どうもgive-keyです。 今回は神経科学の中でも最も効果の高い「怒りの感情」をコントロールするテクニック、 「リアプレイザル」 について解説していこうと思います。 怒りの感情はとても厄介ですよね・・・ 突拍子もないタイミングで相手の発言にカチンときたり、裏切られた時に跳ね上がるような感情の波が押し寄せてきて、短絡的な発言や行動に走って後々後悔したりと、このネガティブな感情はコントロール出来ないというのが、私たちの常識でもありました。 「まあまあ、相手も悪気があって言っている訳じゃないんだから」 「あいつのことなんか気にしなくてもいいよ」 なんて、なだめられたって一度湧き上がった怒りの感情はくすぶったまま、執着心に変わったりします。 ここで、ちょっと視点を変えて質問しますが、 「怒り」ってどうして起こるのでしょうか? どういった条件が揃ったときに「怒り」の感情が誘発されるのか、しっかりと説明できますか? これ、意外と出来ませんよね? 今回は、先ず「怒り」の感情に徹底的に分析し、「怒り」の正体を暴き出した後、 その感情をコントロールする最強のテクニック「リアプレイザル」をご紹介したいと思います。 この「リアプレイザル」をマスターするだけで、実は人間関係すらも、かなり改善されます。 このテクニックをよく使う人の傾向としては、ポジティブな感情が沸き起こるので相手とのコミュニケーションにも率先して取るようになり、親密な関係を気づく傾向がありますし、好意的に接してるので周りからの印象も良いものに改善していくようになります。 それでは、解説していきます。 参考文献 Aaron N. Sell(2011).The recalibrational theory and violent anger Emily M. Zitek(2021)Individuals higher in psychological entitlement respond to bad luck with anger Aaron N. Sell(2017).The grammar of anger: Mapping the computational architecture of a recalibrational emotion Rudy Abi-Habib(2013).The role of Dependency and Self-Criticism in the relationship between anger and depression (Blatt, 2008; Luyten et al., 2012)Personality, psychopathology and health through the lens of interpersonal relatedness and self-definition Brooke G McKenna(2021).When Anger Remains Unspoken: Anger and Accelerated Epigenetic Aging Among Stress-Exposed Black Americans Psychosomatic Medicine (2020).Anger Expression and the Risk of Cardiovascular Disease Among Urban and Rural Japanese Residents: The Circulatory Risk in Communities Study Neil Schneiderman(2005).STRESS AND HEALTH: Psychological, Behavioral, and Biological Determinants Sabine M Staufenbiel(2012).Hair cortisol, stress exposure, and mental health in humans: a systematic review James J. Gross(2015).Handbook of Emotion Regulation, Second Edition Brad J. Bushman(2002).Does Venting Anger Feed or Extinguish the Flame?Catharsis, Rumination, Distraction,Anger, and Aggressive Responding Ryan C Martin(2012).Anger on the internet: the perceived value of rant-sites Gabrielle I. Liverant(2007).Coping and anxiety in college students after the September 11th terrorist attacks 怒りを感じることを科学的に分析 先ずは、怒りとはなにかという事にフォーカスを置いて、解説していきます。 