どうもgive-keyです。
自信に満ち溢れた責任感のある子どもを育てる10の鍵という所で、前回は5つ紹介しました。
今回は後半戦となります。
まだ前回の内容を見ていないという方は、
こちらを確認してみて下さい。
前置きはこれ位にして、早速後半戦に突入していきます。
前回のおさらいですが、5つ紹介したと思うのでその概要に一旦触れていきましょう。
先ず一つ目、子どもに敬意をもって接する
これは、親が支配権を持って接すると、子どもとの心理的距離は段々離れていくので、子どもも私達と同じ感情や発言権を持っているということを念頭において接しましょうという内容でした。
次に二つ目、特権と自由を与えられている事を認識させる
これは、子どもは生まれながらに外部からの支援によって成長することが出来ているという事実を、子どもに理解させるという物です。
そして三つ目、危険行動、破壊行動、自滅行動を辞めさせる
子どもはまだ成長過程で、物事の良し悪しの判断が乏しいため、マナーの欠如や命を脅かす行為、利己的行動等、親を悩ませる行動だらけですが、冒頭にある3つの行動以外を無視して躾ける事で親の負担と子どもの責任感を養う事が出来るというものでした。
四つ目は、適切な行動に報酬を与える
子どもが自分から適切な行動に切り替えた時、又は理解し反省した時等のタイミングで、時期を決めて小さな報酬を予め決めておくと、子どもは能動的にそれを繰り返そうとします。
最後は、問題を自分で解決させるように促す
よく子どもが可愛すぎてなんでも手伝ってしまう親がいますが、これによって、子どもは自分の力では解決する事が出来ないと認知し、受け身の姿勢になって親の力をなんでも享受しようとします。
以上が前回のおさらいでしたね。
中々耳の痛い話ですが、冷静に考えてみると、親としての責任を全うしようとするあまりに、子どもからのアウトプットを蔑ろにしてしまいがちですよね。
善悪の判断を自分のフィルターに通して押し付けてしまう気持ちも親ならではの愛情だったりしますからね。
それでは、後半の部分の解説に移りたいと思います。
ルール作りに子どもの協力を得る
私達、大人が社会に初めて進出した時に、何も分からず立ち往生した記憶はありませんか?
新しい会社に入社したけど、大半の方は一人では何もできなかったと思うんですよね。
ですが、そこに社会のルールがあって初めて自分の行動指針や行動範囲が分かったり、新人教育者の指導の下で様々なルールやガイドラインを確認することで、徐々に自分の進む道やあり方が理解していくと思います。
子どもも例外ではなく、むしろ生きる術も知らないと言った無垢そのものなんですよね。
つまり、子どもよりも賢明で、公平で毅然とした態度のある人によって、ルールやガイドラインを課せられ、自己確立を経ながら成長していく必要があります。
その人物こそ、「父親、母親、養育者」です。
しかし、そういった人物も完璧な人間像ではないことも確かですし、時には子どもの行動をコントロールして自分にとって都合のいいルールを与えてしまいがちです。
実は、子どもはそういった背景を敏感に感じ取っているんですよ。
「私こそがルールだ!」と言わんばかりの態度で接すると、言わずもがな反発してくるのは目に見えるはずです。
例えば
「ゲームは2時間までにしなさい」
これはよくある家庭内のルールですよね。
ですが、子どもからこう言った疑問が飛んでくるのではないでしょうか。
「何で2時間なの?なんで好きなようにゲームをやらせてくれないの?」
実は、子どもは納得する事が出来ないと行動に移すことが出来ません。
2時間という縛りは何なのか、ゲームを好きにやってはいけない理由を理解できていないからです。
この場合、その根拠を明確にするよりもいい方法があります。
それが
子どもと一緒にルール作りをする
というものです。
つまり先程の例を変換させると、こうなります。
「ゲームをしてもいいよ。でも、ママのお願いを聞いてくれるかな?」
「聞く~」
「ありがとう。そしたらやること全部やってからゲームして欲しいんだけどいいかな?」
「でもすぐゲームしたいよ~」
と、あくまでも一例なのでこんなに上手くいくとは限りませんが、親と子どもの間で明確なルールを話し合ってください。
外部からの約束事というのは、当事者意識を保てないのでどうしても関心が薄れてきますから、そうならない様に自分の言葉でどんな約束をしたのかをはっきり口に出させるのがポイントです。
子どもにルールを理解させる
先程も伝えたように親と子の間でルールを決める際に、親側からの要求というのが必ずあるはずです。
子どもからしたら、なんでこんなルールを決められるのかが分からないですよね。
