どうもgive-keyです。 引き続き、VIA理論の各美徳の中にある強みを紹介していきます。 今回は「正義編」となりますが、 なんか正義って言葉を聞くと、いきなり堅苦しく感じますよね。 これは、簡単に言うなら多数に対するコミュニケーションの強みといった方が分かりやすいかもしれません。 前回の「人間性編」というのは1対1に対する強みでしたよね? 1人の人間、動物、物などジャンルを問わず、何か一つに焦点を当てた強みというものを紹介してきましたが、今回の「正義」というのは、チームワークにおける強みだったりとか、全体をまとめるリーダーシップなどと言った、1対多数に有利な強みと言えます。 この強みを持っている人は、社会的に生きやすく、人として慕われやすいといった特徴もありますので、これから一つづつ解説していきます。 参考文献 強みの育て方.ライアン・ミーニック VIA強みテスト Character Strengths and Virtues:A Handbook and Classification. Christopher Peterson. Martin E. P. Seligman 正義の美徳: チームワーク チームワークとは、チームの成功に貢献することをいいます。 例えば、家族だったり、スポーツのチームだったり、それこそ仕事上でのプロジェクトチームもチームと言えると思います。 この強みを持っている事で、自分の周りに対するコミュニティや、特定のグループや人類全体で社会的責任を感じるようになっていきます。 この強みを持っている人は、周りとのコミュニティに対して、一緒に利益や幸福といったものを追求していくための舵取り役になるので、より高い次元の社会的信頼を勝ち取ることが出来ますし、人に対しても肯定的な目線で接することが出来ます。 更には、信頼を勝ち取るとは絆が深まるという事と同義であり、チームで掲げている目標を共有することで、チーム内での存在意義が高まります。 皆さんが想像する理想のリーダーってこういう人を言うのではないのかなと思いますが、誰しもがこの人についていきたいと思わせるようなコミュニケーションをとってくる上司とかいますよね? まさにそんなイメージです。 実はチームというのは7つの役割があるのをご存じでしょうか? RPGでもそれぞれ職業が割り振られてて、担当する分野が違いますよね? 戦士や武道家は火力専門で、前線で本領発揮するし、僧侶や魔法使いは遠距離支援や、前線隊へのサポートなど、パーティにもそれぞれ役割があるように、現実世界のチームにもそれぞれ役割が存在することが分かっています。 この役割を理解して、自分の一番合う役割を見つけて、その役割を果たしていく事で人生の満足度が高まります。 一つ目が「アイデアマン」 これは、物事の新しい側面を見つけ出すのが得意な役割。 二つ目が「情報収集者」 これは、物事を調べるのが得意な役割。 三つ目が「意思決定者」 これは、物事をバシッと決めるのが得意な役割。 四つ目が「実行者」 これは、チームの手足となって実際に行動に移すのが得意な役割。 五つ目が「インフルエンサー」 これは、チーム外の周りに影響を与えるのが得意な役割。 六つ目は「人間関係調整役」 これは、チーム内の関係の潤滑剤として働きかけるのが得意な役割。 最後は「励まし役」 これは、チーム内に影響を与えるのが得意な役割。 これらの7つの役割をチーム内で厳密に決めなくてもいいですが、自分ならどの役割が得意かなと考えることをお勧めします。 自問自答ワーク チームの一員として、一番満足している事、一番難しい事は何か チームであからさまに負担を強いられる場合、どんな気持ちで行動するか チームの一員として頑張った場合、どのように認められて評価されたいか 親子関係、夫婦関係、友人関係といったプライベート内でどうやったらチームワークの強みを活かしていけるか 4つの状況から考える 人間関係 仕事上でもプライベートでもだれかとチームになった場合に、どのようにして一緒に頑張ったら問題を解決していけるのか考えてみる 職場 仕事で自分のチームが直面している作業を吟味して、見逃されている内容や、仲間が苦戦している内容があれば、その中から一つ選んで協力を申し出てみる コミュニティ 毎週自分の市内の地域奉仕プロジェクトでボランティアに参加してみる 自分自身 人生の一つの難題を挙げてみる、そして自分こそが、難題に立ち向かい、新しい考えを生み出し、強みを存分なく発揮していく事ができる最高のパートナーだと考えた時に、ノートに書き出すという形で自分自身と会話を進めていって難題に対して探求していく デメリット プロジェクトが独りよがりになってしまうのは、チームワークが発揮できていない一例となります。 