投資家が陥りやすい14のバイアス

どうもgive-keyです。

今回は、投資家が陥りやすいバイアスという事で、解説していきます。

これは皆さんがこのblogに興味を持っているという事は、何かしらの投資に携わりたいもしくは、既に投資を行っている方が多いと思います。

それこそ、このサイトではFXや株式、先物などの知識を紹介しているので、投資の勉強を目的に来られている方などいらっしゃるのではないでしょうか。

 

前回もお伝えした通り、投資というのは自分の頭で考えなくてはなりません。

相手の助言を鵜呑みにしたり、方法を真似るのではなく、自分なりの使いやすい方法や思考法を身に着けるべきなんです。

 

何故かと言いますと、 自分の頭で考えて投資をしないと、大きい損失を被るような失敗をするからです。

 

正確に言うと、いつか失敗して人のせいにします

こうならないためにこのサイトは自分なりの方法を構築できるように色々な理論や分析方法、更には手法まで公開している理由はここです。

ですが、もう一つ学んで頂かなければならないものがあります。

 

それは、バイアスです。

 

これは、様々な場面で見られるんですが、 例えば、何かを判断する時も、何かを学ぶ時も先行投資していますよね。

判断したその先の結末にかけて、自分の未来を投資したり、資格勉強も自分の時間を投資して資格を保有する利益を受け取るといったものまで。

ただ、ここにミスが生まれます。

それこそ、判断ミスや、自分の時間を投資したはずなのに違う事に使っていたりとか。

人はなぜミスをするのだろうかというのをテーマに解説していきたいと思います。

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参考文献

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?.ダニエルカーネマン

ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか?.ダニエルカーネマン

Behavioral Finance and Wealth Management How to Build Optimal Portfolios That Account for Investor Biase.MICHAEL M. POMPIAN

Behavioral Finance: Psychology, Decision-Making, and Markets. Lucy F. Ackert 

Terrance Odean(1980).Are Investors Reluctant to Realize Their Losses?

 

現状維持バイアス

多くの投資家は先行きが不透明な状況、経済の動向が読めないだとか、自分の投資知識では見通せないといった状況になればなるほど、現状を維持しがちです。

人が新しいことに挑戦できないのもこの現状維持バイアスによるものなんですね。

これによって、投資の意思決定を先延ばしや先送りにすることで、私達の投資の品質というのが悪化していくんですね。

 

よく投資の世界で言われている言葉がありますよね。

「相場が弱気な時は大胆に、強気な時は慎重に」

この言葉の意味はこうです。

株価や価格が下落している時というのは、他の投資家が臆病になっている時だからこそ、自分の判断に任せて注文できれば所謂、安い時に買えて伸びしろ分が利益になるし、

一方で他の投資家が豪快になって騒いでいる強気相場についてはいつ熱が冷めて下落してくるか分からないから、相場を慎重に分析しなさいよ。

との事なんですが、言葉にするのは簡単なんですよね。

そう出来ないのはこの現状維持バイアスによって、制限されているからです。

 

確証性バイアス

一度自分が決定を下した投資にとって、都合の悪い情報を無視してしまうといったバイアスです。

勿論、意思決定した投資にとっていい情報を取り入れるので、結果みると、情報に偏りが出ているのが特徴です。

どうしても人間は一度下した決定を保持しようとする傾向が強いので、新たに自分の意志決定を揺るがす情報や、意味のある情報が現れたとしても、自分の意思決定が一番正しいと思い込んでしまうため、簡単に変えることが出来ないんですね。

例えば、長期足で上目線だと認識して、中期足ではボラティリティが激しくてかなりの乱高下を繰り返していてエントリーしにくいとしたら、上目線なのは間違いないと確信しているので、違う時間足で上目線でエントリーする所を無理やり探し出すといったものです。

中期足で乱高下している時にエントリーしても簡単に損切りにあうリスクの方が高いはずなのに、そのタイミングでエントリーしようと決定したら、無理やりにでもエントリーポイントを探し始めてしまいます。

 