私たちだって、ルールで決まっている事だから仕方ない事だと言われても、腑に落ちないのではないでしょうか。
それと一緒で、解決させて子どもに心からルールを守る必要があると納得させるには、ルールの背景にある親側の要求をしっかりと伝えなければならないという事です。
例えば、ゲームをする時間に何かしらの制限をかけるときは大体、ゲームばかりで夢中になっていると社会に出た時に一人で生きていくのが不安だったり、他にも大事な事を教えてあげたいといったものだったり、子どもにとって利益にならないと感じているからです。
よって、この感情を子どもに伝えてあげて下さい。
「ゲームをすることは反対しないけど、今その目で見えている世界にはゲームよりも素敵な出来事が沢山あります。とてもワクワクして感動して夢中になる出来事がたくさんあります。私はゲームを止めてでもその感動を味わってもらいたいんです。」
「ゲームをやりすぎると、目が見えなくなって折角の素敵な出来事が見えなくなります。その目を治すには沢山お金が必要で、いつハッキリと見えるようになるかは分かりません。」
「ここからは選択できます。ゲームをする時間を決めて、目を休めながら素敵な出来事をその目でみてワクワクするか、ゲームをやり続けて目が見えなくなるかどちらかを選んでください。」
こんな感じで、子どもと話し合ってみて下さい。
ポイントはたった一つです。
子どもと対等な立場で会話をすること
このポイントを意識してみましょう。
しかし、子ども側で決められない事も多々あるので、子どもの意思決定を支援するように子どもの感情を細かく砕きながらアシストしてあげます。
「ゲームはしたいけど、目が見えなくなるのは嫌というんだね。じゃあゲームってなんでそんなにやりたいと思ったの?」
「目が悪くなる理由は、自分で分かってるんじゃない?時々目が痛くなったりすることはある?」
「どうしていいか分からないなら、一旦落ち着くまでお散歩してみよっか?キレイな景色見てたらモヤモヤがどっかいくかもよ?」
子どもは葛藤を受けた時のストレスに慣れていないので、少しずつ感情の糸をほどくように意識してみるといいと思います。
エクササイズ
- 「家のルール」のリストを作成し、それぞれがどのルールに従うべきかを示す(食卓から離れる際の注意、許可を求めること、毎日特定の時間しかテレビを見ないこと、遅くなる場合の連絡)
- 家族とこれらのルールについて話し合う
- 家族に、どのルールが公平だと思うか、どれが不公平だと感じるかを尋ねる、不要だと思うルールや改変・削除すべきルールがあるかを尋ねる、自分たちが成長して適さないと感じるルールは何かを尋ねる
- 守られていない、または避けられているルールを変更するための提案を求める
- 変更を実施する、新しいルールの試行期間を設定する
- 1 週間または 2 週間後(合意された期間)、再び家族を集めて新しいルールについて話し合う
- 異なる年齢の子供たちには異なるルールを設ける(就寝時間、自由時間の量など)子供たちが責任を持つことが増え、ルールの必要がなくなるにつれて、より多くの自由を与えることを強調する
- 子供たちに自分自身のルールを設定することを奨励する(体重を減らしたい場合、1 日に摂取すべきカロリー、何を減らすか、1 か月でどれくらいの体重減を目指すのが現実的かなど)また、学校の宿題の締切が 2 週間後の場合、日ごとに何ページ読めば間に合うかなどを尋ねる
- 子供たちに、夢のために自分の欲望などを犠牲にして夢を叶えさせたロールモデルを例に会話に触れさせる。これらのロールモデルと、短期目標と長期目標、それらを達成するために必要な努力についての会話をする(例:バスケットボールのチームに入りたい場合、シュートの練習やランニング、体力をつけるための夏のトレーニングが必要)
- 自分で習得したい新しいスキルを選ぶ、家族にそのことを話し、行動計画を立てて始めていく過程で支援と応援を求める。
子どもの個性を褒める
7つ目の鍵は、子どもを一個人として扱い、独自性を褒めてあげることです。
人間関係をぶち壊す私達が子どもにやりがちな接し方は、
「誰かと比較して分からせる」
というものです。
他の記事でも説明していますが、相手に惨めな思いをさせたいと思うなら、他の誰かと比較してみるといいでしょう。
「〇〇くんは、もうスポーツ習っているみたいだよ?家に帰ったらゲームばかりしてる△△とは大違いだね」
「学校のみんなは野菜食べられるみたいだけど、食べられないの?」
このように誰かと我が子を比べてしまうと、自分を否定されているような扱いを受けていると認識するので、親子間の信頼関係を崩すし、大半は親が望んでいる結果にはなりません。
