機関投資家の動向を探る最強の理論②

大口投資家 FVG FX 大量注文

どうもgive-keyです。

前回同様に、機関投資家が介入してくるタイミングや、狙ってくるポイントを紹介していきます。

機関投資家の動向を探る最強の理論①

この理論はかなり長編になる上に、難解な用語も多数出てくるので、この理論を学びたい方は最初から順番に学んでいく事を強くお勧めします。

今回のメインは、この理論におけるコアの部分です。

この知識を身に着けるだけで、今までのチャートの見え方が180°変わると言っても過言ではありません。

しかも、株式やFX、コモディティにも通用するこの知識は、学んでておいて損はありません。

なんでそういったチャートの動きをしたのか、ダウ理論で考えても全く機能しないと考えていたが、実際はこの知識の部分が成立していたなんてことも沢山あります。

更には、その知識を利用するだけで、少し未来のチャートの動きもかなり高い精度で予測する事が出来ます。

それでは早速本題に入りましょう。

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FVG(Fair Value Gap)

ずばり、このSMC理論においての基礎中の基礎、FVGについて解説していきます。

FVGというのは、Smart Moneyが大量注文を発注したが、注文の売買相手が足りなくて注文が残ってしまった部分を指します。

例えば、買いの大量注文を発注するとします。

話は前後しますが、FXにおいても株式においても、相手がいないと取引が出来ません。

自分がこの価格帯で買いたいと思っている一方で、売りたいと思っている人もいるという事です。

では、自分が発注する注文数に対して、相手側が不足していた場合、どうなるでしょうか?

話を戻しますが、USD/JPYが146円で買いで1億円分注文すると、相手側も1億円を売ってくれないと売買が成立しないことになるんです。

つまり、その1億円を満たすためにチャートはスリッページを起こし、注文を約定させようとします。

そのスリッページを起こした部分は、買い注文が約定しなかった部分で、その部分は買い注文だけが残っている、言わば価格の不均衡状態とも言えます。

では、どこで確認するかというと、3本のローソク足をみてFVGがあるかどうかを確認していきます。

このFVGは2種類あって、

  • Bullish FVG
  • Bearish FVG

この2つを紹介します。

Bullish FVG (BISI-Buyside Inbalance/Sellside Inefficiency)

3本のローソク足の中間に注目してみると、最初のローソク足実体と髭の部分と、最後のローソク足実体部分と髭の部分でオーバーラップされていない空白の部分がFVGとなります。

真ん中のローソク足が陽線であれば、Bullish FVGと定義されます。

因みに、髭や実体で真ん中のローソク足をオーバーラップしてる場合は、NO FVGとなります。

Bearish FVG (SIBI-Sellside Inbalance/Buyside Inefficiency)

今度は、Bearish FVGです。

Bullish FVG同様に、3本のローソク足の真ん中の中間に注目して、最初と最後のローソク足実体や髭でオーバーラップされていない部分をFVGと言います。

真ん中のローソク足が陰線であれば、Bearish FVGと定義されます。

また、最初と最後のローソク足実体や、髭でオーバーラップされていればNO FVGとなります。

FVGの特徴

では、なぜFVGがこのSMC理論のコアなのでしょうか?

FVGが生じるロジックは分かったけど、それがなんの意味を持つのか?

結論から言うと、以下の特徴を持ちます。

  1. FVGはチャートを引き寄せる性質がある
  2. Bullish FVGは「サポート」として機能する=ロングエントリータイミング
  3. Bearish FVGは「レジスタンス」として機能する=ショートエントリータイミング
  4. 利確のターゲットに出来る
  5. 全てのFVGを埋めるとは限らない

FVGはチャートを引き寄せる性質がある

FVGが生成されると、そのGAPを埋めようとチャートが誘導されるようにアルゴリズムが働いているようです。

実際にチャートを見てみると分かりますが、USD/JPYが下降バイアスにある時に、かなり勢いのある大陰線が出来ていますが、そのFVGを埋めようと、チャートが引き寄せられているのが分かります。

