どうもgive-keyです。
近年、サプリメント市場において注目を集めている成分「クレアチン」ですが、 多くの人が筋力アップやパフォーマンス向上のために利用しています。
そもそも何故、筋力トレーニング時に必要かと言いますと、人間の筋肉はクレアチンを使ってATP(アデノシン三リン酸)という細胞の機能を働かせるのに必要不可欠なエネルギー源を作ることが出来るからなんですよね。
クレアチンを摂取しておくと、このATPが作られるおかげで、筋肉細胞はより多くのエネルギーを生成を可能としていて、激しい運動が出来たりと身体機能が高められるわけです。
そんなクレアチンも、実は脳の中にも存在していることが明らかになりました。
つまりクレアチンを摂取することで、脳の中のクレアチン濃度も上昇するのではないかといった疑問が浮上することになります。
脳の機能にもクレアチンが関係しているとすれば、クレアチン摂取によって脳機能が向上するのか、そうではないのか気になる所だと思います。
それではこの優秀なクレアチンについて紹介していきます。
参考文献
Richard B Kreider(2003).Effects of creatine supplementation on performance and training adaptations
Brent M. Kious(2019).Creatine for the Treatment of Depression
Abbie E Smith-Ryan(2021).Creatine Supplementation in Women’s Health: A Lifespan Perspective
「クレアチン」とは何か?
クレアチンは、アミノ酸の一種であり、3種類のアミノ酸から肝臓で合成される物質です。
アルギニン、グリシン、メチオシンの3つのアミノ酸から合成されて、1-メチルグアニジノ酢酸(あるいはメチルグリコシアミン)が正式名称となるタンパク質の一種なんですね。
冒頭でも説明した通り、筋肉のエネルギーを補助してくれるクレアチンですが、細かく言うと、95%が骨格筋に存在しています。
どうやって筋肉の運動パフォーマンスを向上させているのかというと、
僕達の筋肉が力を発揮する時、つまり筋肉が収縮する時にATP(アデノシン三リン酸)がADP(アデノ二リン酸)に分解される時に放出されるエネルギーを利用しています。
ただ、どうしても体内のATPには限りがあるので、更に筋肉の運動パフォーマンスを維持するためにはATPを再合成する必要がありますよね。
そのATPを再合成に必要な物質の一つが「クレアチンリン酸」です。
クレアチンリン酸は肝臓や、腎臓、膵臓から合成されますが、この「クレアチンリン酸」はクレアチンとリン酸が結合してリン酸化したものです。
そしてこのクレアチンリン酸がADPと反応することでATPが再合成されるという事です。
こんなクレアチンですが、結論から言うと脳にも存在しているということが分かっていて、体格の差はありますけどクレアチンを摂取しておくと脳のクレアチン濃度が上昇したという研究があります。
1999年の研究では比較的若い被験者に対し、4 週間、1 日 4 回 5 g のクレアチン一水和物を経口摂取したところ、総クレアチン濃度が統計的に優位に増加したとあります。
基本的にタンパク質は脳の血液脳関門(脳のバリア機能)によって通過させることはありませんが、このクレアチンについてはそれを通過できることを明らかに示しています。
ただこんなに有能なクレアチンだけど安全なの?
といた疑問も出てくるかと思うので結論から言うと「問題なし」という事です。
2020年の研究を見ても、週 3 回筋力トレーニングを行う男性 18 名に、7 日間、1 日あたり 0.3 g/kg のクレアチンモノハイドレードを補給し、ブドウ糖を補給した対照群と比較しました。補給前と補給後 30 日目に血液と尿のサンプルを採取し、41 の生化学的パラメータと腎機能を評価しました。
結果何が分かったかというと、赤血球パラメータ、白血球プロファイル、血中脂質プロファイル、代謝マーカーおよび尿マーカー、肝臓機能および腎臓機能の変化は観察され無かったそうです。
つまり、クレアチンを補給したグループは有害事象を引き起こさなかったんですね。
クレアチンの4つの効果
運動機能が10%~15%上昇
2003年の研究を見てみると、クレアチンを一日20g摂取しているグループとそうではないグループを比較すると、クレアチンを摂取しているグループは運動能力が10%~15%も向上したという事が分かっています。
特に短期的な高強度負荷トレーニングにおいては最も効果を発揮しますが、長期的な運動においては優位性は見られなかったそうです。
この研究ではジャンプ、スプリント(短距離全力疾走)を対象にしているもので、短期的な運動にはクレアチンが一般的に効果の高いサプリメントだと言います。
鬱病の改善
2019年の研究を見てみると、脳内クレアチンとクレアチンリン酸の代謝が鬱病によって変化する事から、抗うつ治療剤として有望であることを示唆するものであり、一般的に市販されているクレアチンモノハイドレードを1日20g、一カ月間摂取すると、脳内のクレアチン濃度が灰白質で4.7%、大脳白質で11.5%も増加する事が分かたんですね。
つまり、脳内の代謝障害におけるうつ病や、不安症、PTSDはクレアチンを摂取することで脳内のエネルギーレベルを引き上げる事になり、抗うつ治療剤として有益である可能性を示唆されています。
認知機能の向上
2022年のメタ分析を見てみると、クレアチンの補給によって脳内のクレアチン濃度が増加し、記憶力が向上する事が分かっています。