子どもの能力を構築してあげる
子どもは、好奇心が旺盛も助長して、創造性を発揮して豊かな作品や、発想を私たちに提示してくれます。
子どもにとってこの行為は、自分のアイデンティティを確立するための行為なんですね。
なのでその成果物や、発想に着眼して反応してあげる必要があります。
よくやりがちなのは
「これを作るのはいいけど後片付け出来る?こんなに散らかして」
「そんなの絶対できないって、やめときな」
勿論、嫌味を言いたくてこのような発言をしている訳ではなく、現実的な視点によってそちらの方に意識が向いてしまっているだけですが、子どもにとってはその言葉が重くのしかかったりする可能性があるんですね。
よって子どもにそんな現実を教えるよりかは、未来に夢があると教えてあげた方が伸び伸びと育ってくれるし、柔軟性や、責任感が養えるかと思います。
子ども達を個々に扱う事は非常に重要です。
子ども当本人を一人の男、女として存在しているということを承認されていると感じさせることは個人としての責任感を芽生えさせる方法でもあるんですね。
間違っても子どもというグループで括って、非難したり、決めつけたりすれば怒らせることがあるので注意が必要です。
学校の場面でもよくあるのが、
授業に集中していないクラスに対して連帯責任のようにクラス全員に指導することは、あまりお勧めしない方法です。
というのも、少なくとも一人は集中している子どもがいるからです。
その子からすれば
と今までの行動に価値を感じられず、パタリと辞めてしまいます。
どうすればいいかというと、
集中している子ども達を見つけて、個々に対してあえて特別扱いしている所を見せつけてあげます。
子どもを成長させるということはその子どもの個性を見つけて、特別感を与えてあげて自己肯定感を高めてあげるということに繋がるからなんですね。
また何か習い事をさせたい場合に気を付けたいポイントがあるので紹介します。
親が子どもにスキルを身に着けるのを助けるポイント
- 子ども達の努力を肯定すること
- 興味に対して全力でサポートすること
- 幅広い経験と多くの選択肢を提供すること
- 新しいスキルを身に着ける機会を提供すること
親が子どもに対してすべきでないポイント
- 子ども達の興味を代わりに満たすこと
- 子どもの行動を正当化するための言い訳を作り上げること
- 圧力をかけたり、比較したり、批判したり、屈辱を与えないこと
- 子どもが楽しんでいないことに失望を示さないこと
- 子ども達の努力を削いだり、壊滅させないこと
それぞれの子供が成長していくための強い意欲を持っていることを覚えておく必要があります。
子供たちが今自分が主人公できることに誇りを感じると、より自分を好きになることができるということを理解することが重要なんですね。
そうすることで自己依存を高めることになり、自尊心を高めることに繋がります。
エクササイズ
子供たちに次のようなことをしないように心がけましょう
- 子供同士を何かで競わせないこと。
- 1人の子供の過ちのためにすべての子供を罰しないこと。
- 兄弟姉妹がお互いの模範でもあるべきだと1人の子供に言わないこと。
- 1人の子供に他の子供に対して一人の責任だとして謝るように言わないこと。
- 年上の子供を年上だからという理由でより多く期待しないこと。
- 子供同士を比較しないこと。
- 子供たちが同じ水準であることを期待しないこと。
意識的な努力をするために次のことをしましょう
- 子供たちが異なる個性があることを期待し、肯定すること。
- 子供たちの異なるニーズに応じて別々に扱うこと。
- 子供たちがそれぞれ異なる分野で優れることを教えてあげること。
- 子供たちに兄弟姉妹について好きな点のリストを作るように促すこと。
- 子供たちが兄弟姉妹との問題について話すことを許し、勧めること。
- 家族全員の間で対話を促進すること。
- 子供が自分だけの楽しい作品を作ることを許可し、奨励すること。
- 子供の適切な行動をしっかり褒めること。
- 協力的な行動を褒めて報いてあげること。
- 毎日それぞれの子供と質の高い時間を過ごすこと。
- 思慮深く、寛大で親切な行動を子供たちの間で強化すること。
子どもの感情を大切に扱う
子ども達も私達と同じように感情を持ち、重要で価値のある存在として認識される必要があり、間違っても屈辱的な感情や、拒絶と言ったネガティブな感情を与えてはなりません。
つまり、これらの感情を見極め子どもに対してどのようにアプローチしていけばいいかを学んでいく必要があります。
