どうもgive-keyです。
今回はサードパーソン・セルフトークについて解説していきたいと思います。
サードパーソンとは「第三者」を指していて、サードパーソン・セルフトークとは「第三者視点独り言」という意味になります。
例えば、 私がイライラしている状況になった時に
「くそ!なんで俺はこんなにイライラしてるんだ…損切りばっかり合うし」
これは一人称の独り言なの分かりますか?
サードパーソン・セルフトークでは、 「なんでgive-keyさんはこんなに目に見えてイライラしているんだろう?」 となります。
つまり、自分の感情に対して第三者目線で描写するのがサードパーソン・セルフトークです。
そもそも自分との対話というのは、いい面も悪い面もありまして、 良い面で言えば、困難な局面でどうにか自分の力で進まなくちゃいけない時、 特に何かの発表の本番だったり、あるプロジェクトのリーダーに選定されて責任を全うしなくてはならない局面だったりとかにかなり有効ですが、
逆に鬱の傾向がある方では反芻思考に陥ってしまってネガティブな感情から抜け出せなくなってしまいます。
だからこそ、適当にセルフトークをやってしまうと下手をすれば反芻状態に陥る可能性もあるので、正しい知識を身につけましょうというのが、今回のテーマになります。
参考文献
Creating Positive Self-Talk to Abate Anxiety and Depression
How to Have Better Conversations with Yourself
3 Types of Soothing Self-Talk for Anxiety
サードパーソン・セルフトーク
では具体的にどういった場面で使えるのか解説していきますが、基本的にはストレスや不安を感じる局面だとか、自分のメンタル改善とかに有効です。
例えば、子育てにも有効ですよね。
子育てはかなりのストレスを抱えるイベントですし、カッとなって後悔したことは何回もあるのではないかと思います。
そういう時こそ、イライラして爆発する前に
「なんで、私はこんなにイライラして子供に対してキツく当たっちゃうんだろう」ではなく、
「なんで、彼女(あの人または自分の名前にさん付けでもOK)はあんなにイライラしているんだろう」
と考えてあげることで、自分とそのイライラしている自分が切り離されているのが分かると思います。
この切り離しが大事なんですね。
また投資でも
「また損切りにあった…くそ!イライラするな。」という気持ちになったことありますよね?
ここではその緊張とかストレスを切り離すために、
「彼(あの人)またイライラしているみたいですね、損切りにあったみたいですよ」
と自分に問いかけてみて下さい。
そうすることで、感情的にトレードすることを防いでくれます。
サードパーソン・セルフトークのメリット
セルフトークの中で基本中の基本とも言えるサードパーソン・テクニックにはちゃんと使えば有益なメリットの恩恵を受ける事が出来ます。
そのメリットをいくつか紹介していきます。
ストレス耐性が向上する
オハイオ州立大学で行った研究によると、37人の男女に「普通の画像」と「不快感を煽る画像」を見てもらうように指示しました。
その際に研究者は
- 普通の独り言で画像に反応する
- サードパーソン・セルフトーク
の2つの方法で反応してもらい、脳波を測定して比較しました。
そこで何が分かったかというと、サードパーソン・セルフトークを行なった時の脳波の方が平均1秒以内で興奮状態が収まったんですね。
要は一瞬ですから、結構すごいですよね。
つまり、普段生きている生活でなんか嫌なことがあると囚われやすくなりがちなのが、このサードパーソン・セルフトーク、一人称を三人称に変えるだけで、ストレスに囚われるのを防いでくれるという事なんですね。
認知機能の負担の低下
もう一つの実験では、被験者に「嫌な体験」を思い出してもらうように指示しました。
ここでも研究者は
- 一人称で過去の体験を思い出す
- 三人称で過去の体験を思い出す
この2つに分けて、全員にfMRIにかけさせました。
具体的にどういう風に思い出させたかというと、一人称では
「僕が1年前に出会った〇〇って男が、初対面で悪口を言った来たんだよな」
一方で三人称では
「彼が1年前に出会った〇〇って男が、なんか彼に対して初対面から悪口言ってきたみたいですよ」
という具合です。
ではfMRIにかけて何が分かったかと言いますと、
サードパーソン・セルフトークを行なったグループは内側前頭前野の活動(自分を参照するエリア)が低下して、脳の認知機能の負荷が低減されていたんですね。
つまり、過去の嫌な記憶が蘇ったときとかにこのサードパーソン・セルフトークを行うと、脳の負担が減るので合理的な解決策や、冷静な判断などといったことが可能になる訳です。
簡単に言えば、過去の嫌な出来事を思い出したり、前回の負けトレードとかを思い出した時には、他人事のようにストーリーとして語ればいいです。
不安からの脱却
2014年の秋ごろに米国内にてエボラ出血熱の流行の脅威が高まる中で、エボラ出血熱に対する合理的な推論を導くために、このサードパーソン・セルフトークを使って全米で1257人に対して、一人称での感想と、三人称での感想を求めました。
そこで何が分かったかと言うと、エボラ出血熱の知識もなく、純粋にその名前だけから自分に対する脅威を感じ、不安状態を高いレベルで保持していたグループは、サードパーソン・セルフトークを行なったことで、エボラ出血熱の事実確認を行い、感染の脅威を正しく認知することが出来たそうです。
※因みにおボラ出血熱は致死率が最も高い感染症の一つですが、インフルエンザのように空気感染するものではない
つまり、不安に駆られて正しく状況すらも把握できない状態になった時に、サードパーソン・セルフトークを行うことで、その不安状態から解放されます。
次に紹介するセルフトークは不安に特化した3種類のセルフトークになります。