私たちが怒りを感じるときというのは、実は共通している事が6つあります。 そもそものベースとしてある共通事項は、「不公平」を感じた時に怒りを感じるんですね。 2011年のグリフィス大学のアーロン・N・セル准教授によれば、 「怒り」の感情というのは「公平な対応をして欲しい」というニーズを満たすための交渉術として進化したと考えられているんですね。 これを「怒りのリキャリブレーショナル理論」と呼ばれています。 つまり、自分の期待と相手が自分に対して与えてくれる物の歪みやズレを修正するための交渉術が「怒り」なんです。 この歪みや認知のズレというのは、以下の6つに大体分類されます。 他人から不当な扱いを受けたと感じた時 他人からの不当な扱い、例えば裏切りや、適当な反応をされた時に「自分と他人の間に心理的な距離や温度差」を感じ、その記憶が頭の中で反芻しているパターンです。 こうなってくると、「怒り」が慢性的になり常に自分が絶対に正しいと思い込むことで、怒りのパワーを自分を正当化するためだけに使い、周りと闘い続けるといった負のループに陥るんですね。 この原因は、他人の行動に寛容的になれない性格に多かったりします。 怒りでの成功体験 過去に他人に怒り、支配的な関係を構築した体験が、自分にとってメリットだと学習したパターンです。 こういう人はかなり高圧的で、支配的ですし、怒りを常に交渉術として使用するため対人ストレスをため込みやすく、更に怒りがエスカレートしやすいです。 怒りの感情を抑えがち 普段から小さな怒りを抑えがちな我慢が癖になっている人は、怒りの感情が爆発する傾向が強いです。 「怒りを発散してもいい事ないし、小さな怒りを抑制しよう」と思ったところで、むしろネガティブな感情を増大させることが分かっています。 更には、交感神経の反応が強まることで緊張と不安が増して、偏桃体(感情をコントロールする脳の部位)が活性化してしまいますので、注意が必要です。 自分が努力してきたこと、積み上げてきたことを無駄にされた、又は邪魔された時 例えば、積み木を崩されたり、やっとキレイにした洗面所を一瞬で汚されたり、RPGのゲームしている時に母親がゲーム機のコンセントに引っかけてゲームが止まったりすると、怒りが発動するパターンです。 自分に正当な権利があると考える これの意味として 「自分は幸せを受け取る権利がある」 「他人は自分に好意的である」 「自分の人生は幸運の連続であるはずだ」 みたいな思考に囚われている人の事を「心理的エンタイトルメントが高い」と表現します。 この傾向があると何が起こるかというと 自分が不幸や不運に見舞われると、最初に説明した自分の期待と、外部からの自分に対する正当な報酬の認知にずれが生じ、怒りを発揮するパターンです。 これは、あくまでも自分に起きる不運なので、他人の不幸については同情心を持つことはありません。 何かしらの疾患が原因 慢性的に発動する怒りは、 間欠性爆発性障害(急に前触れもなく怒りや感情の爆発が起こる障害) 双極性障害(躁状態と鬱状態を繰り返す障害) 境界性パーソナリティ障害(感情の波が極めて不安定で、極端な判断や、自己アイデンティティの混乱を抱える) といった障害では、感情の起伏が激しく怒りが常に発動するパターンです。 こういった場合は、専門医師の指示に従ってください。 人は何に怒っているのか科学的に分析 次は、私たちがどんな対象に向かって「怒り」を感じているのかを深堀りしていきます。 先程は「怒り」が発生する理由を探り、今度はその理由の基となる対象について何なの?っていう所にポイントを置いて、解説していきます。 厚生トレードオフレシオ(WTR) 厚生トレードオフレシオとは「Welfare Trade-off Ratio」といって、「他人が自分の厚生水準を自身と比較したときにどれだけ評価しているかの比」であり、言い換えるなら、 「自分が誰かに与える価値の量」と「他人が自分に与えてくれる価値の量」の比率のことを指します。 