健康な人の記憶力の指標に対するクレアチン摂取とプラセボの効果を比較した研究を集めて、8件は若年成人を対象にした研究と、2件の高齢者を対象にした研究をメタ分析してみると、
クレアチン摂取においてプラセボ効果よりも実際に記憶力が改善されました。
また、高齢者(66歳~76歳)は若年者(11歳~31歳)と比較してより効果を得られたことが分かっています。
更にクレアチンの量はというと、一日2.2~20g、摂取の期間は5日~24週のデータであり、性別に違いは無いようです。
ただし、この認知機能の向上に関してはかなり限定的で、健康的で普段から肉を摂取している人にはあまり効果が無かったそうです。
よってこの認知機能を向上させやすい人の条件として
- ストレスが多い人
- 高齢者の人
- ベジタリアンやヴィーガンの人
に対しては認知機能の向上効果が期待できるとされています。
アンチエイジング
そもそもクレアチンには潜在的な抗酸化作用と抗炎症物質として機能するとして、エネルギーとは関係ない特性を示しています。
2001年の研究を見ると、クレアチンの分子内にあるグアニジン基が抗糖化作用をもたらしてくれるそうなんですね。
老化の原因とも言えるAGEs[終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)]の発生を防いでくれるんですよ。
このAGEsはタンパク質と糖が熱で結合した成分で、ホットケーキのきつね色部分がAGEsです。
このAGEsは肌のしわやシミといった美容面に良くなく、血管や脳にもダメージを与えて老化していく原因になります。
よく体が焦げ付くと比喩されることもあるくらいです。
クレアチン補給に関するよくある質問と誤解
冒頭でもさっと触れていますが、ここまで有能なクレアチンは他に類を見ない位です。
そういった有能な側面がある中で副作用にも疑念が向けられると思うんですね。
例えば、
ハゲるのではないか?
太ったりしないのか?
腎臓に負担かかるんじゃないのか?
こういった懸念事項も巷ではよく飛び交っています。
ですが、こういった疑問はノバ・サウスイータン大学などのチームが「クレアチンに関する質問や誤解」の回答エビデンスをまとめてくれたデータがあるので紹介します。
クレアチンは水分保持に繋がるか
クレアチンを飲むと水分が排出されないという情報も見かけますが、これは短期的なケースに留まるようです。
長期的な目線で見れば、筋肉量に対する全身の水分量はほとんど変化しません。
クレアチンはアナボリックステロイドか
クレアチンとアナボリックステロイドは化学構造が全く異なるため、ステロイドに似た効果は引き起こされません。
クレアチンは腎臓損傷/機能障害を引き起こすか
複数の研究を見ても、最大21カ月間の長期間摂取や、推奨される1日5gを継続的に摂取していた場合、健康な人の腎臓には悪影響をもたらさない事が示されています。
クレアチンは脱毛/ハゲを引き起こすか
クレアチンを飲んでも総テストステロン、遊離テストステロン、DHTを増加させることはなく、抜け毛やハゲの原因になることは示されていません。
クレアチンは脱水症状や筋肉のけいれんを引き起こすか
人を対象にした臨床研究や実験研究を見ても、クレアチンが脱水症状や筋肉のけいれんを引き起こすとは考えられていません。
クレアチンは子どもや青少年にとって有害か
クレアチンの安全性に関するエビデンスを見ても、全体的に安全なサプリとして確立しているので無害と考えられます。
むしろ子どもや青少年にとっても恩恵を受けられる可能が示唆されています。
クレアチンは脂肪量を増加させるか
性別、年齢関係なく、クレアチンを飲んでも脂肪量は増加しません。
クレアチンの「ローディングフェーズ」は必要か
これまでの研究を見ても、大量摂取しなくても1日3~5g飲み続けていれば、筋肉内のクレアチン濃度、筋肉のパフォーマンス増加が優位に見られます。
クレアチンは高齢者に有益か
運動とクレアチンを組み合わせた場合、高齢者でも身体のパフォーマンスというのは上昇します。
クレアチンはレジスタンス/パワータイプの活動のみに役立つのか
主にパワー系の種別や耐久系の種別の運動に役立ちますが、その他のあらゆる運動にもメリットになる可能性は高いです。
しかし、長期間の運動に対しては相関性は見られていません。
クレアチンは男性のみに有効か
近年のクレアチンの論文を見ると、女性にも健康維持に役立つことが分かってます。
そもそも女性は体内におけるクレアチン貯蔵量が、男性より70~80%少ない傾向にあります。
よってむしろクレアチン摂取は女性にとって重要な可能性があるんですね。
他の形態のクレアチンはモノハイドレードと同等又はそれ以上か
基本的にはクレアチン・モノハイドレードがベストとされています。
他の代用クレアチンには優れたパフォーマンスを発揮するといった知見は確認されておらず、最も安全で低コストのモノハイドレード一択というのが、現在の科学です。
効果的な摂取方法と注意点
クレアチンを効果的に摂取するためには、適切なタイミングや量を守ることが重要です。
一般的には、筋力トレーニングの後に摂取することで効果が高まるとされています。
また、摂取量は個人差がありますが、1日に3〜5gを目安とすることが推奨されています。
ただし、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、適切な摂取量を守るように注意が必要です。
「クレアチン」は脳機能向上に非常に効果的なサプリメントであることが分かりました。
適切な摂取方法や注意点を守りながら、日常生活に取り入れることで、集中力や記憶力の向上を実感することができるでしょう。
脳の活性化を図りたい方は、ぜひ「クレアチン」の摂取を検討してみてください。
オススメクレアチン