この仕組みは、FVGが起きた原因を考えると理解できます。

Smart Moneyが大量注文することで相手側が不足し、一部約定してない注文が取り残されている部分が、FVGだと解説しましたよね。

つまり、この一部の約定しなかった注文を再度約定させるために、価格を誘導しているんです。

これは言い換えれば、不均衡状態を均衡状態に戻すようにアルゴリズムにプログラムされているからと言えます。

※SMC理論は、

Interbank Price Delivery Algorithm(IPDA/イプダ)というアルゴリズム(=AIプログラム=自動売買ソフトウェア)によって、全ての値動きが操作されている

という前提で理論が成り立っています。

Bullish FVGは「サポート」として機能する

相場のバイアスが上昇方向だった場合、Bullish FVGは埋めた後、トレンド継続する傾向が高いとされます。

実際にチャートを見てもらうと、EUR/USDの日足で見ると、上昇トレンド中に発生したBullish FVGを一旦埋めてから、再度上昇しているのが分かります。

つまり、「サポート」として機能しています。

ここをエントリーポイントとして活用することで、順張りエントリーすることが可能となる訳ですね。

Bearish FVGは「レジスタンス」として機能する

相場のバイアスが下降だった場合、Bearish FVGは「レジスタンス」として機能する事があります。

実際にチャートで説明すると、USD/JPYで15M足を見てもBearish FVGまでリトレースメントした時に、反発して再度落ちているのがわかります。

レジスタンスとして機能する場合、FVGまで戻るのを待ってからエントリーするという手法が効果的です。

利確のターゲットに出来る

FVGの最大の特徴である「価格を引き寄せる性質」を利用して、利確のターゲットにも出来ます。

実際のチャートでは、GBP/JPYの1H足で見ても、過去のBearish FVGが未だに埋められておらず、その部分に不均衡が生じていました。

ですが、トレンド転換した後、上昇トレンドが発生して順調に高値、安値を切り上げていきます。

その天井に未だ埋められていないFVGのレジスタンスがあります。

利確位置をFVGの少し下に置いておけば、このトレードではリスクリワードは1:10位は取れてしまいます。

全てのFVGを埋めるとは限らない

FVGの特徴が「FVGは埋められる」とはいえ、全てのFVGを埋めるとは限りません。

少しだけ埋めて反発するパターンもあれば、中間まで埋めて反発するパターンもあります。

また、当然ながら何年も埋められていないFVGもあります。

別の話では、埋めた後反発せずにそのまま抜けていくパターンもあるので、見極めが重要になっています。

そこで、その見極めの根拠としてCEを紹介します。

CE(Consequent Enchroachment)

Consequent Enchroachmentとは、軍事用語で「継続侵食」を意味しており、軍事行動において発生した政策の影響で、特定の領域や資源に対する権利や利益が侵害される状況を指します。

ICTで言えば、FVGによって「引き寄せたチャート」が、FVG内で反発するのか、抜けるのかのラインを決めるのがCEとなります。

これは、簡単に言うと、前回学んだPremium/Discount Zoneの概念と思ってもらえば理解しやすいかと思います。

FVG内でフィボナッチリトレースメントを引き、Premium ZoneとDiscount Zoneの境目がCEとなります。

基本的には、FVGまでリトレースメントしてきても、CEを超えれず反発し、トレンドフォローとなりますので、見極めとしてはCEを抜けられなければ反発を想定し、逆に抜けて確定した場合、そのまま抜けていく事を想定しましょう。

また、FVGを実体で抜けた場合、レジサポ転換として機能する事があります。

亜種のFVG

ここでは、亜種のFVGを紹介します。

亜種とはいっても、特徴はなにも変わりませんので従来のFVGと合わせて覚えておくといいでしょう。

種類は以下の通りです。

  • Volume Inbalance
  • Gap

それでは、それぞれ解説していきます。

Volume Inbalance

通称VIとも言いますが、これは2つのローソク足で分析していくもので、お互いのローソク足実体が同じ価格帯で隣り合わせにならずに、髭だけで交差している部分です。

この場合、基本的なローソク足の形成手順として、終値でローソク足の形成が終わり、その価格帯で次のローソク足の始値として形成開始されるはずが、終値で注文を入れる事によって終値と始値に乖離が生じるというものです。

