかに低くなったということが分かっています。 簡単に言うと、自分の信念を確立しましょうというお話です。 投資で言えば、自分なりのルールをしっかりと持てるかどうかが重要という事になりますね。 決断には時間をかける ある調査に参加した人々に対して、その調査の提出を急がせるといったプレッシャーを与えると、他人を模倣する傾向が強まったんですね。 これを防ぐには、自分自身に質問を投げかけたり、与えられた選択肢について熟考したりして決断に時間をかけて下さい。 よくある勘違いが、素早く決断している人が一番理解している訳ではないという点です。 むしろ、大抵が他人と同調しているだけか、決断に自分の根拠がありません。 たとえ、「決断が遅い」などと優柔不断な人といった烙印を押されたとしても、質のいい意思決定が出来るのとそうでないとの差は、後々大きな差となるのでこの辺りは頭の片隅にでも置いておくといいでしょう。 ストレスが意思決定にどのような影響を与えるか認識する これは個人的な生活で起きたストレスや、頭を悩ませている別の問題に気を取られている時に、他人を真似する確率がかなり高くなるんですね。 こういった場合は、目の前のタスクに集中できるまで意思決定を行わないとか、ストレスを軽減する瞑想をしましょう。 世界で認められた瞑想プログラム MBSR 目立つことを受け入れる これは、群集の総意に従うよりも、自分の意思決定を他人にどう影響を与えられるかを意識してみて下さい。 研究によると、社会的に受け入れられていないと感じる人達は、恐怖や孤立によって他人と同じ行動を取ろうとする傾向が高いという事が分かっています。 成功している人というのは、群集に固執せずに他人とあえて違う事をしようとします。 当たり前ですが、誰もが怖気づくこと、試したことがないことに成功の兆しというのはあるんですね。 自分が選択している事は、本当に自分の選択なのかを時間をかけて評価してみて下さい。 自信過剰バイアス回避 自信過剰バイアスの本質 このバイアスの本質は、「自分は他人と違う存在でありたい」という欲求から生まれる認知バイアスです。 人間には自己保護システムが働いており、不安やストレスから身を守ろうとしているのですが、特に自己否定に強く反応する傾向にあります。 そういった経緯から個人は自己肯定を促し、自分の能力を過大評価することでそういったネガティブ要素から身を守っているんですね。 ダニング・クルーガー効果とは少し違う概念で、ダニング・クルーガー効果は能力の低い人間が、実際の能力よりも高く評価する傾向にあるのに対して、自信過剰バイアスは自分の能力を過信するという違いがあります。 この自信過剰バイアスには2つの要素があって、 自分が保有している情報の質は誰よりも有益だという要素 その情報に基づいて適切なタイミングで行動して最大の利益を得ることが可能だという要素 この2つの自信過剰によって、自信過剰なトレーダーはポートフォリオを適切に分散出来ないことが分かっています。 ある研究によると、大手証券会社の顧客10,000人の取引を分析し、頻繁な取引がより高い収益に繋がるかどうかを調べた研究では、頻繁に購入し、その都度売却した時の株式のパフォーマンスは1年間で5%、2年間で8.6%下回っている事が分かっています。 つまり、個人トレーダーが活発に投資を繰り返すたびに、儲けが少なくなるという事になります。 カルキュレーテッド・リスク これは、リスクを計算するテクニックになります。 認知バイアスの中で最も自分の意思決定を歪めるものは無い位に、かなり強敵で影響のあるバイアスなんですよね。 自信過剰な人ほど意思決定をするときにリスクを考えない傾向にありますので、先ずはその意思決定を行う前にリスクについて考えるのが大事になってきます。 何かを始める際はどうしてもリスクを抱えなくてはならないため、必要最小限のリスクを現実的に考える事で自信過剰バイアスを防ぐことが出来ます。 特に有効的なのは、新しいことを始める時や、試したいときは小さなテストを何回も繰り返していく これだけでも自分の意思決定を何度も確認するポイントを設けてあげれば、大丈夫です。 見積成功率から-25% 人間は自分に対して楽観的に物事を判断しようとする傾向があるんですね。 