私達の感情というのは、無視をしていれば消えるかというとそうではありません。
むしろこの感情というのはとても強力で、簡単に振り回される要因ともなりえるんですね。
例えば、赤ちゃんの泣き声を聞くと私達の中でどうなるのかというと
赤ちゃんの泣き声の中に2,000Hz以上の高い周波数が含まれていて、その周波数を聞くと脳内のストレスホルモンであるコルチゾールや、アドレナリンが放出して、心拍数が向上、血圧が上がるなどの生体反応が引き起こされます。
その結果、イライラ感や焦燥感が生まれることがあるんですね。
これによって、いち早く自分の世話をして欲しいという要求を満たすことができます。
つまり、人を動かすには感情を動かすことが必要で、これを無視するという事は感情を抑え込むと同義となるので、身体的にも心情的にも病気になる可能性があります。
逆説的に相手の感情のニーズを満たさなかった場合、相手の感情を無視している事にもなるんですね。
よって、相手はますます要求が高まって激情しますし、更に不機嫌になるか、あるいは諦めて無気力になり殻に閉じこもってしまいます。
子ども達が自分の感情を表現できるようにサポートする
例えば、ある母親が6か月の赤ちゃんの面倒を見ているとします。
ある日、その母親は赤ちゃんをお風呂に入れるのを終えて、授乳し、おむつを取り替えました。
そのあと、家事をする必要があるので赤ちゃんをベビーベッドに入れて家事に取り掛かります。
約1時間後、赤ちゃんは不機嫌になり泣き始めましたが、その母親は今忙しくて手が離せないし、ほっとけばいつか諦めて寝てくれるだろうと期待して、その鳴き声を無視する事に決めます。
ところが、その期待も虚しく打ち砕かれるかのように泣き声はますます大きくなるし、ずっと続く気がしました。
母親は勝手に抱いた期待を裏切られたという感情と、泣き声によるイライラが我慢できなくなり、赤ちゃんの顔に平手打ちをして
「さっさと黙れ!泣くのをやめろ!」
と言い放つと、赤ちゃんの声は恐怖に変わりました。
母親はハッとして、罪悪感に苛まれすぐに赤ちゃんを抱きかかえて、おむつを取り替えて、寝るまで揺り動かしました。
こんなエピソードですが、多くの母親が共感できるエピソードなのではないでしょうか。
赤ちゃんというのは様々な理由で泣きます。
それこそ、お腹がすいている、喉が渇いている、寂しい、服が濡れて不快、ガスが溜まっている、疲れている、眠たいなど。
よく聞いていると、泣き声にもいろんな声色があったりするんですね。
眠たい時は、甘えたような鳴き声だったり、お腹すいた時は、叫ぶ声のようだったり。
これらは赤ちゃんの最初のコミュニケーションの試みなんですね。
そのコミュニケーションに応える事で、感情を表現する時間を共に過ごし、赤ちゃんとの信頼関係を築き上げていけます。
親が赤ちゃんに触れたり抱きしめたりする程、赤ちゃんはより安心して信頼できる存在として見るようになります。
思春期の子どもはどうでしょうか。
これも同じく思春期の世界を理解しようとしない限り、共に暮らすことは親や家族にとってもかなり不安定で厳しいものになる可能性があります。
多くの思春期真っ最中の子供たちは不機嫌で無関心で、他人を寄せ付けない雰囲気を感じさせますよね。
つまり、これらの態度の理由を理解しようとすれば、子ども達との生活はより安定するはずです。
では、思春期の子供たちはどのような問題を抱えているのでしょうか。
それは大抵の場合、自分自身の問題であることが多いようです。
子ども時代に親からの支援や、外部からの無料提供が中学生活に入ると、異なる子ども達と沢山触れる事によって半ば強制的に捨てなくてはならないからです。
例えば、今まで手を繋いでいたのに、友達から
「ガキっぽい、ダサい、お子ちゃま」
といったレッテルを貼られることによって、捨てないとコミュニティから外されそうといった葛藤に直面するんですね。
そこで、子ども時代からの価値観と中学時代に触れる価値観を選択しなければならなく、どちらかを捨てる意思決定を行っています。
また、成績に応じて他人と自分の能力で競争され、順位という目に見える形で自分の能力を客観的に且つ、現実となって受け止めなくてはならないからです。
要は、平和な時代から急に戦国時代に投げ出されて、自分の存在を守るために常に必死なんですね。
そこに親からのしつこい介入は負の感情を逆なでる形でしかなく、途端に殻に閉じこもってしまう原因と言えるわけです。
子どもは恐怖から助けを求めている
子どもがヒステリックになることがあります。
この原因は周りから感じる恐怖と不安からくるものですが、何が恐怖で何が不安かどうかはどこから学んでいると思いますか?