この考え方は次で紹介するGAPでも同様です。

GAP

このGAPは巷では「窓」と呼ばれている物です。

VI同様に、前回の終値と次のローソク足の始値に乖離が生じる部分を指しています。

FVGの例

・USD/JPY 1H足

上昇バイアスを上位足で分析

1H足で見れるSwing・LowからSwing・Highまでフィボナッチリトレースメントを置き、大陽線で発生したFVGを探す

OBがあるので、そこにも反発勢力がいると分析(※OBはまた別の記事で書きます)

OTEで最適なエントリーポイントを探し、0.705に指値注文

SLはOBの下

PFはフィボナッチで導き出した-0.5ラインの少し下 R/R=1:4.5

・XAUUSD 1H足

上昇バイアスを上位足で分析

1H足で見れるSwing・LowからSwing・Highまでフィボナッチリトレースメントを置き、大陽線で発生したFVGを探す

OBがあるので、そこにも反発勢力がいると分析

2,396.046の価格帯でLiquidity Sweep (※Liquidityはまた別の記事で書きます)

OTEで最適なエントリーポイントを探し、0.705に指値注文

SLはOBの下

PFはフィボナッチで導き出した-0.5ラインの少し下 R/R=1:3.5

Displacement

Displacementとは「変位」といって、相場内で急変位が起こる所と言えば、「大陽線/大陰線」です。

もっと言えば、1本のローソク足でなくても問題なく、ある一定の時間内に大きな値幅が動いたローソク足の塊でも問題ありません。

こういった活発な急速な価格変動が起きる時は、その動きに関与する大量の注文があったという動かぬ証拠だからです。

つまり、そこには必ず意図がある介入があったという足跡になるため、このDisplacementはかなり需要です。

例えば、上記の例で言えば、2つの例とも大きな大陽線1本が見えると思います。

このSMC理論では、機関投資家の動向を分析するため、こういったDisplacementを伴わない場合は、LiquidityもFVGもフィボナッチリトレースメントも強い根拠にはなりません。

またこういったDisplacementはFVGだけではなく、LIquidity Voidも含みます。

Liquidity Voidは次回の記事で解説しますね。

ここで簡単に説明すると、急上昇・急下落する規模が違うという点です。

まとめ

FVGというのは、アルゴリズムが買い注文や、売り注文を一方的に大量に発注する時に発生するスリッページで、その商品価値に不均衡を生じさせます。

USD/JPYが150円が適正価格だとして、Smart Moneyが一方的に売り注文を仕掛けて、148円になった場合、2円の差が釣り合っていなく不均衡だという事ですね。

そういった不均衡を均衡状態に戻そうというアルゴリズムの誘導によって、FVGを埋めようとする性質があります。

更にその不均衡を埋めて均衡状態に戻した後は、通常通りのトレンド継続を始めるといった性質も兼ね備えていました。

その特性から、エントリーポイントにしたり、利確ポイントにしたり出来ると言った手法の一つとしても活用できる優秀性を誇ります。

ただし、一つ懸念事項として、必ずしもFVGを埋めて反転するとは限らず、仲には少ししか埋めずに反転したり、ローソク足実体で抜けた後に、レジサポ転換したり様々な動きが観測されることに注意が必要です。

そこで、FVG内でどの辺りで反転するのか、そのまま抜けてレジサポ転換するのかを見極めるのがCEでした。

こういったFVGやCEといった分析方法は、Smart Moneyが介入しない事にはアルゴリズムが起動しないので、強い根拠にはならず、必ずDisplacementがあることを確認する事が重要でした。

さて、今回は以上になります。

次回はLiquidityについて解説していきますので、お楽しみに。

それでは次の記事でお会いしましょう。

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