それこそ、自分で作業やプロジェクトを片付けてしまった方が簡単だと思う気持ちが原因です。 確かに気持ちは分からなくもないですが、協力の「力」というのは、努力の「力」なので、協力にはそれ相応の努力が必要になっていきます。 戦国武将の毛利元就が、3人の子息に対して授けたとされる「三子教訓状」にもあるように、1本の矢が容易く折れるが、3本まとめては折れにくいということから、一族の結束は重要だということと説いている通り、個人では限界があり、協力あってこそ、大成することが出来ます。 更に質が悪いのは、スキル不足や自己中心的になって傍観者のポジションをとってしまうこともあります。 そうなればチームワークを発揮できないはおろか、返って邪魔者扱いされるので注意が必要ですし、そういた人の対処法も考えなくてはなりません。 今度はチームワークを発揮しすぎてしまうとデメリットも存在します。 チームワークの出し過ぎにデメリットあるの?って思う方もいらっしゃると思うんですが、実はあります。 それは、人に頼りすぎてしまって、個性がなくなってしまったり、チームメンバーが他の人に対して異論を唱えられなくなってしまったりするんですね。 要は、なんでもかんでも人に頼んでチーム内をガチガチに固めてしまって、裁量権を奪ってしまっているという事です。 集団的思考にも陥りやすく、支持する人が多い意見が一番いい意見だと錯覚すらしてしまいますので、いざという時に全体の方向性が誤った方に向かってしまっても修正が困難になります。 正義の美徳: 公平さ 公平さとは、正当に人を扱う事、感情や偏見に流されずに決断できる強みのことを言います。 この強みを持っている人は、積極的に社会性のある行動をするようになるので、不法行為や不道徳な行為を避ける傾向が強まるほか、自分の行動に責任をもつようになって、人に直接悪影響を与えないようにすることを重視する傾向があります。 社会にとって望ましい行動をとるようになると言った方が簡単かもしれません。 更には、自分を客観視できるので、善悪の判断だったりとか、論理的に考えた後の行動の取捨選択が出来るのも公平さの強みです。 公平さの指向が外だけでなく、自分の内側にも向けられるので、自己認識能力が高くなります。 なので、自分を変なバイアスやヒューリスティックによった偏った目線を持たずに見つめられることが出来るのも強みの一つになります。 自問自答ワーク 職場、家庭、コミュニティで、自分の公平さという強みがどのように発揮されているか 不公平な行動をしたというフィードバックをもらったのはどのような状況で、そのように対処したか 他の人が正当に扱われていないと感じた場合、どんな気持ちになるか 自分の公平さと「人生は公平ではない」という現実と折り合いをどうやって付けているか 4つの行動から考える 人間関係 友人や、家族にもっと公平になれる方法を考えてみる、どれくらい一緒に質の高い時間を過ごせているかを考えて、調整してみる 職場 職場内の人間関係に更に一歩踏み込んで、内向的で引っ込み思案な人にもっと注目し、どんな考えを持っているのか、他の人も巻き込んでバリアフリーな環境を構築してみる コミュニティ 地域での苦情や問題対応の方針と手順が、全ての人に公平になるように努力してみたり、社会正義に関して、メディアに重要な問題について発信したりしてみる 自分自身 自分の健康管理とセルフケアに費やす時間と、人助けに費やす時間を吟味して、自分に公平になってみる、どうすれば自分にとっても他人にとっても公平になれるか考えて、行動を起こしてみる デメリット 公平さが発揮できていないと、決断を下さないといけない場面で自分の感情を優先してしまい、えこひいきしてしまうことがあります。 例えば、経験年数の低い意見を取り入れる事が出来なかったり、自分の血のつながった兄弟や子供を優先してしまったり、周りとの関係がギクシャクしてしまったりと不平、不満を溜めやすい環境を作り上げてしまいます。 だからといって公正無私の態度を強めてしまうと、人の要求が理解できない冷淡な人だとレッテルを貼られることもありますので注意が必要です。 今度は公平さを出し過ぎて「家族と仕事のチーム全員が完璧に幸福を享受できるようにする」などといった実現不可能な目標を立てて向かってしまうと、ストレスや緊張を抱えてしまいます。 この問題として「人によって何が公平で公平じゃないかといた価値観はそれぞれ違う」事に気付けていないせいで、バランスを取ること自体が無謀だという事をしっかりと理解する機会に恵まれません。 