紛れもなく親から学んでいるんですね。
過保護とも言える程に親がヒステリックになっていると、子どもはそれが生存に必要な反応だと誤解します。
確かに子どもを守るために保護は必要ですが、過剰とも言えるものは返って成長を阻害し、学習を妨げ反社会的にする可能性があります。
当たり前ですが、全てにおいて過剰に守られていれば、子どもは何もしなくても勝手に守られている状態になるのはお分かりいただけるかと思います。
段々と成長するにつれて、実際には自分では何もできていない事に気付き始め、ようやく恐怖を感じ始めます。
例えば、子どもと週末に大きな動物園に行ったとします。
その人ごみの中に、泣き崩れている母親らしき女性が、警察官と話しているのを見かけたとします。
そこであなたは詳細を聞き、その母親らしき女性は、やはり母親で動物園で娘とはぐれたと話していました。
あなたはこうした事を自分の子どもにも起こさせまいと思うあまりに、こう言ったことを我が子に伝えます。
このように、我が子に脅迫染みた言葉を投げかける事で、折角の楽しい動物園が恐怖で満ちた動物園と化してしまいます。
はぐれて欲しくないからという理由で、一時も離れられない様にする言葉だったかもしれませんが、子どもにとっては大概がそう受け止められていないことを認識しましょう。
ここであなたが伝えるべきだった言葉はこうです。
「自分の子どもがいなくなると、母親はあんなに苦しそうに泣いているんだよ。〇〇も例外じゃなく、お母さんとお父さんと離れてしまうととっても苦しくて辛いからこの手は離してほしくない。」
「でももしはぐれちゃったとしても、警察官がとても親切に一緒に探してくれているから、一生懸命〇〇を探すからね。だってとてもカッコよくてみんなのヒーローみたいな警察官と一緒だから。」
と伝えていたら子どもは、はぐれた後の世界を想像できたかもしれません。
その考える力こそが、自分に直面する恐怖に打ち勝つ予行練習になるんですね。
子どもが恐怖を示すサインとして4つあります。
- その場から逃げる行動、震える、泣く、叫ぶ
- パニックで動けなくなる
- 動作が大げさ、質問を繰り返す、同じことを繰り返す
- 無関心、感情の欠如
親が子どもの感情を理解する上で容易な表現方法ですが、これを使って欺くこともしてくることに注意が必要です。
ただあくまでも親は子供に対して注意すべきであり、からかったり、辱めてはなりませんし、あえて恐怖に直面させることはしてはなりません。
ブランコに乗せて、激しく揺さぶって叫んでいても、実際に喜んで叫んでいる訳ではありませんし、その恐怖を強制させてはいけないということですね。
こういった恐怖や、不安について親がすべき6つの心得というものがあります。
- 子ども自身に恐怖や不安の感情を自由に発言できるように促す
- 怖い動画や絵を見せて、自分の体験として学ばせる
- 可能な限り、恐怖の原因を取り除き、特定の原因を突き止めさせる
- 子どもに様々な模擬シチュエーションを想像させて、その解決策を一緒に学ばせておく
- 徐々に恐怖を感じる程度の段階を上げて慣れさせる
- 注目を浴びるための自作自演をさせないように、安心させる場やコミュニケーションを取る
それでも子どもが恐怖から拭えていない場合は専門家を尋ねる事をお勧めします。
そして、最後にとても重要なのが、
親は子供にしっかりと自分の感情を伝えること
これができていない親が多いようです。
私達が親になる前というのは、それこそ自分だけの面倒を見て、時間を費やし自分磨き等に割いてこれました。
その時の活気あふれる日常は、充実しており満足な時間だったと思います。
ですが、我が子を持った時にパタリと自分の時間が取れなくなります。
どうしても今までの充実した時間が過ごせないばかりか、自分以外の世話をするということを今までしたことがないので、急な変化に戸惑いを隠せないかと思うんですね。
故に、感情的にも不安定になり子どもに対してコントロールしようとさえ考えてしまう可能性があります。
叱ったり、怒鳴ったり、説教したり、権威を示したり、脅してみたりと幾分か知恵がある大人たちは戦略的に子どもを支配下に置こうと躍起になることがあるんですね。