例えば、恋愛とかでもよくあるのが、男女関係のポピュラーな喧嘩ですよね。 「私は彼氏にこれほどまでに尽くしているのに、彼氏はなにもしてくれない」 「何度もアプローチしているのに、まったく振り向いてくれいない」 「子育てで毎日自分の時間取れないくらい忙しいのに、旦那は会社の飲み会で陽気に酔っぱらって帰ってくるし、休みの日はゆっくり寝ていてイライラする」 などといった具合です。 つまり、自分が相手に福祉できる水準と、相手が自分に福祉できる水準のバランスを崩すと、崩された側は「怒り」を覚えるという事です。 ただ、この厚生水準は人によって大きく異なるので、人によっては厚生トレードレシオも大きくなることもあり、「怒り」のレベルはかなり違ってきます。 ここでは「自分が他人に対してどれだけ期待しているのか、求めているのか」というのを客観的に把握することは、比率の差を埋める意味でもかなり重要になってきます。 集団メリットの毀損 人間は元々、群れで生活していた名残もあって、団体生活に特化した生存本能が予め刻まれているため、社会的にも適用しやすい動物とも言えます。 よって、そのグループの利益を願う傾向があるため、そのグループを1個人として扱います。 ここに他人がそのグループの利益を損なうような行動をすると、それに対して「怒り」を発揮するんですね。 例えば、推しのアイドルのコミュニティに対して、そのアイドルのアンチコメントをしてしまったらどうなるか、もうお分かりかと思います。 その瞬間に人として扱われるだけでなく、報復すらも受ける可能性があるといった、一人一人の「怒り」が起爆剤となって、最悪の場合、危険思想にまで発展する恐れがあります。 これは俗に人間の共感能力が引き起こしている現象です。 物への怒り 人は物に対しても愛着が湧く傾向があり、その物に対して、人に抱く期待と同等のレベルを求める性質を持っています。 例えば、急いで判断しないといけない時に、電子処理で正確な答えを導き出すコンピューターや、現代で言えばスマホだったりしますが、この時に操作性が悪くて回答までに時間がかかったり、的外れな回答を導き出した時に「怒り」を覚えます。 自己批判 自己批判がヒートアップすると、その感情は「怒り」となって自分を苦しめることが分かっています。 自己批判的な人というのは、他人に対して競争的で、敵対的、両義的であると言われます。 簡単に言うなら、自己批判的な人は自分の欠点や誤りを認めたくない事象がある一方で、建設的にどのように解決させるかの解決アプローチを行なっています。 この自己批判が過ぎる人は、相手に対しても批判的になると同時に、自己に対しても批判的になり「怒り」を発動させるんですね。 関係性が遠い他人への怒り 私たちがメディアで目の辺りにする政治家、犯罪者、モラルが欠如したYoutuberなど、心理的に遠い他人に対して「怒り」が発動することがあります。 この心理の背景は 「あいつの行動で、ある集団の幸福、平穏、自由が奪われている」 と感じる事で、厚生トレードオフレシオのバランスが崩れている訳です。 自分は、自分の人生の為に困難を乗り越えて生活して必死に生きている一方で、なにも考えずに自分の利益を追求する姿は、言わずもがな「怒り」を発動するのに十分な条件です。 怒りを抑制することは相当なリスクを負う 実は、「怒り」を感じた時に一番してはいけない事があります。 それは、「抑制すること」です。 2020年のPsychosomatic Medicine誌の一部を抜粋すると、 怒りの表現と心疾患の相関性を調べた研究で、都会と農村地域に住む40歳から79歳までの5936人を対象に怒りに対するアンケートに答えてもらいました。 結果なにが分かったかと言うと、 都会に住んでいる人は、田舎に住んでいる人に比べて心疾患になるリスクが高いという事が分かりました。 心筋梗塞や脳卒中になるリスクが、なんと2.9倍も高かったんですね。 研究者曰く、都会に住んでいる人の方が、日常的にストレスを感じやすく、人との関りも少ないからだと指摘しています。 また、2021年の研究とかを見てみると、世界問題である人種差別に起因するストレスイベントと、生物学的加齢の関連性を調査した結果、 怒りを内にため込んでいた被験者の老化の加速が、増加していたことが分かっています。 