高校生100万人を対象とした調査では、自分の成績のよさが全体のどの位置にいるかどうかを調べた研究によると、60%の生徒は自分の成績を上位10%だと思い、25%の生徒は自分の成績を上位1%にいると思っていたんですね。 また、社会にでた平均的な従業員は、自分を上位25%だと思い込んでいたんですよね。 つまり、どの区分で見ても私たちは自分の能力を高く見積もる傾向にあるというのが分かるかと思います。 これを防ぐには、自信がある判断をしようとする時に、自分は高く見積もっていると考えて下さい。 自分の中ではここでのエントリーは勝率80%だと感じたら、-25%して勝率55%。 「結局1/2の勝率だから、もう少し慎重になろう」と思考をスイッチしましょう。 確証バイアスを避ける 確証バイアスとは、自分が既に持っている先入観や仮説を裏付けるために、自分にとって都合のいい情報ばかりを集める傾向をいいますが、直感や先入観を使用して判断しようとしたら、その内容と真逆の情報を探しましょう。 例えば、この相場の流れは上昇すると直感で判断したら、 「その直感が間違っているとしたら何だろう」 と考えて、最初は紙に直感や先入観による判断と、逆の情報を書いて見比べてみるといいです。 慣れてくると、頭の中で出来るようになりますのでお勧めです。 知的謙遜を高める この知的謙遜を高めるテクニックですが、どういった事が知的謙遜に当てはまるのかというと、 自分は他人よりも平均以上とは限らない、自分の知識の限界をちゃんと理解している という状態の事を指しています。 まさに無知を知る状態ですよね。 2014年の記事では、あの大手Google人事担当も「知的謙遜があるかないか」を採用の基準にしてるそうです。 組織に順応するためには謙遜心と責任感が必要で、プライドが高くて自分の失敗を認めなかったり、自分の能力を最大限に発揮できない仕事ばかりを押し付けられるといった考えを持つ人は、そういった体制に向かないんですよね。 この知的謙遜力が高い人は、 意見が違う人からもちゃんと学ぶことができる 長期的にみると知的発達のスピードが速い といった傾向にあります。 この知的謙遜レベルを高める方法として、 定期的に自分の知識を他人に説明してみる こうすることで、直感に頼らずに、合理的判断のレベルが向上したり、説明能力も副次的に向上するので、プレゼン力も向上します。 ただ、どうしても自分が知的謙遜レベルが高いのか分からない方もいると思うので、これから紹介する4つの質問に答えて自分がどの角度の知的謙遜が足りていないかチェックしてみましょう。 私は他人の意見を尊重するだろうか 知的謙遜レベルが高い人は、他者の貢献のおかげでさらに重要な見識が生まれる場合があることを理解しているんですね。 よって他者の意見を聞いて支援を求めることに前向きだったりします。 知識を強化して学びを深めるため、反対意見や自分と異なる視点を積極的に集めようとする傾向があるので、人の話を遮ることなく最後まで耳を傾け、否定的な意見は伝えません。 私は自信過剰になっていないだろうか 知的謙虚さを持つ人は好奇心を通して人を率い、新たなアイデアや解決策を発見することに前向きえす。 たとえそれが、自分の考えに反するものだったとしてもしかりと受け入れる器量があるんですね。 自分が間違っているかもしれないときや何か知らないことがあるときにはそれを認め、裏付けとなるデータがない場合は「いつも」「絶対」「確実に」のような絶対的な言葉や、「明らかに」のような推定の言葉を使いません。 私は自尊心を区別できているだろうか 知的謙虚力が高い人は、長期的な知識を持つことが、最終的に高い価値を持つことを知っています。 たとえ一時の失敗を体験したとしても、それを正しくあろうとはしません。 よって、こうした人はその結果、自分の過ちを認めて同僚に自分の不完全な人間的側面を見せることを恐れていないという傾向が高いとされます。 知的謙虚さを持つ人は自分が間違っていたときも、権威性の消失を恐れたりせずに自分とは正反対の成功している言葉や影響を称賛します。 私は自分の意見を素直に修正することができるだろうか 知的謙虚さを持つ人は自分の意見に不備があっても潔く他者に譲歩し、自分の意見を変えるべきことを示す証拠を提示されたら考えを改めることができます。 