しかし、本来の使命は子どもの最大の奉仕者でありながら、逆に子どもから「無視」されるといった失礼な態度を取られてしまいます。
子どもとの信頼関係が崩壊した瞬間ですね。
そうならないためには、私達は子どもに正確に自分の感情を対等に伝え、子どもからの尊厳を得て、お互いに納得できる関係を築き上げる必要があります。
それが、need,want,feel,like,don’t want,don’t feel,don’t like構文です。
例えば、
- 私は皿洗いの助けが必要です。
- もし帰りが遅くなるなら電話を私にかけて欲しいです。
- 兄弟げんかを公共の場で始められると私はとても恥ずかしいと感じます。
- 朝起こしに行った時にすぐに起きてくれることがとてもうれしい(好ましい)です。
- 脱いだパンツを洗濯機に入れずにその辺に投げ捨てているパンツは拾いたくないです。
- 私に暴言を吐く行為は好きではないです。
- 私が作ったご飯を残されるのは、公平だとは感じません。
簡単に言うと、自分の要求、感情、感覚などを正直にオープンに話して、子どもに何を期待しているのかを明確に伝えるだけで親への愛情や、協力が増えます。
エクササイズ
- 家族全員に一人ずつ「家族について一番好きなこと」を議題に対話する
- 家族全員に一人ずつ「家族について一番腹を立てていること」を紙に書いて対話する
- 1人ずつ、何に対して恐怖を感じていたかを話してもらう
- 1人ずつ、今現在、何に対して恐怖を感じているかを話してもらう
- 家族全員で「最も恥ずかしかった出来事」を一人ずつ話してもらう
- 家族内で現在当惑している事を5つ挙げてもらう(相手の意見を否定しないように詳しく掘り下げていく)
- 1人ずつ腹が立った時に自分がどういう行動をとるか細かく説明する
- これまでの対話で挙げた自分の意見をまとめて、届けたい相手に渡す
- need,want,feel,like,don’t want,don’t feel,don’t like構文を使って表現する練習をする
- この対話を毎週設定して、話し合える場を設ける
親は子どもにとって模範である
当たり前ですが、子どもに最も強い影響を与えているのは、親が自分の人生をどのように生きているかによります。
子どもは自分を育ててくれる人を常に模範としているため、子ども自身が思っている以上に、あるいは望んでいるよりも多くの方法で強い影響を与えられています。
そしてそれが後に子どもの人生を形作ることになるんですね。
勿論、子どもの性格というのは殆どが遺伝と生活環境によるものですが、価値観といった信念たる部分を揺るがすのに十分な要因です。
これを前提に考えてみると、
辞めて欲しい行動や習慣というのは、自分が行ってきたかもしれない行動という可能性がでてくるんですね。
つまり、子どもにそういった辞めて欲しい行動を辞めさせるには、先ず自分自身を見つめなおして、真似させたくない行動を変える努力をするのが賢明だと言えます。
ではどうすればいいかというと、言語でも非言語でも自分に正直で子どもにも正直に接する事です。
子どもは自分のモデルが誠実であるかどうか、そのモデルが本当に思いを込めて伝えているかどうかを見極め、それを今から実践するかどうかを判断してます。
つまり、子どもはこれから真似て行おうとする行動に裏付けが欲しいんですね。
時には、その行動に疑問を持ちかけて相談されたり、非難されたりもあるでしょう。
しかし、その行動を大人が信念としてこれまでも行ってきているのであれば、子どもにとって最善を尽くせる最高の相談役として君臨する事が出来る訳です。
付け焼刃の言葉なんて、ただの言葉でしかないと見抜かれてしまいますから、私達がこれまで試行錯誤を繰り返しながら自分の信じる道を正直に子どもに伝えて、それを非難されたとしても怒らずに、冷静に困難の乗り越え方を教えてあげて下さい。
人生には不確実性、曖昧さ、不完全であることを親と子ども共に知っておいて欲しいんですね。
親だってこれまで誠実に生きてこれたかどうかなんて、大抵が一度や二度踏み外しています。
だからこそ、子どもは親から学ぶ意味があるんですね。