更には、怒りを抑え込む習慣が、継続的である場合に、慢性的ストレスとして私たちの健康に大きな影響を与える事が分かっています。 例えば2005年の急性ストレスと慢性ストレスについて調査した研究によると、慢性ストレスに曝されている被験者は以下の精神疾患や、身体的疾患を引き起こすリスクがあります。 鬱病・不安障害 睡眠障害 過食症 高血圧 免疫力の低下 冠状動脈性心疾患 動脈硬化 呼吸器疾患 肥満・脂肪肝 以上のことから、「怒りを抑制する」ことはかなりのリスクを伴うことが分かると思います。 「争うの面倒だし、自分が我慢すればいい話だし、丸く収まるでしょ」 って結構考えたりしちゃうんですが、実は丸く収まる所か、自分の死亡リスクを上げていたんですね。 怒りを外に出しすぎると逆効果 抑制するのがリスクあるなら、怒りを発散すればいいんじゃね?っと思いがちなんですが、これも有効な手段とは言えません。 多くの人は、ストレスやうっぷんが溜まってくると友達とかSNSで愚痴やおしゃべりをして、不満を発散させます。 ですが、こういった俗に言う「ガス抜き」は効果がないばかりか、逆にネガティブな感情を悪化させることがあります。 元々、この「ガス抜き」というテクニックは、精神分析学の始祖とも言えるジークムント・フロイトのカタルシス仮説を提唱したところから始まっています。 要は「怒りが爆発する前に定期的に小出しをするといい」というのが、後の研究によって間違っているという事が明らかになってきているとの事です。 例えば、男子不大学生90人を怒らせた後に、その怒りを吐き出させて攻撃性が低下するかどうかの実験では、気分が穏やかになるどころか、むしろ攻撃性が増すことが分かりました。 また、600人の学生を対象にした2002年の研究では、2つのグループに分けてお互いの論文を徹底的に批判する実験で、後にサンドバックを殴るように指示したグループと、殴らなかったグループに分けました。 結果、サンドバックを殴ったグループは、そうではないグループと比べて、批判する内容が更に攻撃的になっていることが明らかになっています。 研究者はこう指摘しています。 『怒りを発散させるのは、火を消そうとガソリンをかけるようなものだ』 更に、不安感といった感情すらも増幅させることも分かっています。 178人の大学生に、アメリカ同時多発テロ事件(2022.9.11)から2カ月後、4か月後の2回に分けてアンケートを取った2007年の研究では、不安と吐露する人はそうではない人に比べて、4か月後の不安感が50%も強い事が分かりました。 補足として、インターネット上に暴言を投稿する人に関する2012年の調査でも、暴言を投稿した人の感情は一時的にリラックスするものの、そうではない人に比べると怒りを感じやすく、攻撃性が増している事が分かっており、その暴言の投稿を読んだだけでも気分のネガティブな影響を与えています。 脳科学の研究者はこう説明しています。 You can think of our brain circuitry like hiking trails. The ones that get a lot of traffic get smoother and wider, with brush stomped down and pushed back. The neural pathways that sit fallow grow over, becoming less likely to be used. Kindergarten teachers are thus spot on when they say, “The thoughts you water are the ones that grow.” This is also true for emotions, like resentment, and the ways we respond to them, like venting. The more we vent, the more likely we are to vent in the future. つまり、怒りや不安を発散させることによって、脳はその感情に関連する部分を学習しているのではないかと。 不安や、怒りを感じてもその感情を無視してしまえば、その感情に関する脳神経はそれ以上活性化はしません。 しかし、繰り返しその感情を発散さえる事でネガティブに特化した脳神経が活性化し、脳はよりそうした感情を感じやすくなっているのではないか。 という事なんですね。 