こうした人はむしろ失敗を喜んで受け入れ、自分の知識磨きに余念がありません。 他者の意見は自分の考えをブラッシュアップ出来る要素だと考え、自分の視点を積極的に修正する事が出来ます。 また、重要な話題に関して考えを変えたときのことを他者に正直に語る傾向が高いのも知的謙遜レベルが高い人の特徴です。 後悔回避バイアス回避 後悔回避バイアスの本質 このバイアスは、自責感と「もう一度やり直したい」という欲求から生まれるバイアスです。 一方で、失望感や悲しみ、フラストレーションと言った感情は、後悔と同様、悪い結果を伴っての感情ですが、感情のベクトルが自分の方に向いており、後悔は期待や水準と対比から生じる感情という点で、それを満たす感情が異なる点において別物です。 自責感とは、私達が過去に行った出来事に対して否定的な感情を持ち、その思い出を避けようとする傾向を指しています。 これは、過去の失敗や辛い経験からネガティブな感情を引き起こす可能性があるため、そういった記憶だったり状況から逃げようとする心理的防御メカニズムとなります。 特にこのバイアスはリスク回避と強く結びつきます。 新しい事をして失敗すれば、止めとけばよかったと後悔し、自分が始めようとしていた新しい事を他人が初めて成功すれば、先に行動しておけばよかったと後悔する予期が立てられると、前もってリスクを取らない行動が習慣になったりします。 投資の世界では、むしろ予期的後悔が著しい(暴落・急上昇に飛び乗らないともったいない)ため、取らなくていいリスクを取りがちなんですね。 これは「利益が取れるタイミングを最初から予測していたのに乗り遅れたから、もう一度その利益を取りに行きたい」という感情に支配されている事が分かります。 1996年や2015年の研究を見ても、人はリスクを最小限にする行動選択をするのではなく、後悔を最小限にする行動を選択する事が分かっていて、早すぎる利確や遅すぎる損切りがこの後悔回避バイアスのせいで通常の1.5~2倍高くなるんですね。 つまり、行動しても損をしたくない、行動しなくても損をしたくないという相反する心理反応が、どちらにも行動することが出来ずに現状維持を選択するし、後悔を感じた時に非常に非合理的な行動を選択してしまうというお話です。 ルールを明確に決める この後悔回避バイアスを避けるには、絶対に変わらないルールを決める事です。 プロと呼ばれている投資家がなぜ勝つことが出来るのかというと、エントリーやイグジットのタイミングに絶対に遵守すべきルールが徹底されているからなんですね。 損失方向に向かったら、自分の総資産の1%までの損失に抑えたり、利益方向に向かったら、トレーリングストップを設定したり、感情に流されないルール作りを徹底しましょう。 逆タイムトラベル これは未来の自分と文通する方法です。 なぜいまさら未来に対してタイムカプセル的な事をするんだと思ったかもいるかもしれませんが、実はブリジストン大学などの研究によると、未来の自分というのはどうも現在の私達からして別人のように扱っているみたいなんですね。 要は、現代の自己に異常に固執しているからこそ、未来に対しても現代の自分を基準にしてしまうため、バイアスに陥りやすかったりします。 それゆえにこれから過去、現代、未来に強い繋がりがあることを先ずは認知し、それを高める事で新たな視点が生まれるという物です。 未来に文通するといってもどうすればいいのか分からないと思うので、具体的に説明すると、 10~20年後の未来の自分に対して、 「今の自分はこういう目標を持っているんだけど、未来の自分は目標達成できていますか?もし、目標達成しているのならどんな気分ですか?」 といった、未来の自分の近況を尋ねるように紙に書いていきます。 そのあとは、今度逆の立場で、 「今の自分の人生は、こんな感じで発展してきて、今はこんな気分になっているよ」 といった感じで、将来の自分が何をなしとげて、それによって人生の満足度がどう変わったかを返信します。 この作業を行う事で、自分が後悔しそうなこと、あるいは最も大切にしていることをじっくり考えることができ、それによって将来の自分が満足できるような行動にフォーカスが当たりやすくなるというものなんですね。 