子どもが親から学ぶのは、問題に直面した時にどうすればいいか、どうしたらこの問題を解決できるのか、他に方法は無いのか、自分が間違っていた事から学べる姿勢です。
よく、親が立派でなくてはならないと勘違いする人がいますが、実はそうではなくて、親も失敗から学んできたことを正直に伝えてあげる姿勢こそが子どもにとって最高のモデルとなります。
本当に思っていることだけを(正直に)口にする
例えば、食事の際に子どもが好き嫌いを始めたとします。
子どもは食べず嫌いで初めて見る食事を見るや否や
「これは食べない」
と一言で一蹴し母親を困らせます。
母親も折角子どものために作った料理を食べて欲しいと思いつつも、とても悔しくて屈辱的な気分になってつい
「そしたらこれからママの作ったご飯は食べなくていいからね!」
と叱ってしまいます。
これもよくあるエピソードですね。
ここで注意したい点は、
母親の「そしたらこれからママの作ったご飯は食べなくていい」という発言です。
なぜかと言うと、心にも無い言葉であり、本当は「美味しいといって食べて欲しい」という思いとかけ離れているからです。
この発言は子どもとの信頼関係を壊すのでやめましょう。
この場合、自分の気持ちを正直に伝える事が重要です。
「ママは〇〇のために、美味しいって言ってくれる姿を想像しながら作ったんだけど、食べもしないでいらないと言われるのはとても悲しい。
一口でもいいから食べて欲しいよ。」
「それでも美味しくなかったかどういう所が美味しくなかったか素直に教えてくれる?」
どうしても一生懸命に作ったものを非難されるのは腹が立ちますし、自分の頑張りを否定されているようで憎い感情が湧き出てしまいます。
しかし、子どもはそんなことは露知らずです。
子どもなりに食べたくないという感情に素直に従っているだけなんですね。
大人になるとそういった感情は包み隠して、相手に不快な感情を与えないよう振る舞う生き方を学んでいきますが、そんなのは子どもの世界では通用しません。
つまり、子どもに対しては自分の感情を素直に包み隠さず、伝えていいわけです。
調理場で卵を落として自分に呆れながら床を拭いている所に子どもが
「どうかしたの?」
と聞かれても
「何でもないよ、大丈夫だから」
ではなく、
「ママがドジしちゃって卵を床に落としちゃったんだよね、本当に自分が嫌になってて落ち込んでたんだ」
と素直に伝えた方が、子どもは親の感情を汲み取るようになったり、助けてくれたりします。
そして、なにが間違って失敗したかを客観的に学びとることができるんですね。
エクササイズ
以下のポイントについて、友人、配偶者、家族と積極的に話し合ってください。
親がするべきではない8つのポイント
- 子供からの要求を何よりも優先させないこと
- 子供を育てる際に「お気に入りの親」になろうとすること
- 子供の問題を自分のものとし、子供が自分自身の解決策を見つける代わりに解決しようとすること
- 妻や夫を子供の弱点の原因として責めること
- 「子育て」の仕事を一人で引き受けること
- 妻や夫に言葉や非言語で、子供が第一の関心事であり、夫婦関係は後回しだと伝えること
- 子供の前で伴侶を見下し、信用せず、言うことを無視し、意思決定を逆転させること
- あらゆる会話の中心に「子供の話」を置かないこと
親がすべき8つのポイント
- 子育ての価値観について意見が分かれることを受け入れること
- 一人で母親と父親の役割を果たすことはできないと結論づけること。自分は最高の親であり、配偶者にも最高の親であることを理解すること
- 可能な限り自由に頻繁に子育ての方法について話すこと
- オープンマインドを持ち、新しい技術を試すことに意欲的であること
- 一方の親と子供の間で問題が発生した場合は、関与してはいけず、同情することなく、他の親がしていることを崩したり変更したりしないこと
- 意見が分かれる場合は、後でプライベートで話し合う機会があるまで待つこと
- 間違っていたと認める余裕があること。考えたり話し合ったりした結果、考えを変えたことを子供に伝えること。