自信過剰バイアス

これは投資家に限らず、医師とかある程度権力を持った人が陥りやすいバイアスです。

この地位にいる理由は紛れもなく自分の実力だと自信過剰に陥る傾向にあるんですね。

ただし、権力を実際に持っていなくてもこのバイアスに陥る人たちもいるので注意が必要です。

投資世界においては、自分が投資を誰よりも知っている、自分が作った投資ツールは誰よりも機能する、株価や価格の動向を正確に予測する事が出来るといった過大評価をする傾向にあります。

プロだって投資で失敗しますし、絶対に機能する投資ツールはもはや未来を予測できる未来道具です。

 

この自信過剰バイアスに陥ると、投資で利益を抜いた成果を自分の実力だと思い込む傾向があるんですね。

その成果は運要素も含まれているのに、全てにおいて自分の分析が絶対的に正しいという姿勢を崩しません。

一方で失敗したときには運が悪いと、責任を自分の実力ではなく不確定要素に擦り付けたりもします。

 

損失回避バイアス

お馴染みのプロスペクト理論の基礎となっているバイアスですね。

この辺りは理解していると思うので簡単に説明しますが、多くの投資家はリスクやリターンよりも、損失に対して過剰な反応を見せるという事が分かっています。

ダニエル・カーネマン氏のプロスペクト理論も、この可能性よりも損をとてつもなく嫌がる習性に沿って展開されています。

このバイアスに陥ると、損を嫌がるから損をしないという思考に上書きされていきます。

どういう事かというと、

含み損になった時に、損切りをすることが出来ずに塩漬け状態にしたりします。

これは、あくまでも数字上の損失なだけで、約定させなければ損する事はないという思考に上書きされているからですね。

更に少しの利益で確定するのも、いつ損失方向に落ちるか分からないから今のうちに利益確定しておこうと行動する事も、本来なら利益を伸ばそうとするはずがリターンよりも損失に意識が向いてしまっているからです。

 

経験則バイアス

多くの投資家は無意識のうちに自分の経験則を単純化します。

確かに、投資で色々な失敗や成功体験を基に知識を積み上げていくといった側面もあるんですが、このバイアスに関しては、その経験を扱いやすいものとして単純化してしまう傾向にあります。

例えば、自分の分析方法を言語化して誰かに教える講座があったとして、自分のこれまでの経験から直感的にトレード判断するタイミングを教えるのって難しいんですね。

これを相手にも分かりやすくするためには、自分の経験を型式に嵌めて単純化するといった方向に向かってしまいます。

 

そうすると、相場がその型式に嵌められた分析を行なおうとしても通常は上手く機能せずに損失を招く手がかりとなる可能性があります。

要は、考えるのがめんどくさいので経験豊富な投資家達も簡単にして意思決定を減らしたいから故のバイアスです。

 

親密感バイアス

これは自分が慣れ親しんでいる物に対して、親密感を抱いて安心するといったバイアスになります。

よくあるのが、大手会社の名前で売っている商品は安心だとか、その名前をよく聞くからリスクが低いだとかなんですけども、どうしても単純接触効果もあって人は何度も遭遇した事象に、好印象を抱きやすいといった特徴も持っているので、中々払しょく出来ないバイアスにもなります。

これを投資の世界で説明すると、自分が良く知っている銘柄や通貨ペア、コモディティに多く投資することがよくあります。

例えば、USD/JPYの通貨ペアとBRL/JPYの通貨ペアを比べた時にどっちの通貨ペアの方がリスクが低いと感じますか?

 

勿論、自分が理解できない通貨ペアや銘柄のジャンルに手を出さないで自分の能力を発揮するエリアを制限して取引するのは問題ないのですが、有名な所というだけでリスクが低い訳ではないのでそこは注意して下さいね。

 

ギャンブラーの誤謬

ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)と読みます。

これは、コインの裏表の確率が50:50だと理解しているうえで、裏が5回連続で出たとしたら

 

「次はさすがに表が出るだろう」

 

と感じてしまう傾向の事を指します。

つまり、ある事象が連続で発生した時に、実際の発生確率を無視してしまう傾向をギャングラーの誤謬と言います。

例えば、上昇トレンド中に押値を何度もつけている局面で、次の押値のタイミングで

 

「そろそろ反転するだろう」

 