怒りのコントロール さて、怒りを抑えてもダメだし、発散してもダメとなればどうしたらいいのか… なす術が無いように思いますが、一つだけ方法があります。 「反応にフォーカスした感情調整」をするのではなく、「前提にフォーカスした感情調整」 が、最も怒りのコントロールにおいて絶大な効果を発揮することが分かりました。 これを「エモーショナル・レギュレーション」と言います。 この考え方は、感情は抑える物では無く、自分なりの捉え方に調節するんですけど、その感情の味わい方だったりとか、解釈の拡大をして自分なりの感情の受け止め方というのを再調整する方法なんですよ。 このセルフレギュレーションは、3つありますのでこれからご紹介しますね。 これを使えるようになると、めっちゃ人生が楽になるのでオススメです。 この続きを読むにはスタンダード会員の登録が必要です 感情の開示 先ず一つ目のテクニックは「感情の開示」です。 これは、過去の逆境体験について話すことが精神的・身体的な健康にいい影響を与えるという考えに基づいています。 つまり、個人的な過去の経験について、その時の感情を言葉にしていくことが幸福感を上げる事が出来るんですね。 例えば、過去に「辛い失恋をしてトラウマレベルで引きづっている」という経験を思い出した時に、嫌な気持ちになると思いますが、ここで、その感情に細かく言葉を付け足していきます。 「あの失恋の事を思い出すと、二度と恋愛なんてしたくないって思えるな」 「その感情って具体的な言葉にすると何だろう、恐怖かな、復讐かな、自分への戒めかな」 「恐怖だとしたら、何に恐怖を抱いているのかな、人を信じる事に恐怖を抱いているのかも」 「人を信じる事に恐怖を抱いているというのは、自分にとってどの位の恐怖レベル何だろうか、崖から下をを見下ろした時の恐怖を100としたら、40位かも 恐怖レベルが100だと死を認識して足が震えているけど、40だったら、OTL←こんな感じで涙を流す程度だしな」 「好きだった人に裏切られた事実が、復讐という気持ちにもさせているのかな、この復讐を色で例えると深紅色かな」 「黒と赤が混じっているという事は、爆発したい気持ちと暗いネガティブな感情が自分が感じる復讐という気持ちに存在しているのか」 「自分の戒めというのは、何を戒めたいのか、 今までそんな相手に使ってきた時間とお金が無駄だったことを後悔しているのかな」 「この後悔はどういった形で自分の中で戒めとしているのだろうか 自分の中でしっかりと相手を見定めてからでないとまた時間とお金を無駄にするからか」 「ということは、自分の中でこの経験というのは学びが多かったイベントなのか 人を信じる事への恐怖と、裏切られた時の感情は深紅色で暗い感情と爆発したい感情が入り混じっていて、二度と無駄な時間やお金を使いたくないから、自分への戒めとしてしっかりと相手を見定める という事を考えさせられたな」 「これをダンスで置き換えたら、KPOPダンスかな、BGMは暗めの雰囲気に力強さのあるやつかな」 といった感じで、過去の体験に対して色んな角度から表現方法を細かく表しているのが分かりますか? この「感情の開示」のコツとして3つあります。 言葉での表現 これは、先ほどの開示の中でよく見られるもので、感情を的確に言葉で表現することです。 この経験を通して湧き上がる感情は、言葉で表現するならどんなものなのかという事を見つけて表現していきます。 身体言語 身体のしぐさや、表情を表現する方法です。 例の文でもありますが、恐怖レベルに置き換えた時に起きる体の反応はどの程度なのかという事を書いていますよね? このように、身体表現なら今回のトラウマレベルはどの位置にいて、身体の表現はどのような物なのかを考えてみましょう。 アートやクリエイティブな表現 この場合は、色で例えたり、音楽、ダンス、絵画などに例えてみる事です。 これは、感情を言語化するのが苦手な方にはオススメです。 今回で言えば、復讐の感情に色を付けるとしたら「深紅色」でしたし、そこから「赤」と「黒」についての感情を表現しても勿論構いません。 また、その失恋経験で受けた感情をダンスで表現するならどういった物なのか、音楽ならどんな音楽なのかを考えてみるのもいいですし、実際に表現してもいいので、その感情に合った音楽がハッキリしているなら、その音楽を実際に聞いてみるといいです。 こういった形で「感情の開示」を行う事で、上手に感情と距離が置けるので是非やってみて下さいね。 