また、特定のグループの不正に夢中になってしまったり、大きなグループの利益のために身をゆだねてしまう事もあります。 これは、自分の事を公平に扱っているかを失念している可能性がありますので、この辺りをしっかりと認識しましょう。 正義の美徳: リーダーシップ このVIA強みテストでいうリーダーシップというのは、グループを取りまとめ、ある時は激励し、良好な関係を維持して、目標を達成していけるようにしていく事です。 この強みを持っている事で、社会的に尊敬されて評価されるといった恩恵を授かることが出来ます。 その背景にあるのは、他人の強みを最大限に引き出すことが出来る強みだからです。 あるチームを組んだ時にチームメンバーの強みというものを、「熱意」、「社会的知性」、「好奇心」、「創造性」、「誠実さ」、「自律心」といった性格の強みを活用して、刺激することが出来ます。 更にはそのチームをまとめあげ、その目的を効果的に達成する能力も持ち合わせています。 リーダーシップと聞くと、立場が上だったりとか、直近の上司といったイメージが強いですが、それはあくまでも肩書だけであって、本当に優れたリーダーというのは勝手に人が付いてきます。 なぜかというと、この人について行った方が幸せになるし、自分の人生が大きく変わりそうだと思うからなんですね。 自分の人生が変わりそうと思うというのは、紛れもなく自分の強みを最大限に引き出してくれそうだと確信しているからなんです。 そのためにこの強みを持っている人は感情の安定や、率直さ、善良な社会的知性と良心を持ち合わせている傾向が高いです。 自問自答ワーク 自分のリーダーシップの強みを具体的にどのように表現しているか 人を導いている時はどのような気持ちになるか リーダーとしての効果的な行動と、リーダーであることの醍醐味の違いは何か 今まで経験したリーダーシップの成功と課題は何か どんな強みの要素を使ったら、他の人同士が協力して巨痛の目標に向かうことが出来るか 4つの行動から考える 人間関係 普段、交流のない人たちが集まるファミリーイベントを開催してみる 職場 事業や課題、プロジェクトでリーダーを務めてグループの意見を積極的に募ってみる コミュニティ コミュニティでイベントを企画して、リーダーを務めて、最初から最後までコーディネートしてみる 自分自身 自分をリードし、対策が取れていない自分の課題や、難題、弱点について考えてみる、そこでリーダーシップを発揮して行動計画をまとめてみて、都度達成感を味わってみる デメリット 危険を回避しようとしたり、責任から逃げようとした場合は当然ながらリーダーシップを発揮できません。 自分のその目標に対するモチベーションだったり、準備不足やそもそも興味をもっていないと難しいです。 興味を持っていなかったとしても、最大限のリーダーとしての能力を発揮するためにはどうしたらいいか工夫が必要になってきます。 それこそ、周りの強みを活かした戦略や、自分の持っている強みの使い方の工夫をするだけでもみんなが報われる結果を追い求めるように動くので、戦略的にいうと長期目線になります。 反対にリーダーシップを発揮しすぎている場合、支配的になる傾向が強くなります。 例えば、リーダーであるあなたと、その部下の個性や、考え方がかみ合わなかったり、部下の強みとチームにおける役割に齟齬があったりした場合に、あなたのやり方で物事を通そうとするれば、不満や反抗的な人、逆にその指示しか従わない人が出てきます。 これは、そのチームにとっても最善な結果とは言えません。 まとめ 以上で正義の美徳についての解説を終わりますが、いかがだったでしょうか。 この美徳は向社会的といった分野において必須の強みだったことが分かるかと思います。 私たちは必ず、社会に対して向き合わなくてはならないといた運命にありますが、この社会に対してどうあればいいのか悩むことも多いかと思うんですね。 ただひたすら何も考えず、従うだけの生き方、一方で反骨精神を持って社会に立ち向かう生き方、それこそ社会にとって有益な人間となって内部から変化させていく生き方もある訳です。 どのような生き方も正解も不正解もありませんが、その選択は私たちの唯一の手段な訳です。 もし、高社会的に生きがいを感じるようであれば、この強みを最大限に高めるワークを是非とも行ってくださいね。 さて、次回は「節制の美徳」となります。 これは「勇気の美徳」と対照的で、「勇気の美徳」は必要な時に善い行いをするのが強みで会って、「節制の美徳」というのは悪事や社会的に好ましくないことを抑える強みとなります。 それでは次回の記事でお会いしましょう。 それでは。