と安易に考えてしまう可能性があります。

エリオット波動を軸としたテクニカル分析であれば、推進波をカウントしていく過程で第5波をカウントしたからそろそろ調整波に移行すると思いがちです。

しかし、相場は行き過ぎる事もありますし、どの時間枠で相場が動いているのかを判別しずらいため、こういった根拠だけでトレードするのはリスクが高いと言わざるを得ません。

 

アンカリング効果

これは特定の数字が印象に残ってしまって、投資の意思決定に影響を与えてしまうといった効果です。

例えば切りのいい数字だったりとか、ゾロ目の数字、自分に関わる数字といたものも含んでいます。

人間はあらうる情報を処理するために、分かりやすい数字といったものに目を向けてしまいがちなので、その分かりやすいポイントに意識をアンカー(⚓)してしまうんですね。

そうすると、そのアンカーされたポイントから物事を比較するポイントや、特別な数字として捉える傾向にあります。

マーケティングでも良く使われる心理効果で、過去に1万円だったものが2000円まで値引きされて購入することが出来たら「これはお得だ」と思う訳です。

一方で、過去に1万円という情報が無い上で、2000円という価値を見たらどう感じるかを比べてみると分かりやすいかもしれませんね。

 

視野狭窄バイアス

特定の投資先の値動きばかりに目が行くといったバイアスです。

IT系の投資先ばかりに意識が集中してしまったり、不動産ばかりに目がむいてしまったりと、特定の企業の数字が気になってしまうと言ったものです。

FXで言えば、USDが絡む通貨ペアのみを分析しまったり、ビットコインのみに投資するといった場合も視野狭窄に陥っています。

視野狭窄に陥ると、特定の企業やジャンルにしか目が向かない上に失敗したときに過剰に反応してしまうこともあります。

よくスキャルピングする人にこの視野狭窄バイアスに陥りやすく、短期的にエントリーを繰り返していくと、その投資先しか見えなくなる現象ですね。

 

近接性バイアス

すこし親密感バイアスと似ている所もあるのですが、

親密感バイアスとはよく目に触れているあるいは、よく関わっているものに対してはリスクが低いと感じるバイアスでしたが、この近接性バイアスは、最近目にした「記憶に新しいもの」に対して、意思決定を行ってしまうバイアスです。

例えば、最近のニュースで日銀為替介入か?という情報を耳にいれたら、売りポジションを持っていたりとか、

アナリストが「USD/JPYが反転ポイントに来ましたので損切りラインの整備を確実に」という内容を聞くと、反転ポイントみたいだから逆張り仕掛けよう。

といった外部から直近で聞いた嘘か真実か分からない内容だけで意思決定に影響を与えてしまう現象です。

これは直近の自分の経験にも影響を受けるんですね。

例えば、直近で損切りポイントを広めにとってかなりの値幅をレバレッジかけて利益を抜こうとして失敗した場合、

要は大きな損失を被っている訳ですが、こういった直近の失敗によって次の取引が臆病になって、前回のような多少のリスクのある取引が出来なくなる現象も近接性バイアスの影響です。

本来ならば、過去の失敗に影響を受けずに同じエントリーができるのが本来の投資家のはずです。

 

後悔回避バイアス

科学的には損失回避バイアスの仲間として扱われていますが、意思決定場面において、将来の結果を予測した上で、後悔による不快な状態を避けるように決定を行うことを指します。

例えば、定食屋に行った際に、オススメとして自分の知らないメニューと自分のいつも慣れ浸しんでいるメニューがあった時に、後者を選んでしまう現象です。

これは、オススメをお金を払って頼んだ時に自分の口に合わなかったらどうしようとか、どんなものか想像できないといった曖昧さ、リスクある選択肢を避けて、確実に失敗しない(ただし大成功もしない)選択肢を選ぶ確実性効果があります。

またこの後悔回避バイアスは「他人の猿真似」にも表れます。

特に初心者に多いのですが、深く考えもせずに他人の投資手法をそのまま真似てしまう現象も同様なんですね。

自分にあった稼ぎ方が分からずにただ真似するのは、本質を全く理解せずに、表面的な部分を汲み取っているにすぎないからです。

これは、稼いでいる人の手法を真似すれば、取りあえずは勝率が今よりも向上するといった期待も含めて、後悔しないように行動しているだけですからね。

更に聖杯探しについても同じことがいえる訳です。

 