「投資においてこういった心理テクニックをマスターしたい」 「しっかりと利益を伸ばし、自分の決めたルールで損切りを最小限に決断できるようにしたい」 「FXで脱サラリーマンして、沢山旅行出来る暮らしをするために〇〇を極めたい」 こんな感じの目標を決めて達成させたい時は、このテクニックを使うといいです。 集中力分散回避 集中力の本質 この能力の本質は、注意を一点に向けることで、特定のタスクや活動に意識を向けて集中する能力です。 この能力が高いと、その時にやるべきことを障害物や気遣いなく取り組めるため、効率よく作業したり、より良い結果を達成する事が出来ます。 しかし、この集中力というのは持続しないことが分かっています。 2024年のメタ分析を見てみると、過去に行われた68件の「集中研究」についてまとめたもので、対象者数1万人以上となります。 ここで調べた内容は何かというと、 「人間の集中力を妨げるのは何なのか?」 SNSやモバイル端末、その他もろもろも要因はありそうですが、研究者曰く そういった外的要因があってもなくても集中力は途切れてしまう この結果はマインドワンダリングが原因ではないか 1つの仕事を継続すればするほど、私達の心は彷徨ってしまう との事なので、どんな結論になったかというと、 集中力が途切れるのは外部的要因ではない 元々、集中力は切れるように出来ている タスクが長引けばどんなに集中力がある人でも削られていく タスクの難易度には関係がなく、大体の人は終盤になると頭の中が最高50%まで彷徨う という事でした。 強制休憩 一般的に集中力が高いと呼ばれている人というのは、この強制休憩を利用しています。 具体的に言いますと、 集中力の低下に抗うのではなく、あらかじめそれを予期し、それに応じた計画を立てている みたいなんですね。 例えば、集中のパフォーマンスが落ちてきたらそれを受け入れて、 「集中力が切れたら運動をする」 「集中力が切れたら単純作業に切り替える」 「集中力が切れたら30分休憩する」 「集中力が切れたら15分瞑想する」 といった集中力を回復させるためのリカバリープランを予め作っておくことをオススメします。 感情のコントロール 人間の行動は感情によって左右されてしまう脆さを持っているので、簡単に非合理的な行動や判断をしやすいんですね。 重要な取引をしているときでも、突発的なファンダメンタル要素の介入によって、これまでのテクニカル分析を遵守せずに、感情と直感を使って取引してしまいます。 こういった感情をコントロールするためのテクニックとして、先ずは感謝をすること。 これは、今感じている苦しみや痛みから逃げようとする心理が働きます。 ここで逃げようとすると、実際にはストレスに苛まれることになるんですね。 だからとって、向き合う事も辛いかと思うんです。 そういう時はそのストレスや苦しみ、痛みといった感情を受けている環境下で、感謝することが出来る部分に焦点を向けましょうというお話です。 例えば、損切りにあって悔しい気持ちや、落胆する気持ち、不安、イライラといった感情に襲われますよね? そういった環境の中で、 「損切りで苦しい気分になったけど、、常に寄り添ってくれる家族がいることは感謝だよな」 とか、 「今まで一生懸命貯めてきた総資産を全部溶かしてしまった、とても苦しくて食事も喉が通らないし、よく眠れないし、かなり辛い状況だ。だけど、今すぐ死ぬわけではないし、こんな自分でも心配してくれる親には本当に感謝しないといけない」 など、なんでもいいので、自分が苦しい環境になった時に感謝できる部分を見つけて、それについて感謝の気持ちを表明します。 私達というのは目の前の事を集中している筈なのに、そういった感情のせいで簡単に意識が持っていかれてしまうので、意識を向いている物が自分の人生の全てだと誤認しやすいんですね。 このテクニックの肝は、ただネガティブな感情から感謝の感情に意識をスイッチしましょうという所にあります。 インスピレーション・チャレンジ これはロールモデルを使用して、集中力を上げるテクニックですが、要はメンターを利用して、自分がメンターとする人はこの状況ならどうするか、自分がこのメンターとなったら今の状況をどう対処するかを考えるテクニックとも言えます。 