因みにこのテクニックは仕事上でよくやる「感情労働」にも効果的なんですよね。 「感情労働」っていうのは、相手を立てるために思ってもいない事を言って場の空気や、社会的な繋がりを強固にしようとする労働です。 よくあの営業とかで顧客先に 「この商品は素晴らしいので、是非ともお勧めしたいんですよ。お客様の今の現状であれば、このプランがオススメなんですが、恐らく料金の事とか、お互いの信頼もありますので一つグレードの低いプランを提供させて欲しいんですね。お客様はリテラシーも高く、聡明な方だと思いましたので、私たちの利益を追求しようとする行為は得策ではないと判断いたしました。先ずは信頼して頂きたいと思って、心理的な背景も包み隠さずお話いたします。」 この感情労働者はストレスを抱え込みやすいので、こういった場合は感情労働している時の感情を、後から感情開示することが適切なケアのアプローチ法とも言われています。 感情ラベリング これは、感情を言葉にするだけのテクニックです。 感情を言葉にするって結構大事なんですよね。 例えば、相手から心無い批判を受けたとしますよね?? 「お前のブログはセンスねーな」とか言われると 『はぁ?なんなのこいつ、威張りやがってムカつくな』 って思うんですが、ここにラベルを沢山付けていきます。 例で言えば 「むしゃくしゃしている」「頭に血が上ってる」「癇に障る」「憤怒している」「腹が立っている」「頭にくる」「怒りが込み上げてくる」「癪だな」「虫唾が走る」「腹立しい」 こんな感じで、感情のラベリングをしてみて下さい。 大体10個程度でいんですが、もっと付けられるよって方は何個付けてもいいです。 そうする事で、いろんな感情の表現が出来る事で感情に飲み込まれなくなるので、ふとした瞬間にラベリングをすると効果があります。 勿論、身体の反応をラベリングしてもいいんですよね。 「右足が小刻みに動く」「両手の拳にして握りしめている」「舌打ちをこれまでに10回している」 とかでも効果はあったので、やってみて下さい。 リアプレイザル:認知の再評価 いよいよ、最強の感情コントロールの王様、「リアプレイザル」について解説していきたいと思います。 リアプレイザルとは正式名称(Cognitive Reappraisal)と言って、目の前に起きたイベントを再構築、再解釈して、感情を変えるテクニックです。 つまり、自分にとって不都合なことを、チャンスと捉えることとして起こったイベントの属性を再評価するテクニックとも言えます。 例えば、電車通勤の際に、満員電車になったとしますよね? 満員電車で晒されるストレスは、戦闘機パイロットが晒されるストレスよりも高いと言われているんですが、この違いは「現状をどうにかすることができるかどうか」の違いだそうです。 ここにリアプレイザルを発揮するならば、満員電車でパーソナルスペースを侵食されている状況の中で 「意識が外部に飛びやすいとしたら、今この瞬間に注意を向ける瞑想をすることというのは有効的な練習環境ではないか!」 と、再評価することが出来ます。 どうですか? 結構使えるテクニックだと思いませんか? これマスターしたらホントにどんな状況でもストレスを感じなくなります。 更に例を出すなら 「会社で飲みたくもない上司と飲む羽目になった、この時間があれば、家で自分の時間使えるのに…」 といった状況でも、 「会計が割り勘、上司の自慢話とか自分が考えうる最低な上司を想定してみて、これに8割当てはまったらこれからの関係を一切関わらないようにしようみたいなゲームしようかな」 とか、 「これは自分が担当する顧客相手だと思って自分のスキルを試す機会だ、どれだけ相手を気持ちよくさせるかだけを考えて接待してみよう」 とかであれば、全然ストレスは溜まらないし、楽しいんですよね。 因みに私は2つとも試しました(笑) ここに+αで、相手を否定せずに自分の意見をバンバン伝えてました。 これは、2重の意味で「自己満足感を満たしたい上司は、発言する部下を嫌う傾向にあるから、二度と呼ばれない事を期待する」のと、「そういった上司に好かれても自分の人生の中で不必要である、だったら自分が思う仕事の熱意をぶつけた方が、個人的に満足感が高い」といった理由も勿論あります。 そもそも人に忖度できる性格ではないため、これは簡単にできました。 