ディスポジション効果バイアス

これはプロスペクト理論に基づいた認知バイアスで、株などの資産が値上がりしたときは売りたがる一方で、値下がりしたときは売りたがらない傾向を指しています。

要は、「損大利小」になっているということですね。

また、アンドレアセン氏の代替行動理論によれば、人は損失を被りたいわけではなく、含み損状態がすぐに回復する可能性に重きをおいているからだとされています。

 

では、実際に短期的に利益確定した若しくは長期的に含み損を抱えた意思決定を行った後の、相場が私たちに与えるリターンがどのような結果になったのかを調べた研究があるので紹介します。

 

保有してて下がるのが怖いから利確してよかったのか、含み損に耐えてたら値上がりしてきて回復してきたから待っててよかったのかどうかを知りたいですよね。

結論から言うと、短期的に利益確定の意思決定を行った場合、その後の相場のリターンは1年間で2.35%も上回っており、2年間で6.45%も上回っていました

また、長期的に含み損の意思決定を行った際は、その後のリターンは1年間で1.06%も下回っており、2年間では2.87%も下回っていたことが分かっています

 

つまり、含み損に耐え続けていても希望通りの結果になる事は全体的にも見込みは薄い事がわかるので、もう少し保有しておきたいと思った瞬間に損切りした方が得策であると言えます。

 

情報カスケード

他人の判断と行動が合理的だと判断して、引きずられていく現象を言います。

例えば、AとBの本があって、どちらも同じジャンルで自分が知りたい情報について謳っている物だったとします。

よく本屋で「Aの本は良く売れています!」とか、「A、売上NO1!」という広告を見ると、周りはこの本がいいと思って買っているから、正しい!と思ってしまう現象ですね。

たまたま著者がインフルエンサーだったり、最近人気急上昇のアーティストが手掛けたもので、知名度だけで売れている可能性だってある訳です。

結局、Bという本の内容の方が確信に迫っている内容だったという事がよくあるんですね。

 

投資で言えば、価格が上がるのを見て、買い注文を入れたり、価格が下がると売り注文をだすといった価格バブルを引き起こす要因となってしまいます。

 

謙虚な例が、バブル景気ですね。

好景気が続く中で、乗り遅れまいという心理と、他人と同じ行動をすることが利益に繋がると、合理的な判断と錯覚しているパターンです。

つまり、周りの人間が良いと思っている物は常に正しいのではないので、自分の頭で考える必要があります。

 

コンコルド効果

サンクコストバイアスと似ている概念ですが、サンクコストバイアスは過去に投資した時間やお金に焦点を置かれ、感情的なコミットメントを持ち、これまでリソースを無駄にしたくないという心理が働きますが、

コンコルド効果は既に投資や努力を積み重ねてきたことに焦点を置かれ、そのことに感情的なこだわりを持ち、その取り組みが合理的ではない程価値があると思い込ませる心理が働きます。

投資で言えば、これまでとある通貨ペアの環境認識を行なってきて、数年間分析に勤しんでいた場合、別の通貨ペアで取引をしようとすると何かしらの言い訳を作ってためらったり、

長期投資で数年間保有していた銘柄が価格反転シグナルが出ているにも関わらず、これまで幾度の損失を乗り越えており、またいつか上昇していくから利益確定を見送る。

といったものがコンコルド効果です。

 

因みにサンクコストバイアスの一例を出すと、

一時的に損失を被った場合、その過去の損失を取り戻すために、悪い局面にも関わらず、さらなる賭けに挑戦する。

といった心理状態を言います。

 

まとめ

如何だったでしょうか。

投資が陥る14のバイアスということで紹介してきましたが、バイアスというのはこれ以外にも沢山あります。

自分はどのバイアスにも陥ってないよと豪語される方は以下のバイアスチェックを受けてみて下さい。

次回は、こういったバイアスに陥った際はどうしたらいいのか、はたまたそもそもバイアスから避けるためにはどうしたいいのかを紹介していきますのでお楽しみに。

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

 

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