成功する人というのは、特定のメンターを持つことがないんですね。 つまり、その場面ごとに参考にしたいメンターの特徴を適時、お手本にして自分の行動を修正しているので、このテクニックも複数のメンターを用意します。 先ずは二人の集中力メンターを探すんですが、実在する人間以外でも問題ありません。 ある研究では、物語などにインスピレーションを受けた被験者が後の作業への取り組み方が向上したということが分かっています。 次に、二人のメンターの良い所を最低5つ書き出します。 例えば、Aというメンターは、感情のコントロールが上手で、いつも冷静にトレードしているな。 だったり、 Bというメンターはテクニカル分析の論理的展開が上手で、とても参考になるな。 という良い所を各人5個ずつ書く出していきます。 3つ目に自分が掲げたい大きな目標を書き出します。 先に目標を書き出してからメンターを探すとなると探し出す難易度がかなり上がるので、順番としては先にメンターを出してから、それに沿った目標を掲げた方が楽です。 自分にとってメンターということは、自分にとって目標としている特徴や能力を持っているからなので、先に目標を決めるよりもメンターを決めた方が速いんですね。 4つ目にその掲げた目標に対して、どんな障害があるのか、どんなトラブルが予想されるかを書き出して、二人のメンターはどのようなマインドセットをくれるか書き出します。 例えば、FXで安定して稼ぐ環境づくりをしたいという目標を設定しますよね。 その目標を達成するためにどのような障害があるのかを出来る限り書き出していきます。 「どうしても安定して勝率を維持するにはメンタル管理が必要だな」 「常に相場は変わっていくものだから固執した考えでは安定には程遠いな」 「トレードを始めるといっても資金集めをどうしたらいいのかな」 「きっと実際のトレードを始めると感情的に取引するだろうから、資金管理を徹底するために何をすればいいのかな」 「これからずっとFXで投資する未来を考えた時に、ストレスを常に感じるのはリスクだからどうしたら安定するのかな」 こんな感じで自分の目標を達成する中で起きそうな障害、トラブルを予め予測しておきましょう。 そして、その問題に対して、二人のメンターはどのようなマインドセットを与えてくれるのか、どういった考え方をするんだろうかを自分なりに考えてみるんですね。 例えばウォーレンバフェットなら、 「自分が理解できない銘柄には手を出さない性格だから、トレードする前にFXの仕組みを理解しておく必要があるんじゃないか」 「長期的に伸びていく銘柄を厳選して投資をしているから、どんな通貨が伸びていきやすいかを考えてみる必要があるな」 「長期的に伸びていく銘柄を厳選したら、最も安いタイミングで買う人だから、市場的に売られすぎのタイミングで逆張り手法を学んでみようかな」 「資金集めも長期的に考えることが出来れば、毎月どのくらいの資産を投資に割ける事が出来るかを考えてみようかな」 「ウォーレンバフェットは投資を自分の頭で考えなくては意味がないというスタンスの人だから、誰かの手法や資金管理を丸々真似するのではなく、そこから自分なりの使いやすいアレンジを加えてみようかな」 といったマインドセットをくれるはずです。 そして最後に、その二人のメンターは上記のマインドセットに対して、どのようなコメントをくれるかを書き出します。 例えば先程のウォーレンバフェットなら、 「FXというのは投資ではなく投機に近い商品だから、長期的に成長するといった視点では難しいだろう、長期的に保有して利益がでるスワップポイントや、コモディティ、株価指数に投資先を変更した方がいい」 「投資で安定的に稼ぎたいのであれば、長期的な環境認識を徹底する必要があるだろう、長期的な方向を見失わないで、ファンダメンタル分析で暴落しているタイミングは売られすぎの場合があるから、そういった長期目線エントリー方法を極めた方がいい」 という感じで、もし自分がメンターと相談できた場合、自分の知っているメンターならこういうマインドセットを与えてくれるだろうなと、シュミレーションを行うテクニックとなります。 このテクニックはあれこれ迷って目標への注意力が分散している場合に、よく使っていました。 