- 可能な限り、いくつかの本を読んだり、さらによいのは一緒にいくつかのクラスに出席すること。子供の育て方について。新しい方法を議論し、試してみる
週末だけでもいいので、次のような特徴を持つ人物にどれか一つ選んでなりきれるように意識してみて下さい。
- 自分が結論を急いで出したり、自分の過ちを他人のせいにするときに謝ることができるほど大きな心を持つこと。
- 「Yes」と言う方が簡単な場面で「No」と言う勇気を持つこと。
- 鏡の中の自分をしっかり見つめ、正直に自己評価を行う勇気を持つこと。
- 夢の中の自分になるために努力する強さを持つこと。
- 自分が重要だと考える目標に向かって一生懸命取り組む自己規律を持つこと。
- 他人に見られる善を探し、肯定する自信を持つこと。
- 子供が自分自身の間違いから学ぶのを許すために忍耐強いこと。
- 彼の行動の結果に苦しむことを許す愛情深いこと。
- 子供が質問を持ってきた時に真実を伝える正直さを持つこと。
- 彼が必要とする時にそばにいる敏感さを持つこと。
- 毎日子供と一緒に過ごす時間の重要性を理解するためにリラックスすること。
- 彼があなたに教えることがたくさんあることを理解する知能を持つこと。
- 締め切りやラッシュアワーの最中に立ち止まり、日の出を見たり、海を聞いたり、春の雨を嗅いだり、足の下の砂の柔らかさを感じることができるだけの静けさを持つこと─神の地球の美しさを子供に体験させること。
- あなたの子供があなたとは異なり、彼独自のニーズ、質、強み、弱みを持つ別の人間であることを受け入れること。
- 感情豊かな子育ての技術 日常の障害に対処し、問題を解決しようとするだけでなく、不満を言わないだけの能力を持つこと。
- 自分の両親や他の年配の人々に敬意を示すために、時間とエネルギーを犠牲にする思慮深さを持つこと。
- 体が疲れている時には休む、凝り固まっている時には運動する、お腹が空いた時には食べる、満腹になった時には止める賢さを持つこと。
- 他人のニーズに気遣う優しさを持つこと。
そして、あなたが子供がこれらの高貴な特性を持つように望むなら、まずはあなたがそれらを具体的に示す必要があることを覚えている賢さを持つこと。
子どもと楽しむ
いよいよ最後の鍵となりますが、子ども達との関係性を楽しむことが重要です。
子ども達と笑いあったり、子どもという存在が私達、親にとって、どれだけ幸せをもたらしてくれるのか、喜びをもたらし、私達の人生を豊かにしている事を存分に楽しみましょう。
そして、そのことを恥ずかしげもなく子どもに伝えましょう。
どれだけ愛しているのか、どれだけ幸せを感じているのかを子ども達に教えてあげる事で、子ども自身も自分自身を好きになっていきます。
これこそが私達が子どもに求める最大の効果でもあります。
人は頼られることによって自己肯定感があがり、人助けをしたくなります。
人への奉仕行為というのは、幸福度を上げてくれる行為なので、子どもはそういった振る舞いをする経験を積むことで、自己を愛し、生産的で社会貢献を自ら行うような力を持つようになるんですね。
またそういった行いをする自分に誇りを持つことも可能となり、責任感が芽生えたり、ストレスにも粘り強くなります。
育児の時間というのはあっという間に過ぎ去ってしまいます。
今は何かあれば抱っこを要求してきたり、遊び相手を強要して大変かと思います。
どうしても自分の時間を犠牲にしなくてはなりませんから、子どもの体力に付き合っていたら、あっという間に倒れるくらいにです。
ですが、そんな時間は無限ではなく、有限だという事です。
いつかは「抱っこして欲しい」という言葉が最後の言葉になります。
「一緒に遊ぼう」と遊び相手に選んでくれていたはずが、やがて最後の遊び相手になります。
そしていつかは親の元を離れていって、最後の一緒の生活がやってきます。
今まで大変だと思っていた出来事が、いつかは気が付かないうちに「最後」になるんです。
だからこそ、子どもとの今の時間を最大限に満喫して、精一杯遊び、共に笑い思い出を作っていきましょう。
どうすればいいのか分からない時は、この子育ての10の鍵を活用してみて下さい。
では今回は以上です。