人によってはそれが出来ない環境もあるため、簡単なリアプレイザルは 「この上司はただ自分に自信が無くてこうやって部下を連れ出しては武勇伝を語っているんだな」 「恐らく、少なからず周りの目を気にしているという事はその上司の更に上層部の評判にも人一倍気を張っているだろうし、あまりいい評価を得ていないという事も自覚しているんだろう」 と想像するだけでも、感情の波は一気に収まっていきます。 このリアプレイザルは本当に優秀で、FXのトレードとかでも有効的だったんですよ。 よく怒りを覚えるのは、自分のシナリオ通りにいかないで、損切りを約定された後に狙っていた方向に伸びていくパターンでした。 ここでもリアプレイザルを使えば 「狙っていた方向が間違っていなかったということは、環境認識は間違っていなかった」 「何が間違っていたかと言えば、エントリータイミングと損切りラインの置く場所だった」 「このチャートの動きをした意味があるはず、今後の課題はその意味の答えを導き出すためのヒントをくれた」 「言わば、これから月500万稼ぐためにヒントをくれた受講料だ」 と、思うだけでも感情に飲み込まれなくなるんですね。 結局、追い詰められた時にこそチャンスはあるんですよね。 成長マインドセットの考え方には、成功は茨の道にしか存在しないし、そこに足を踏み入れられるかどうかなんです。 ただ、人間ですからストレスに耐え切れず逃げ出したい気持ちや、諦めたい気持ちにどうしてもなっちゃうんですよ。 そこで、リアプレイザルを出来るかどうかが分かれ道なんです。 因みにリアプレイザルの使用頻度が低いと、本来の効果を得られないので、常に、 「リアプレイザルが出来ない場面は無いか」 を探すくらいの前のめり感が大事です。 人生を変えるために必要なテクニックを5つ選ぶとしたら何を選びますか?と問われたら 間違いなく「リアプレイザル」を選ぶくらいに、このテクニックになれる事を強くお勧めします。 これを、部下とかの相談に使うと、信頼関係にも繋がります。 人間関係の煩わしさにもリアプレイザルをすることによって、人と接するメリットという物も見出せますし、積極的な介入は人との信頼関係を構築するんですね。 それこそ、部下に相談を受けた時に、 「まあまあ、そんなのいつものことだろ」 「そんな事考えても無駄じゃない?」 ってまさか答えてませんよね?? これやったら信頼関係ぶっ壊れるんで。 そうではなくて、一緒にその問題をリアプレイザルするんですよ。 「そういう悩みがあるんだね? 確かになんともし難い問題ではあるな…一つの意見としてさ、今が〇〇なら△△といった捉え方も出来るんじゃないかな? これについてどう思う?」 こう言って励ましの言葉にもなるんですよね。 家庭環境でも同じことが言えます。 妻若しくは夫と関係が上手くいかないとかだったら 「上手くいかないと思っているというのは、自分が相手に何かを期待しているということ」 「期待するのではなくて、一緒に改善する方法が無いか話し合う」 「先ずはこうして欲しい事を要望するのではなく、して欲しくない事、したくない事をお互いに認識をすり合わせる」 「その中で、フォロー出来るところ、出来ないところを見つけて補う事を考えてみる」 「そうすれば、自分がしたくない事を補う形で生活することで普段のストレスが軽減される」 といったリアプレイザルでもいいですしね。 このリアプレイザルは、如何に困難な状況で、マインドレスな状態にならざるえお負えない状況でも、都合よく自分にとってプラスになるように再構築するテクニックでもあるので、漢としてはかなりモテますしね。 だって、常にイライラしている男なんて余裕なさ過ぎて器小さくないですか? 常に困難を楽しんでいるかのような、困難に真正面に立ち向かっているように見えるんですよね。 私は、そういった人を見てきてますが、やっぱカッコいいんですよね。 なんていうか、この人なら何とかしてくれるって思わさせられる風格があるんですよ。 まあ、是非ともね、このリアプレイザルは慣れて下さい。 まとめ ということで、今回の最強の怒りコントロール術の王様 リアプレイザルを学ぶことでモテるようになるでした。 というのは冗談ですが、いかがだったでしょうか。 そんなに難しいテクニックではなかったと思います。 結局慣れなんで、困難に直面したり、怒りの感情が湧き出そうになたら、ひたすらリアプレイザルだとつぶやいて下さい。 どうしても、最初は飲まれそうになるので、感情ラベリングで沢山のラベルを付けた後に、リアプレイザルを行うと結構スムーズに進むので、よかったら試してみて下さいね。 それでは、今回は以上です。 次の記事でお会いしましょう。 それでは。