トレンドを負いたくなる心理回避 トレンドを追い求める本質 何度もお伝えしていますが、人間は群衆行動や市場心理から自分の行動を切り離すことが難しいです。 2002年の論文では、行動ファイナンスの研究者が294の投資信託の新規入金のパフォーマンスを調査した研究で、スポンサーがファンドを選ぶ際に、継続的な良質の成績を持つファンドを選ぶのか、過去の業績を基に宣伝をかけたファンドを選ぶのかを調査した所、 投資信託に投入された新規資金の 39% が、前年に最もパフォーマンスが良かった 10% のファンドに流れ込んでいることが分かったんですね。 つまり、投資の世界で共通認識である「過去の業績は将来の方向性を裏付けるものではない」とあっても、依然として投資家たちは過去の業績を基に投資判断している事が分かります。 過去の業績はチャート上に表示されますが、人間は過去の業績をパターン化して分析する能力に優れており、それを見つけるや否や、そのパターンの妥当性を簡単に信用します。 そのパターンを基に投資判断を行いますが、そのパターンはもう既にチャートに織り込まれていることが多いんですね。 つまり、パターンとして機能する事がなく、ただの軌跡として認識されている可能性が高いんですよ。 はっきり言いますが、私達が市場に対して思っているよりもランダム性が強いです。 また、カルフォルニア大学の研究によると、過去のパフォーマンスに基づいて投資判断を行った場合、他の投資家と比べてパフォーマンスが最も悪い事が分かっています。 反転シグナルを見つける 私達がトレンドを確認したときに、そのトレンドが始まったばかりか、終焉を迎えているのかははっきり言って分かりません。 最悪の場合、高値を掴まされて大きな損失を被るリスクさえあります。 この場合、トレンドに乗ることは考えず、敢えて反転ポイントを探る方が賢明だったりします。 例えば、長期足で上昇トレンドだけれども中期足で下降トレンドだった場合、中期足の反転シグナルを待ってから買いエントリーしたり、上位足レンジ上端付近で、中期足上昇トレンドだった場合、中期足での上位足レンジ付近でレジスタンスを確認して、売りエントリー あくまでも長期足の流れには逆らわずに、中期足、短期足が上位足と同じ方向に向いたタイミングで取引するとリスクリワードもいい値を取れるのでお勧めです。 反転シグナルはこちらのリンクから確認してみて下さい。 トレンド反転を予測する16の方法 逆張りトレード 群集と同じ方向でトレードするのではなく、その反対方向でトレードすることを逆張りと言います。 投資家たちが上昇していくと確信している時は、チャートが勢いをつけて上昇していきますがその場合、需要と供給のバランスが崩れています。 要は、需要ばかりが活性化して、買われすぎているんですね。 しかし、投資という世界は需要と供給のバランスを一定に保とうとする動きがあるので、大抵の場合、平均化される傾向にあります。 つまり、ここで言う逆張りトレードとは、そのバランスの平均化を狙ってのトレードということになります。 19世紀の英国人金融家でロスチャイルド銀行家一族の一員であるネイサン・ロスチャイルドは、 「街に血が流れているときこそ買い時だ」と言ったとされています 。 この真意はともかく、この言葉は市場心理に逆らって賭けることについての重要な真実を明らかにしていると言います。 価格が下落し市場が揺れ動くとき、大胆な逆張り投資は大きな利益を生む可能性があることを肝に名銘じておきましょう。 逆張りトレードする人必見 ハーモニックパターン まとめ 以上で、投資における主要なバイアスの回避テクニックを紹介してきましたが、如何だったでしょうか。 だれでも最低1つの主要なバイアスに苦しめられたのではないかと思います。 実際に私もかなり苦しめられました。 ただこういったテクニックで回避できるんだと知っているか知らないだけで、バイアスに意識できるんですよね。 つまり、デバイアスになっているんです。 常日頃からトレードする方はですね、この回避テクニックと、デバイアステクニックは是非とも自分用にカスタマイズして試してほしいと思います。 それでは今回は以上です。 次回の記事でお会いしましょう。